最近、Youtubeで、「日本の貧困は、世界的に例の無い、完全な政策のミスによる貧困だ」というものがありました。

多くの人が賛同していました。

ただ、私の回答はちょっと違います。

もっと根深い問題です。

立て続けに「政策ミス」が起きている原因は何か?

それは

【インセンティブ設計】が崩壊しているから

です。

いや、崩壊というより、もともと設計されていなかったという方が正しい。

 

◆今のシステムはいつ作られたの?

日本の今のシステムが出来たのは、いつでしょうか?

それは、明治維新の時の「岩倉使節団(※1)」に行きつきます。

※1・・・岩倉使節団(いわくらしせつだん、英語: Iwakura Mission)は、明治維新期の明治4年11月12日(1871年12月23日)から明治6年(1873年)9月13日まで、日本からアメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国の米欧12ヶ国に派遣された使節団である。
岩倉具視を特命全権大使とし、首脳陣や留学生を含む総勢107名で構成された。
当初の目的であった不平等条約改正の交渉は果たせなかったものの、日本近代化の原点となる旅として、明治政府の国家建設に大きな影響を与えたことから、日本の歴史上でも遣唐使に比すべき意味をもつ使節とも言われる。

帰国後、大久保利通らが中心になって、見聞・調査してきた他国のシステムを参考にして、日本のシステムを作り上げたのです。

つまり、約150年前に造られたシステムを、2026年の現在でも使い続けているのです。

 

◆政策の失敗が続き始めた理由は?

ここから、本題です。

「政策の失敗!」と言いますが、なぜ政府の政策は失敗続きになったのか?

ズバリ、システムが時代に合わなくなってきたから。

もっと言えば、「システムが作られた頃と前提条件が大きく変わった」からでしょう。

150年前、大久保利通は使節団での経験から「このままでは、日本は列強の国々に植民地化される!」という強い危機感を抱きました。

そして、富国強兵・殖産興業を担う人材の大量生産という具体的な目標に邁進した訳です。

このシステムの前提条件が揃っていたのは、1970年代初頭あたりまでではなかったでしょうか。

その後、2度のオイルショックがあり、1985年のプラザ合意を持って決定つけられ、1990年のバブル崩壊へと続きます。

そこからは、誰の目からみても、失敗だと思えるような政策のオンパレードです。

 

◆その前提って何だったの?

簡潔に言えば、「報酬と恐怖のインセンティブ」です。

150年前は「このままでは植民地化される」という国家存亡の危機感が、官僚にも政治家にも共有されていた。

「国のため」が、そのまま個人を動かす強力なインセンティブになっていたのです。

しかし現代は違います。

豊かさを手に入れた結果、「国のため」だけでは人は動かない。

個人一人ひとりに対して、正しくインセンティブを設計しなければ誰も本気で動かない時代になったのです。

ところが官僚や政治家への設計が根本的に間違っている。

 

まず、政策の立案を行う「官僚」。

彼らには、「リスクを取って成功させると十分な見返りがあるか?」と「評価基準が国民の幸福度に直結しているか?」という点において、正しいインセンティブ設計になっていないと思います。

例えば財務省官僚。

評価基準が単純に「税収増」であり、国民の所得中央値アップといったものがなければ、ひたすら「財政規律の死守」ということで税率アップ・新しい税収源探しに邁進するのは当たり前でしょう。

誰だってそうする。私だってそうする!

 

次に政治家。

彼らは国民に対して、正しく「恐怖」を感じていないのです。

国民は、政治家がミスをすると叩きますが、何もしないことに対しては叩かないのです。

新しいことに挑戦して失敗すれば、すぐ責任問題で落選の憂き目にあう。

だったら、任期中は何もしないか、前例踏襲が最善手。

そう学習してしまっているのです。

つまり、みんな案外「合理的」に動いているのです。

バカだからとか、やる気がないといった理由ではないのです。

本来は、選挙時の公約を明文化し、それに対する達成度において、給与の返金を強制してもいいくらい。(逆に達成度が高ければ、増額してもいい)

 

◆まとめ

政策失敗のオンパレードを止めるには、どうすれば良いのでしょうか?

私は大きく分けて2つあると思っています。

1つ目は、行政において「正しいインセンティブ設計にし直す」こと。

2つ目は、国民の意識改革です。

挑戦して失敗した政治家を叩くのではなく、何もしない政治家こそ叩くべき。

公務員にもインセンティブ制を導入し、成果に応じて民間以上の報酬を与えるべきです。

シンガポールが公務員にも法外と思えるほどのインセンティブ制を導入し、奇跡の発展を遂げたように、日本も半世紀前の「公務員は公僕で、清貧であるべきだ!」といった価値観をアップデートすべき時だと思いますね。

早くそうしないと、結果として自分達の首を絞めて窒息することになる。

少子化がその典型です。

1980年代にはすでに警告が出ていたにもかかわらず、有効な手が打てなかった。

そして今、少子化は当初予測すら大幅に上回るスピードで進行している。

インセンティブのないシステムは、危機にすら反応できないのです。

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