2020年10月頃には、Power Automate Desktopはリリースされていましたが、当時は有償版のみ。

その頃、私はPower Automate Desktopの前身である「WinAutomation」を利用していました。

マイクロソフトは「WinAutomation」を買収した訳ですが、しばらくは両方とも提供されていたのです。

なので、使い慣れた方であり、機能的にも優れていた「WinAutomation」を引き続き使っていました。

しかし、2021年3月に無料RPAツールとして、「Power Automate Desktop for Windows10」が突如マイクロソフトから登場しました。

それからすぐに乗り換えまして、気が付けば、8か月経過。

つい最近、予想通りと言いますか、「WinAutomation」のサポート終了のメールも届きました。

そんな8か月ほどの間に私が「Power Automate Desktop」で作成したフロー(ロボット)は、大小合わせると、100体を超えました。

利用時間でいえば、数百時間になりますね。

今回は、そんな私が「Power Automate Desktop」に対しての感想を述べてみたいと思います。

 

Power Automate Desktopを使ってみて、どうなの?

「Power Automate Desktop」は、ほぼ毎月アップデートが行われ、新機能の追加や微調整が行われています。

出た当初は、Power Automate Desktopが上手くインストール出来たりできなかったりと、初歩で躓くこともありました。

その後も日本語表示が英語表示に一部変わっていたり、アクションの位置が変わったりすることもありますが、稼働時のツールとしては安定していますね。

もちろん、100%満足という訳ではありません。

ウィンドウの認識に、やたらと時間が掛かる場面もあります。

また、デフォルトのままだと、UI要素にて指定したボタンの画面表示が少し遅れることでエラーになることが時折あり、もうちょっと融通が利けばなぁと感じることもありますね。

あと、個人的に特に気になるのは、元WinAutomation利用者として、PADではアクションの差し込みに少しモッサリ感があることです。

時折、フローデザイナーの画面自体が、プチフリーズすることもあります。

まあ、フローの保存先が、クラウドになるので仕方がない面もあるのでしょう。

その他としては、利用するにつれて、「利用パソコンのスペックは、当初思っていたよりも高いなぁ」と感じます。古いパソコン・処理能力が低いパソコンでPADを利用していると、何でもないところで、ポコポコ止まりますね。(苦笑)

そのたびに、Waitやエラー時のリピートを入れていくのが、結構面倒くさいと感じるようになってきました。

やはり、CPUにパワーがあり、メモリもしっかり積んでいるパソコンで動かすのが、精神的にも良いです!

 

次は、「思ったよりも便利!」と思った点を。

それは、「フローがクラウド上にあること」です。

例えば、お客様ビルにてフロー(ロボット)を作成し、それに対して微調整をしたい場合、リモートアクセスしなくても、IDとパスワードが分かれば、どこからでも変更できるのです!

実際にフローを走らせるのは、環境構築がめんどくさいのでやりませんが、エラー箇所と理由が分かっている場合には、こちらでフローデザイナーの画面だけ開いて、ちょこちょこっと直すこと出来るので、とても対応がしやすいと言えます。

ただ、マイクロソフト側でセキュリティ対策が進んでおり、定期的にパスワードの変更を求められたり、二段階認証になったりと、利便性が下がっていると感じる箇所は確かにあります。

まあこれは、時代の流れなので仕方がないと諦めるしかありません。

RPAツールとしての出来はどうなの?

それにしても、元WinActorのRPAエンジニアとして感じることは、とても無料ツールだとは思えない完成度であることです。

完成したロボットの速度を比べると、WinActorの方が速い場合が多いと思います。

理由は、WinActorの方がライブラリ(アクション)の数が多いことに起因する場合が多いです。

WinActorでは1パーツで完了する作業が、Power Automate Desktopでは、複数アクションを組み合わせて対応するケースが少なくないのです。

とはいえ、そもそもRPAツールに過剰な処理速度を求めること自体、用途が間違っているとも言えます。

WinActorで処理すると「5分」で終わるものが、Power Automate Desktopだと「8分」掛かった。

申し訳ありませんが、その「3分」を速めるのは難しいです。

純粋なエクセル処理などに関しては、Power Automate Desktopの方が断然速い場面もありますので、そういったことを含めて、業務のタイムマネジメントで乗り切るように考えた方が良いと思います。

RPAは、一過性のものなの?

RPAの進化は、この先、CLASS2、CLASS3へと、次のステージに進んでいきます。

ステージの違いを簡単にいえば、AI(人工知能)の含有率と言っても過言ではなく、どんどん上がっていくのです。

なので、いつかはAIに巻き取られ、RPAという単語自体が無くなってしまうことでしょう。

ただ、5年、10年程度では、どう考えてもそこまで行かないでしょうね。

Windows95が登場し、Excelというマクロが組めるツールが一般的になりました。

もう20年以上前の話ですが、未だにExcelマクロは現役です。

同じように、この先RPAツールに関しても、数十年は現役として使い続けられるものになるでしょう。