Power Automate Desktopは、デスクトップアプリケーションのロボットプロセス自動化(RPA)を可能にするMicrosoftのソフトウェアです。
しかしながら、このツールを効果的に使うためには、正しい学習方法を探究することが重要です。
以下に挙げる間違った学習方法を避け、より質の高いスキル習得を目指しましょう。
1. いきなりロボット(フロー作成)に取り組む
「習うより慣れよ」との考え方は一見合理的に見えますが、プログラミング経験のない人にとっては、手探りのまま作業を始めるとすぐに行き詰る可能性が高いです。
私の経験でも、UiPathの無料動画カリキュラムを2周したものの、実際に自分の作業を自動化しようとした時には「何をすればいいのだろう?」と困惑しました。
これは、システムの基本的な操作方法だけを覚えても、それを具体的なタスクにどのように適用すればいいのか理解できないためです。
そのため、実際のロボット(フロー)作成に取り組む前に、基本的なプログラミング知識や、使用するソフトウェアの基本的な操作方法、そしてそれをどのように活用すれば実務に役立つのかを理解することが重要です。
2. アクションを1つずつ上から覚えていく
Power Automate Desktopには、デザイナー画面の左側に数多くのアクションがズラリと並んでいます。
「とりあえず、それらを上から1つずつ覚えていこう!」とすることは、非効率的であるだけでなく、ほとんどの人にとっては不可能です。
「RPAで何が出来るか覚えれば、あとはパズルでしょ!」と思うかもしれませんが、アクションを一つずつマニュアルから読み込むのは時間がかかりますし、折角覚えてもその半分くらいは一生使わないと思います。
そして、時間が経つと忘れてしまうものです。
多くの人が利用するアクションは限られています。
そのため、必要に応じて都度アクションを覚えていく、関連アクションとして記憶に追加していく方法がより効果的です。
まずは、自分が達成したいタスクに必要なアクションだけを集中して学び、それを繰り返すことで知識を深めていくと良いでしょう。
3. 手を動かさない
ただ教材を見ているだけでは、なんとなく理解したつもりになりがちです。
しかし、実際に手を動かし、自分でロボットを作ってみると、思わぬ問題や疑問点が出てきます。
そのたびに解決策を探すことで、実際のスキルが向上します。
教材を読んだり、動画を視聴するだけではなく、実際に小さなロボットを作ってみて、疑問点を自分で解消していくことで理解が深まっていくものなのです。
特にPADでは、似たようなアクションが複数あるので、一見するとその違いが分からなかったりします。
そこで小さなロボットを作り、適当なテキストや数字を入れてみて、挙動の違いを理解するというのは、とても大事な経験なのです。
4. RPAを通じて達成したい目標がない
目標がないと、ちょっとした困難に直面したときにモチベーションが無くなってしまうことがあります。
プログラミングでも、「作りたいものがない人は、続かない」とよく言われます。
目標があると、困難を乗り越える力になり、学習速度も向上します。
特に何を自動化したいという明確な目標がなくても、プログラミングスキル全般を身につけるというのも立派な目標です。
私自身、特に何を自動化したいという目標はなく、ただ食べていけるようになりたいという一心で勉強していました。
その結果、同期の人よりも成長スピードは速かったはずです。
まとめ
効率的に学び、使いこなすためには、まずは基本を理解し、必要に応じて都度スキルを追加し、実際に手を動かして問題解決の経験を積み、そして明確な目標を設定することが重要です。
あと、個人で勉強する上で厄介なポイントとしては、「RPAツールを使って、自動化したい対象がない。」ということです。
普通、自宅のパソコン理由において、自動化したい対象があるという人は稀だと思います。
効果的な勉強をする上では、ただなんでも作ればいいという訳ではなく、やはり「良い教材」で勉強することをお勧めします。
「良い教材」というのは、いわゆる「定石(ベストプラクティス)」が自然と身につくものです。
そういった問題を数多く扱っている教材を選択するようにしてください。
以上、これからRPAを学ぶという方は、上記のことを念頭に置いて勉強して頂くと、より早期に習得できると思います。
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