マイクロソフトが2020年10月にリリースを始めたRPAツールである「Power Automate Desktop」。

Softomotive社が提供していたRPAツールである「WinAutomation」がその元となっています。

2021年3月には突然、「Power Automate Desktop for Windows10(以下、PAD)」という無償版の提供を発表し、RPA業界に激震が走りました。

それまで「UiPath」という無料でも使えるRPAツールはありましたが、比較的習得の難易度が高いRPAツールでした。

その点、PADはシンプルで直観的に操作しやすいRPAツールと言えます。

その後、Windows11が発表されると、そちらでは最初からPADがインストール状態になっています。

名前も、「Power Automate for Desktop」という名前に変わり、提供されていますが、中身は変わりません。

■そもそも有償版の価格はいくらなの?

話を本題に。

「Power Automate Desktop」は、「Power Automate」として提供されているサービスのうちの1つです。

「Power Automate」には、PADと「クラウドフロー」と呼ばれる世の中のクラウドサービスと連携させることができるものがあるのです。

つまり、クラウドサービスの自動化は、「クラウドフロー」。

デスクトップの自動化は、「PAD」という訳です。

 

で、厄介なのは、マイクロソフトのホームページにて、Power Automateの価格一覧をみても、恐らく一般の人には理解が出来ないだろう内容になっていることです。

元々、マイクロソフトのホームページの解説って、英語版を機械翻訳で日本語にしているものが多く、そのサービスに精通していないネイティブ日本人が理解しようとすると、チンプンカンプンで理解できなくても無理はありません。

あれほどの大企業がまともな解説文1つ作れないのは、不思議ですよね。

実際、問い合わせ窓口に電話しても、自社のサービス内容をよく分かっていない担当が多いのは、そのせいもあると私は思っています。

 

そして、以下が「Power Automateの価格表」です。

価格(Power Automate Desktop)

 

まず、多くのユーザーが思うだろうことは、「PADの有償版を使いたいのだけど、どれを選べばいいの?」ということです。

正直、私も最初、内容を読み込んでみても、良く分からなかったです(苦笑)

ググってみても、皆さんの理解がバラバラで、ますます混乱することになりました。

PADの有償版を使いたい方のほとんどは、

①スケジュール機能・トリガー機能を使いたい

②PADで作ったフローを社内で共有できるようにしたい

というものだと思います。

では、どれを選べばよいのでしょうか?

■サービスごとの違い

①ユーザーごとのライセンス(ユーザーごとのプラン)

上図の一番左(1630円)から行きましょう。

これを契約すると、何ができるようになるのでしょうか?

答えは、「Power Automate」において、無制限にフローを作ることが出来るようになります」です。

こういうと、「えっ、もともとそうなんじゃないの!?」と思った人もいらっしゃるでしょう。

実は、無償版にも「個人アカウント」と「法人アカウント」と呼ばれるものがあり、このどちらでPADにログインするかで違うのです。

「個人アカウント」の場合には、マイクロソフトのオンラインストレージサービスである「OneDrive」に作成したフローは保存されていきます。

ですので、OneDriveの容量上限が、フロー作成の上限になります。

そして、「法人アカウント」の場合は、作成したフローは、「Dataverse」と呼ばれるマイクロソフトのサーバの保管領域に保存されていきます。

こちらは、上限が「600フロー」です。(当初と変わっていなければ・・・ですので、厳密な数字が知りたい方は、マイクロソフトに問い合わせてみてください。)

まあ、1台のパソコン&PADで、600フロー以上作るケースも稀でしょうから、あまり気にしなくても良い気がします。

②ユーザーごとのライセンス(アテンド型のRPAユーザーごとのプラン)

話を「有償版(1630円/月額)」に戻しますと、契約することにより、フロー作成数の上限がなくなるのです。

では、1630円のプランでは、「スケジュール機能」は使えないの?

はい、使えません。

PADで作成したフローをスケジュールタイマーで動かしたい場合には、上図の真ん中にあるプラン(4350円)を契約する必要があるのです。

この「アテンド型RPAのユーザーごとのプラン」を契約すると、上の①と②を満たすことが出来るようになります。

他にも、同じグループ内で使われているフローの稼働を一覧で見ることが出来るようになりますので、厳格なセキュリティポリシーでシステム管理する企業においてPADを使おうとすると、必然的にこのプランを契約する必要が出てくると思います。

もちろん、各IDごとです。

そうすると、1か月約5,000円(税込み)。

1年間で約60,000円です。

10ユーザーで、年間約60万円になりますね。

それでも、NTTのRPAツールである「WinActor(フル機能版)」1ライセンスよりも安いので、今後を考えるとPADを採用、もしくは切り替えるに値すると考えるのは私だけでしょうか!?

あと、上図を良くみると、上のところに吹き出しのような形で「USD15の期間限定オファーをご利用いただけます」と書いてありますが、大口で申し込みば、「毎月15ドル/1ユーザー」で使えるようになるという理解で構いません。

ただ・・・、「最低申し込み数が、5000ライセンス以上」となっています(苦笑)

せめて「500ライセンス」くらいだったら…と考える企業も多いと思いますが、5000となると日本で申し込みできる企業がどれほどあるのでしょうか!?

③フローごとのライセンス(フローごとのプラン)

ちなみに、上図の一番右のプラン(10870円/月額)は、組織において各PCにPADをインストールすることなく、フロー単位で使うことができるようになるプランだそうです。

以前に比べてだいぶ価格が下がったようですが、個人的には価格と使い勝手を考えると、あまり用途が見出せません。

 

以上、有償プランを解説してきましたが、「スケジュール起動」や「トリガー起動」に関しては、有償プランの契約をしなくても、工夫によって決まった時間・タイミングで動かすことは出来ます。

無限ループを利用する都合上、RPA専用のパソコンを用意するなど、利用にあたって少し縛りがあったりしますが、中小企業においては有益な方法だと思います。