RPAの導入においては、採算を考えてはいけない!?

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2025年の崖

最近、久しぶりにRPA関連の書籍を数冊購入しました。

RPAエンジニアではない周りの人からお勧め頂き、購入してみました。

そのうちの一冊ですが、

『中小企業経営者のためのRPA入門:RPA導入を成功させる方法』

というタイトルの本です。

読み終わってみて、とても共感のできる内容でした。

目から鱗という部分もあり、ぜひ皆さんと共有できればと思い、今回の記事にしました。

では、早速。

 

RPA導入において、採算は考えるべきではない!

いきなり驚くような文言ですが、誤りでありません。

いくつか条件はありますが、そのうち
①自社は中小企業(零細含む)である
②コストパフォーマンスに優れたRPAツールを選択している。(ライセンス代だけに毎年数十万円も払わない)
の2つを満たしていれば、この文言は正解です。

私は以前、大手自動車メーカーでRPAエンジニアをやっていましたが、そこでは事前に業務の棚卸をし、現状どのくらいの時間が掛かっていて、自動化するとどの程度の時間を短縮することができるのか?といったことを細かく算出していました。

そして上位の業務から、次々と自動化していきました。

しかし、この著書では、中小企業においてこの方法は良くないという言います。

つまり、最初から「コスト削減」や「効率化」を考えてはいけない!ということです。

私もそう同意します。

何故でしょうか?

 

理由は、中小企業で同じことをやろうとすると、ヒューマンリソースの問題から、話が進まないケースが大半だからだそうです。

「すぐにでもRPAを導入したい!」と意気込んで相談に来られたものの、その後半年経っても、「忙しくて、まだ業務分析が終わらないんです!」という会社は多いのだとか。

まあ、大企業では人員に余裕がありますし、外部の専門家をプロジェクトに呼んでいる場合も多いですから、そういったことも可能です。

でも、中小企業で専門家を入れずに同じやり方をやろうとすると、話が進まないのも頷けます。

では、著者はどのような導入方法を勧めているのでしょうか?

 

「一人を助けるロボット」をどんどん作っていけばいい

RPA(Robotic Process Automation)ではなく、正確にはRDA(Robotic Desktop Automation)ですね。

つまり、業務の棚卸なんてことは必要なく、自分のやっている業務のうち、自動化できるところ、もしくは自動化すると便利なところに手を付けていけばいいということです。

業務の棚卸をして、優先順位を付けるといったことは、時間の無駄ということです。

もちろん、使う頻度も少なければ、手作業でやっても時間がしれている業務を自動化しろとは言っていません。

純粋に、「こんなロボットがあれば、自分が助かるのに!」というものを作っていきましょうということです。

 

そんなやり方でいいの?

こう思った方もいらっしゃると思います。

実は、私もこのやり方、賛成です!

私の経験から賛成の理由言わせて頂ければ、

①RPAで多少なりとも自動化すると、より自動化すべきor出来る業務が見えてくる

②どれほどの時間短縮になるか?なんて計算しなくても、作成したロボットを長く使えば使うほど、結果としてコストパフォーマンスが良くなる

③単純作業からの解放により、仕事へのモチベーションが上がる

この3つが大きいと思います。

もちろん、内製化となると、最初はロボット1つ作るのに、かなりの時間が掛かるでしょう。

ひょっとしたら、自分達で一生懸命作ったのに頻繁に止まるロボットになってしまい、あまり時間短縮やコスト削減に繋がらず、結局外注したということになるかもしれません。

それでも、ゼロからイチへの進歩ということで、大きな一歩です。

その過程において、社内の業務見直しに繋がり、結果としていくつかの作業自体を廃止出来たり、ブラックボックスになっていた業務を明らかに出来たという話も珍しくありません。

 

また、RPAには『先』があります。

RPAの「先」とは?

通常は、デスクトップで行っている作業を自動化することを目的に始めると思いますが、他サービスとの連携により、社内の稟議システムの改善ですとか、情報共有の高速化など、本当に社内「プロセス」の全体の改善が可能になってきています。

とはいえ、それも新しい挑戦・導入をしないと、見えてきません。

1つ動けば、2つ、3つ新しいものが見えてきます。

今迄は「これで充分!」と思っていたものが、とても時代遅れで非効率だったということにも気づきます。

そして、「もっと早くやればよかった。」と思うようになるのです。

 

とにかく、ITサービス全般に言えることですが、洗濯機や冷蔵庫のように買ったその日からすぐにバリバリ使えるというものは、まずありません。

どうしても、そのサービスの勉強や慣れが必要になってきます。

それも自分だけでなく、全社員がほぼ同時にです。

それを嫌い、新しいものへ興味を示さなかった結果が、今の日本です。

経済産業省が「2025年の崖」と呼ぶほどの大きな問題に、多くの日本企業が直面しているのです。

※「2025年の崖」とは、多くの企業の業務で使われている既存のITシステムが、老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化などによって時代に合わせたビジネスモデルで使いづらくなり、企業の競争力を低下させ、経済損失をもたらす問題のこと。2025年以降、最大で年間12兆円の損失をもたらす可能性が指摘されています。

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