気になりますよね?

プロは一体どのくらいの時間で、1フローを仕上げるのか?

答えから言えば、「自動化の内容による」ということになってしまうのですが、それでも目安くらいは知っておきたいと言う人、多いと思います。

という訳で、私がRPAエンジニアとして駆け出しのころ、某大手自動車メーカーにてWinActorというRPAツールを使った自動化プロジェクトに参加した時のお話をしたいと思います。

 

私が駆け出しRPAエンジニアだった頃の話

2カ月程、会社の社内RPA研修を朝から晩まで受けた後、埼玉にある某大手自動車メーカーの経理課自動化プロジェクトに。

そこでは、開発チームの一員として常駐する形で働いていました。

チームリーダーと課長が自動化対象業務を選定し、それをチームメンバーに割り当てるのです。

ある程度のスケジュールが示されて、全体の進捗表に個々のスタッフが毎日書き込むことを義務付けられていました。

今でもそうですが、事前に正確な総労働時間(総作成時間)を計算するのって、難しいんですよ。

なぜなら不思議なことに、大体1つか2つは、行き詰る箇所が出てくるからです。

それは純粋に作成者本人のスキルが低いことに起因する場合もあれば、アプリやネットワークといった個別の環境に起因することもあります。

 

業務時間は、朝9時から17時半まで。

昼食時間以外はずっとパソコンに向かって自分が担当しているロボットを作っている訳ではもちろんなく、打ち合わせも結構ありましたね。

そこでは全体の周知以外に、チームメンバーが作成したロボットのお披露目会みたいなものもありました。

当時は、「早く自分の作業に戻りたいなぁ」なんて思っていましたが、今思えば他人が作成したロボットを見るのって、結構勉強になるのですよ。

フローチャート自体はともかく、コメントの入れ方や変数の名付け方に関しては、女性の方が気配りというか、読みやすいものが多かったように思います。

 

話が少しそれましたが、スケジュールでは大体3~4週間くらいを目安に作成していました。

その期間の中には、ドキュメント作成の時間も入っており、テンプレートがあるものの地味に時間の掛かる作業でした。

いつも「こんなに詳細な資料を作成しても、ユーザー側でじっくりと見る機会なんてほとんどないだろうに。」なんて思いながら、作成していました(苦笑)

 

ロボット作成で、一番時間の掛かる作業とは?

でもまあ、一番時間が掛かったのは、ロボットそれ自体の作成ではなく、「テスト」の時間です。

作成中に小さくテストを繰り返しながら進めるのですが、最後には「通しのテスト」以外に「いじわるテスト(想定外の操作を試す)」とか「負荷テスト(ピーク時を想定した処理量を試す)」といった様々なテストも繰り返すのです。

特に、自動化対象業務の中に「ダウンロード」作業などが入っているケースだと待機時間が多くなるため、1回ロボットを動かすのに平気で1時間近く掛かることもあり、「なんだか今日はテストだけで終わったなぁ」ということもあったりします。

あと、今思えばWinActorというRPAツールは、画面に積み木のようにパーツを置いて組み立てていくのですが、画面表示の狭さや入力様式の問題から、結構作成に時間が掛かりましたね。

当時はWinActorとUipathというRPAツールしか使ったことが無かったので気づきませんでしたが、マイクロソフトのRPAツールである「PowerAutomateDesktop」のようなスクリプト型の方が、画面全体も見やすい上にレスポンスも良いので素早くパーツを画面に配置できますね。

 

結論として

とまあ、通常のシステム会社にそれなりの規模のロボット作成を1つ依頼すると、納期としてはドキュメント付きで3~4週間くらいと考えておいても良いでしょう。

もちろん、小さい規模のロボットだったり、複数人で1つのロボット作成に取り掛かるなどであれば、そんなに時間は掛かりませんし、最終的には本人のスキルレベルでも大きく違ってきます。