今、久しぶりにWinActorに触れています。

新規のお客様からのご依頼で、複数のシナリオをPADに移植中なのです。

私が昔、常駐先でWinActorを触っていた頃は、Ver.6.2だったのですが、今回はVer.7.4です。

レイアウトがちょっと変わったようですが、基本は同じですね。

ただ、あまりにも久しぶりに触るので、すごく新鮮に感じている自分がいる一方で、「あれっ、こんなに使いづらいRPAツールだっけ!?」と思わされてもいます。

過去のブログでも、「PADよりも、WinActorの方が、初心者向きの優しい造りになっている」と書いた覚えがありますが、そうでもないなと。

比較対象がハッキリしてきたからでしょうか!?

 

■WinActorにおいて使いづらさを感じた点

1.コメントが書きずらい

WinActorでは、枠に名前や簡易的な説明を入れることが出来ます。

昔はそれがとても親切な設定だと思っていたのですが、今みるとそうでもないんですよね。

長文を書こうと思うと、差し込みのコメント枠を使う必要があり、そうすると全体がゴチャゴチャしてしまうのです。

 

2.変数が見ずらい

プルダウンで変数を選ぶ箇所が多々あるのですが、少しでも長い単語だと、プルダウンボタンを押さないと全体が見えないのです。

もう少しプルダウンの横幅を広くとればいいのに。。。と感じますね。

あと、プルダウンのスピードが遅かったりと選びづらさも感じます。

 

3.変数一覧において、現在値がすぐ消える

PADの場合、新しくフローをスタートし直さないと変数に入っている値は消えないのですが、WinActorの場合、他の操作をしているとすぐに消えるのです。

これって、初心者に優しくないなと昔から思っていましたが、今でも変わっていないのですね。

 

■初心者向きなのはどっち!?

WinActorの売りでもある「フローチャート型表示」。

積み木と矢印で表示されており、流れがイメージしやすいのです。

一方、PADは「スクリプト型表示」。

基本、文字ばかりなので、一見するととっつきずらいイメージですね。

上記の理由から、WinActorの方が初心者向き!だと判断していたのですが。。

改めてWinActorと向き合って思ったのは、わかりずらいということ。

プロが作成したものなのでコメントはちゃんと入っているのですが、小さなコメント枠なので、中を開かないと詳細が分かりづらいのです。

今回はまったく知らない人が作ったものを読み解くという形だったのですが、「あれっ、WinActorってこんなに読み解きずらかったっけ!?」と感じました。

もちろん、全く知らない人といっても、プロが作成しているので上手くまとまっているのですが、私がPADに慣れているせいか、全体像が分かりずらいと感じましたね。

結論を言えば、スクリプト型だと分かりずらいと言われることがありますが、思っていた以上に「慣れの問題」ですね。

PADは小さな文字がビッシリという感じですが、慣れればこちらの方が一目で入ってくる情報量が多いので、ロボットを作りやすいと感じる人も多いでしょう。

 

■PADとの性能比較

もちろん、WinActorからの移植をしていて、「ここはWiActor凄いよね!」と思う箇所はあります。

その1つが、エクセルにおいて「検索」のパーツがあることですね。

例えば、B5~B50のセルにおいて、「ABC会社」という単語があるセルの位置を見つけるということが、1つのノード(アクション)で出来ます。

PADで同じことをやろうとすると、基本的にエクセルの機能を使うことになり、複数のアクションを組み合わせて使うか、マクロを使わざるを得ません。

そのため、マクロを使わない場合には、処理に掛かる時間を計算すると、WinActorの方が早いことが多かったです。

まあ、そんなWinActorも、UiPathというRPAツールと比べると速度が遅いのですが。

そのため、UiPathユーザーのお客様からは、「WinActor遅くない!?」と突っ込まれることもあるのですが、そんなことを言い出したら、「もう全部マクロで作ればいいんじゃない!?」という話にもなってきます。

 

個人的な意見ですが、そもそもRPAツール自体、そこまで速度を要求される場面で利用するツールではないんですよね。

もちろん、人間が処理するのに比べて数倍の速度で処理し、場合によっては、目視で追えないほど速く動きます。

それでも、エクセルマクロのように裏で動いて処理するようなものではなく、画面表示に合わせてマウスやキーボードの信号を送るシステムなので、速度の上限はそれほど高くないのです。

なので、「大体この処理は何分くらいで終わる」ということを事前に知っておき、逆算してRPAツールを動かすというのが、正しい使い方と言えるでしょう。

10分で完了する安定しているロボットと、5分で完了するけど時々止まるロボットでは、前者の方が好ましいのです。

 

■で、どっちを選べばいいの?

結論から言えば、断然「Power Automate Desktop」でしょう。

年間100万円のライセンス料のWinActor。

無料版で十分なPower Automate Desktop。

この段階でWinActorを選ぶ理由が見つかりません。

多少スピードが早かろうが、有償のサポートが充実していようが、この差を埋めれるケースは少ないでしょう。

そもそも年間100万円払えるのであれば、社内のパソコンで行っている定型業務のほとんどを自動化&保守してくれる会社も見つかると思いますね。