RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン上で行う定型業務を自動化するためのツールです。
特に、MicrosoftのPower Automateは多くの企業で導入されており、業務の効率化に貢献しています。
しかし、RPAを運用するにあたって「専用のパソコンを用意するべきか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、RPA専用パソコンの必要性について解説します。
RPAの実行時に発生する問題
1. RPAツールの稼働中はパソコンを占有する
RPAツールを使ってロボットを作成し、実行すると、そのパソコン上で処理が行われます。
この時、RPAは人間の代わりにパソコンを操作するため、マウスやキーボードが使用中の状態となり、手動での操作が難しくなります。たとえば、以下のような問題が発生します。
RPAが動作している間は他の作業ができない
他のアプリケーションを開くとRPAの処理が干渉を受ける
RPAの実行中に手動操作をすると、処理が失敗する可能性がある
このような理由から、ロボットが動作している間は、そのパソコンを占有してしまうのです。
2. RPA専用パソコンを用意するメリット
こうした問題を解決するために、RPA専用のパソコンを用意することを推奨します。以下のようなメリットがあります。
(1) 他の作業に影響を与えない
RPAが実行されている間に、同じパソコンで作業しようとすると干渉が発生し、業務の妨げになります。しかし、専用のパソコンを用意すれば、RPAの実行中でも別のパソコンで通常業務を行うことが可能になります。
(2) ロボットの安定稼働
RPAは繰り返し作業を自動化するため、安定稼働が求められます。
しかし、他のソフトウェアが動いているパソコンでRPAを実行すると、CPUやメモリが圧迫され、動作が不安定になることがあります。
RPA専用パソコンを用意すれば、余計な負荷をかけずにスムーズに実行できるため、エラーの発生を減らすことができます。
(3) メンテナンスのしやすさ
RPA専用パソコンを使うことで、OSのアップデートやソフトウェアの変更による影響を最小限に抑えることができます。
通常業務を行うパソコンでは、様々なアプリケーションがインストールされており、RPAの動作に悪影響を与える可能性があります。
しかし、専用パソコンであれば、必要最低限の環境を維持できるため、安定した動作が期待できます。
(4)ロボット作成時に何もできなくなる
ロボット作成を外注するにしても、自動化の内容によっては、実際に使うアプリケーションの上でRPAツールを動かす必要が出てきます。
そうなると、その時間は業者がそのパソコンを占有することになり、あなたはパソコンを使えなくなり、仕事に支障が出るかもしれません。
ですので、極力メインのパソコンとRPA用とは切り離した方が良いのです。(自分で作成し、自分で運用する場合は除く)
3. 既存のパソコンを利用する場合
「新しく専用パソコンを用意するのは難しい」という場合は、社内で使っていない古いパソコンにロボットをコピーして使用する方法もあります。
ただし、この方法には以下のような注意点があります。
パソコンのスペックによっては、RPAの実行中に動作が遅くなる
他のソフトウェアと競合してエラーが発生する可能性がある
手動でロボットをコピー・実行する手間がかかる
そのため、業務量が多い場合や長時間稼働させる場合は、専用パソコンを導入した方が快適です。
RPA専用パソコンの選び方
RPA専用パソコンを用意する場合、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
1. パソコンのスペック
RPAの動作には、ある程度のスペックが必要です。特にCPUの性能やメモリ容量が重要です。
CPU:Core i5以上(できればCore i7以上推奨)
メモリ:8GB以上(16GBあるとより快適)
ストレージ:SSD推奨(HDDだと動作が遅くなる可能性あり)
2. OSの選択
Power Automateを使用する場合、Windows 10またはWindows 11が推奨されます。
企業向けに安定した環境を求めるなら、Windows 10 ProまたはWindows 11 Proを選択すると良いでしょう。
3. 常時稼働できる環境
RPAは長時間動作させることが多いため、電源管理がしっかりしたデスクトップPCを選ぶのが理想です。
ただし、ノートPCを使用する場合は、スリープモードにならないように設定を調整する必要があります。
まとめ:RPA専用パソコンの導入を検討しよう
RPAを活用する際、実行時にはパソコンを占有するため、専用パソコンを用意するのが理想的です。特に、業務の自動化を本格的に進めたい場合、専用環境を整えることで、
他の業務への影響を防ぐ
RPAの安定稼働を実現する
メンテナンスの手間を減らす
といったメリットがあります。
既存のパソコンを利用する方法もありますが、業務負担を減らし、効率的に運用するためにはRPA専用パソコンの導入を検討することをおすすめします。
RPAやPower Automateを活用し、業務の効率化を目指す際は、最適な環境を整えてスムーズな運用を行いましょう。