今回は、「クラウド型RPA」の話をしたいと思います。

繰り返しになりますが、現在主力のRPAソフトは、PC/サーバにインストールして利用するタイプのものです。

人によっては、「インストール型RPA」と呼びます。

 

その一方で、「クラウド型RPA」と呼ばれるRPAも登場しています。

そもそも「クラウド」というのは、サーバがインターネット上(正確にはデータセンターに設置)されており、インターネットを介して利用するタイプのものです。

なので、利用条件としては、インターネットに繋がる環境とブラウザ(IE or Chrome or Firefoxなど)が必要となります。

 

さて、そんな「クラウド型RPA」ですが、どんな特徴があるのでしょうか?

 

「クラウド型RPAのメリット」

まずメリットですが、

■RPA用のコンピュータ(PC/サーバ)を用意しなくてもよい

PC/サーバの場所も必要なければ、管理に気を遣う必要もありません。

重い処理であっても、クラウド型RPA提供側でそれに見合ったITリソースを用意してくれるので、気にしなくても良いのです。

辞めたくなっても、解約すればそれで完了となり、お試しなどにも挑戦しやすいですね。

 

■他SaaSとの相性が良い

今や世の中の多くのアプリケーションは、SaaSで提供されています。

そして、そのSaaSにはAPIと呼ばれるインターフェースがあり、通常の使用方法ではできないことも、API経由であれば可能になることが多いのです。

インストール型のRPAでやろうとすると複雑で難しい作業でも、クラウドRPAだとAPIを使ってすんなり設定できることも結構あるのです。

 

■常に最新版のRPAソフトが使える

提供事業者側で最新にアップデートしていくので、気が付いたら機能が勝手に追加されているというような状態になります。

 

「クラウド型RPAのデメリット」

では、デメリットは無いのか?というと、気になる点もあります。

■基本、SaaSへの対応となり、デスクトップにインストールしているアプリケーションを操作できない。

どういうことかというと、クラウド型RPAはブラウザを通して使うものであり、クラウド(インターネットの向こう側)からブラウザを飛び越えて、PC/サーバで動いているローカル上(自分が使っているPC/サーバ)のアプリケーションを操作できないということです。

世の中の流れとして、多くのアプリケーションソフトがCDやDVDで配布ではなく、SaaSの流れになっていることは確かですが、現時点で基幹系業務などは、オンプレミスで利用しているところも多いはずです。

 

その点、インストール型RPAは、ブラウザを通して画面に映るソフトウェア全般も操作できます。

なので、汎用性の面からいっても、現時点ではインストール型RPAの方が使い勝手が良いというのは否めない現実だと思いますね。

でも、10年後は状況が変わっているかもしれません。

世界三大RPAソフトである「Automation Anywhere」もクラウド型の提供を始めるニュースも出ており、その流れに追随するRPAソフトウェアメーカーも出てくるかもしれません。

そして、クラウド型が主流になれば、課金体系も年間ライセンスではなく、従量課金が当たり前になるのかも!?