中学生や高校生に、「将来、どんな仕事についたら良いですか?」と聞かれたら、何と答えますか?

恐らく上位に「プログラマー」、「IT系のエンジニア」といった名前が挙がってくると思うのです。

実際、国としても小学生にプログラミングの基礎を教えようとしていますからね。

ちょっと前のニュースでは、今の子供が大人になる時には、10万人以上のエンジニア不足になる!なんてものも目にしました。

本当にそうなるのでしょうか?

 

アメリカのIT業界で変化の兆し

さて、IT先進国のアメリカで、ビッグテックと呼ばれる企業においても、リストラが増えているってご存知ですか?

理由としては、大きく分けて2つあるそうです。

■リストラが多い理由(その1)

コロナの時に大量採用し、幅広い分野で新規事業に挑戦し、その調整のために解雇される人が増えています。

コロナの時には、アメリカ政府主導で市場に多額の資金が流入されました。

そのため、多くの企業も簡単に好条件で融資を受けれたそうです。

その資金で多くの人材も採用した訳ですが、市場が落ち着いてきた今、成功した分野とそうでない分野の取捨選択が行われているという訳です。

 

■リストラが多い理由(その2)

こちらが本題。

AIによって、ホワイトカラーの人員削減が行われているのです。

簡単に言えば、今まで人力で処理差ざるを得なかった仕事がChatGPTのような高性能AIに代替され始めているということです。

ChatGPT登場前には、多くの人が「機械に仕事を奪われるといっても、あと10年以上は大丈夫だろう」と思っていました。

しかし、実際に触れてみると多くの人が「今日明日の話ではないにせよ、近い将来確実に●●といった仕事は無くなるなぁ」と実感したのです。

なので、個人的にもChatGPTを触って、「あれはオモチャだよ!」と言っている人を見ると、「本当に触ってみました?」とか「お仕事でパソコン使っていないのですか?」と思わざるを得ません。

日本ではまだChatGPTの本格的利用を始めている会社は多くありませんが、世界のテック企業ではChatGPTやそれに類するものは普通に使われ始めています。

 

更に、このリストラで興味深いポイントがあります。

それは、「今回、リストラされた部署においては、もうエンジニアを増やすことはない」ということです。

これは当たり前ですが、一旦作業を自動化すれば、それを敢えて人力でやろう!とはならないでしょう。

そして、そのレベル相当の似た仕事の自動化というのは、オセロのコマが一斉に裏返るように、他の業種でも起きるです。

つまり、エンジニアにそのレベルのスキルしか無い場合には、つぶしが効かなくなるという事態になっているのです。

 

では、その人達はどこに行くのでしょうか?

アメリカでは、エンジニアというホワイトカラーから、工場やホールのスタッフといったブルーカラーに移っているのだそうです。

当然、今までのような高い給与はもらえません。

しかし、高い付加価値が生み出せなくなっているのですから、仕方がありません。

 

この現象、恐らく数年のうちに日本で起きると思います。

AIの急速な進歩とともに、ノーコード・ローコードアプリも進歩し、わざわざ高額な外注費を払ってまでエンジニアを雇う必要がなくなってきているからです。

別の視点で言えば、リスキリングとしてノンプログラマーが本格的にプログラミングを学ぶには敷居が高すぎますが、ノーコード・ローコードを学ぶのは費用対効果がとても高いと言えます。

これからどんな職種であろうとも、AIを使いこなすというスキルは大なり小なり評価対象になってくるでしょうね。

ただ、これも冷蔵庫や洗濯機を使うように、買った日からすぐに誰でも使えるというシロモノではありません。

特にITの基礎が無い人だと、習得までにかなりの時間が必要となるでしょうから、少しでも早く、余裕のあるうちに慣れ親しんでおくことをお勧めします。

RPAのような自動化ツールに関しても、自分の頭でフローチャートを描けるようになれば、他のノーコード・ローコードを勉強しなくてはいけないという場合でも、似た点が多くあるので、習得速度が全然違いますから。