まず最初にお断りさせて頂きますが、これはサイボウズからの紹介案件ではありません(笑)
RPAとの連携により、業務を一層自動化できるツールを探していました。
最初は、マイクロソフトのPowerPlatform繋がりで「PowerApps」を数カ月勉強していたのですが、結論として中小企業では持て余す代物でした。
理由は、「コスト」と「アプリ作成の難易度」です。
この2つの観点から、PowerAppsは残念ながらお勧めしません。
1アカウントでの利用であれば安く使えますが、作成したアプリをみんなで複数利用するとなると、中小企業には負担が大きすぎると思います。
マイクロソフトもあまり力を入れていないのか、アプリとしての完成度も高くない印象を受けました。
詳細は割愛しますが、独自アプリ開発を自分達で行いたいのであれば、Kintone(キントーン)が現時点では良いと思います。
アプリ開発というと、「FileMaker」もありますが、あちらは基本的に外注して作成することが多く、お金をかけて複雑なアプリを作りたい場合には良いかもしれません。
しかし、社内のちょっとした情報整理に使いたいレベルであれば、キントーンで十分対応できます。
では、キントーンというアプリはどういったものなのか?を見ていきましょう!
Kintoneとはそもそも何?
Kintoneは、サイボウズが提供する業務アプリ作成プラットフォームです。
データベースを基盤とし、企業のさまざまな業務プロセスを効率化するためのアプリケーションを簡単に作成・管理することができます。
今でも社内情報をExcelで管理している企業は多いと思いますが、それをKintoneに置き換えている企業が増えています。
データベースありきで、Excelよりも見栄えと管理しやすい
Excelは多くの企業で利用されているデータ管理ツールですが、データの規模が大きくなると管理が難しくなり、情報の一貫性を保つことが困難になります。
Kintoneはデータベースを基盤としており、データの一貫性や整合性を自動的に保つことができます。
また、Kintoneは視覚的に見やすいダッシュボードやレポート機能を備えており、データの可視化が容易です。
これにより、経営者や担当者はリアルタイムで業務状況を把握し、迅速な意思決定を行うことができます。
ノーコードツールであるKintone
Kintoneの最大の特徴の一つが「ノーコード」であることです。
プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で業務アプリを作成・カスタマイズすることができます。
CMで、「一日で旅費管理のアプリが作れちゃいましたー」とやっていますが、あれは本当です。
完成形が頭の中に出来ていれば、作成するのは容易です。
これにより、IT部門に依存せず、各部署が自分たちのニーズに合ったアプリを迅速に開発・導入することが可能です。
JavaScriptの利用は基本必要ない
Kintoneを調べていくと、「JavaScriptが云々・・・」という記事を目にするかもしれません。
結論から言えば、多くのケースで必要としないでしょう。
Kintoneは、豊富なテンプレートやドラッグ&ドロップのインターフェースを提供しており、基本的な業務アプリはJavaScriptを使用せずに作成できます。
フォームの設計やワークフローの設定も直感的に行えるため、非技術者でも容易に操作できます。
より高度なカスタマイズが必要な場合には、JavaScriptを利用することも可能ですが、基本的な機能はプログラミングなしで十分に対応できます。
プラグインも数多く出ているので、基本的にそれで用が足りる
Kintoneは、公式およびサードパーティ製のプラグインが豊富に提供されています。
「サードパーティー」とは、サイボウズとは資本的に何の関係もない、第三者である会社を指しています。
ここで言う「プラグイン」とは、Kintoneの基本機能を拡張し、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズするための追加機能やツールのことを指します。
これらのプラグインを活用することで、カスタム機能や外部サービスとの連携を簡単に実現できます。
例えば、グラフ作成ツール、カレンダー連携、メール通知機能など、多岐にわたるプラグインが揃っており、業務の効率化に役立ちます。
また、プラグインはKintoneのアプリストアから簡単に導入できるため、必要な機能を迅速に追加できます。
これにより、初期導入時のコストや時間を大幅に削減しつつ、必要に応じて機能を拡張する柔軟性を持つことができます。
但し、プラグインには通常月額利用料金が掛かってきますので、その点はご注意を。
Power Automateとの連携が出来るので、既存データと連携させて自動化も可能
今回、私がKintoneを取り上げた一番の理由はこちら。
Kintoneは、MicrosoftのPower Automateとの連携が可能です。
Power Automateを活用することで、Kintoneと他のMicrosoft製品(Excel、Outlook、Teamsなど)や、さまざまなクラウドサービスとをシームレスに連携させることができます。
これにより、データの自動連携や業務プロセスの自動化が実現し、手作業によるミスや時間のロスを削減できます。
なお、PowerAutomateとの連携をする場合には、PowerAutomateの有償版(月額:2,248円)を使う必要があります。
既存データとの連携と自動化
例えば、OneDriveに保存されているExcelデータをKintoneに自動で取り込むフローをPower Automateで作成することが可能です。
毎朝、基幹システムに反映されるデータを自動的にKintoneにも反映させるといった使い方です。
これにより、データの二重入力を防ぎ、リアルタイムで最新の情報をKintone上に反映させることができます。
また、Kintone上でのデータ更新に応じて、通知メールを自動送信するなど、さまざまな自動化シナリオを構築できます。
もちろん、Power Automateとの連携設定は、初めての方にとっては少し複雑に感じるかもしれません。
Kintoneでアプリを作成した後、今度はPowerAutomate側でフローを作成する必要がありますので、保守を含めてここは外注した方が楽かもしれませんね。
中小企業に「Kintone」がお勧めな理由
■コストパフォーマンスの高さ
中小企業にとって、アプリ開発には限られた予算と時間が課題となります。
Kintoneは、ノーコードで迅速にアプリを構築できるため、開発コストと導入時間を大幅に削減できます。
また、サブスクリプション型の料金体系を採用しており、初期投資を抑えつつ必要な機能を柔軟に追加できる点も魅力です。
■柔軟なカスタマイズ性
業務のニーズは企業ごとに異なるため、柔軟なカスタマイズが求められます。
Kintoneは、プラグインやAPIを活用することで、あらゆる業務プロセスに対応可能です。
さらに、ユーザー自身が簡単にアプリを編集・拡張できるため、変化するビジネス環境にも迅速に対応できます。
■サポートとコミュニティの充実
Kintoneは、サイボウズが提供する充実したサポート体制と活発なユーザーコミュニティがあります。公式ドキュメントやオンラインセミナー、ユーザーグループなどを通じて、導入や運用に関する情報を容易に入手できます。また、問題が発生した際には、サポートチームやコミュニティメンバーから迅速なアドバイスを受けることができます。
まとめ
中小企業にとって、業務効率化と迅速な意思決定は成長の鍵です。
「Kintone」は、データベースを基盤とした強力なデータ管理機能、ノーコードでの簡単なアプリ開発、豊富なプラグインによるカスタマイズ性、そしてPower Automateとの連携による自動化機能を提供しています。
これらの特長により、中小企業は限られたリソースを最大限に活用し、業務プロセスを最適化することが可能となります。
1カ月間無料で試すこともできますので、ご興味のある方は、一度トライしてみることをお勧めします。