Power Automateというのは、「Power Automate」と「Power Automate Desktop」の両方を含むサービス名です。

頭文字をとって、「Power Automate(PA)」と「Power Automate Desktop(PAD)」と訳したりします。

■PA(Power Automate:クラウドフロー)とは?

簡単に言えば、世の中に数多くあるクラウドサービス(DropBoxとかTeamsなど、インターネットを介して利用するサービスのこと)を繋ぎ合わせて自動化できるサービスです。

(例)
指定のOneDriveにファイルが保存されると、その瞬間Teamsにその旨のメッセージが表示されるなど。

もちろん、何でも繋げられるという訳ではなく、マイクロソフトの方で「コネクタ」として提供されているものに限りますが、それでも500以上ある(有償含む)ので、マイクロソフト製ではないものでも、有名なWebアプリは大体使えると思って大丈夫でしょう。

 

■PAD(Power Automate Desktop)とは?

こちらは、ローカル側(皆さんのパソコン)において、自動化できるアプリケーションです。

ざっくり言えば、今、マウスとキーボードを駆使して出来ることであれば、ほぼ何でも自動化できます。(もちろん、その操作に明確な基準・ルールがあるものに限る)

■2つを合わせて使える!?

有償版のPower Automateを使うことになりますが、可能です。

これって凄くないですか?

突き詰めれば、パソコン上で行われているほとんどのルーチンワークを自動化できると言えます。

もちろん、そのフロー(ロボット)を作成するのに掛かる費用や時間を考慮し、自動化する必要があるのかどうかを考慮する要がありますが、事実上は可能な訳です。

こうした現状を目の当たりにすると、「近い将来、パソコンを使った事務作業のほとんどは自動化される」というのを実感するとおもいます。

更には、ChatGPTに代表されるようなAIが自動化の範囲をさらに広めることが予想されるため、今5人でやっているような仕事は、恐らく1,2人で十分という状況になるでしょう。

 

 

■時代は、「ローコード・ノーコード」

ここ数年、「ローコード・ノーコード」という単語が1つのキーワードになっています。

Low Code,No Codeです。

ノーコードやローコードに含まれる「コード」は、ひもやケーブルのことではなく、コンピューターで処理する内容を記述した「ソースコード」を指しています。 両者の違いはソースコードを記述する量で、ノーコードはソースコードを書かない開発、ローコードはソースコードの記述量を最小限に抑えて開発することを意味しています。(NTTコムのサイトより)

プログラミングでアルファベットや数字を組み合わせてプログラムを組んでいく作業をコーディングと言いますが、そのコードを組む必要がない、もしくはほとんどないというのが、この言葉の意味です。

RPAもこの分野に入ります。

今やプログラマーという職業はこの世の春を謳歌しているように見えますが、簡単なものはこのローコード・ノーコードといわれるアプリケーションに取って代わられ始めています。

実際、先進国アメリカでは、プログラマーの失業者が既に増え始めており、ホワイトカラーからブルーカラーへ移らざるを得ない人が増えているといいます。

 

では、このローコード・ノーコードといわれるアプリケーションを習得するメリットとは何でしょうか?

・習得に掛かるハードルが低い

これが一番だと思います。

何らかのプログラミング言語をマスターしようとすると、とても時間が掛かります。

また、適正というのも大きく影響しますので、誰にでも勧められるものではありません。

一方、「ローコード・ノーコード」のアプリケーションは、比較的習得に時間が掛かりませんので、ちゃんとアプリケーションを選別すれば費用対効果はとても大きいと言えますね。

私がそれなりの企業規模の会社を運営しているのであれば、ぜひ何人かはローコード・ノーコードに精通しているスタッフを雇いたいと考えます。

アナログな企業であればあるほど、生産性を大きく上げてくれることを期待できるからです。

 

そして、これから「AIの時代」であることは、否定できないと思います。

その中で必要とされるのは、「AIを使いこなせる人」、もしくは「AIにはできないことが出来る人」になるのは確かでしょう。

もちろん、どちらか1つに絞る必要はありませんが、AIに出来ない価値のあるものを生み出せる自信が無いのであれば、前者に注力するのが良い決断になるのではないでしょうか。

 

と、オススメすることばかり言いましたが、注意点も申し上げておきたいと思います。

コードを書く必要がない、ほぼないと申し上げましたが、RPAツールに関しては、プログラミングの基礎知識はある程度必要になってきます。

かなり基礎的な部分だけなので、そう難しくはありませんが、それでも簿記3級に出てくる「借り方・貸方」のような初級者が腹落ちするまでに少し時間が掛かるものではあります。

勉強には机に座って、本や動画を見ながら、1つずつ手を動かしながら勉強していく必要があります。

もし、そういったことをしたくない! パソコンの前に長時間座っていたくない!という場合、残念ながら向いていないと言えます。

そもそもRPAの実際の作業はパソコンに向かって何時間も黙々と行うことを要求されますから、それが大きなストレスになる人は、最初からやめておいた方がよいでしょう。