『WinActor』

言わずと知れた国内販売数No.1のRPAツールです。

私も昔は使っており、WinActorを使った自動化を提供するRPAエンジニアとして働いていました。

なので、一般の人よりもWinActorは詳しいと言えます。

また、友人が「WinActor」の販売もしていましたので、そのあたりの実情にも詳しいです。

そこでの興味深い話としては、

「会社の規模に関わらず、お客様からの問い合わせは少なくないのだが、契約まで辿り着ける数が多くないんだ!」とのこと。

普通の商材でもそうじゃない!?と言いたくなりますが、RPAツールである「WinActor」は特にその傾向があったと言います。

その原因は、「RPAツールは、誰でも簡単に利用できる!と過剰に謳い過ぎている」ということです。

つまり、誰でも簡単に利用出来て、毎日のルーチンワークを無くすことが出来る!と期待して問い合わせされるのだが、実際に実物を見ると、とても簡単とは言い難いものであったということになりますね。

その結果、訪問したものの受注にならなかったり、当初聞いていたほどライセンス数が多く無かったりといった結末になりがちなのです。

まあ、これはWinActorに限った話ではなく、RPAツールのメーカー全般に言えることだと思います。

実際に「WinActor」を導入した会社はどうなっているの?

当初想定した通りに導入でき、考えていた通りの生産性が上がっているという会社は多くないでしょう。

RPAツールを早い段階で導入した会社は、コンサルティング会社経由などで入れているところも少なくないため、それなりの成果は出ているかもしれません。

しかし、NTT代理店の営業マンの言われるがままに導入し、外部のサポートを使わずに利用している会社では、導入後に上手く活用できていなくても不思議ではありません。

また、一時的に上手くいっても、長期にわたる運用の中で、色々とトラブルが起きているケースもあるでしょう。

「WinActor」導入後に上手く行っていないケースとは?

実際にあったお話を少し紹介させて頂きます。

1.思っていた以上に操作が難しいので諦めた。(その後、RPAは放置)

レッスン動画を観ていると、それほど難しくないように感じますが、いざ自社の作業を自動化しようとすると、「ここから何をすればいいんだ?」となることは珍しくありません。

私も当初そうでした。

RPAツールメーカーが、「RPAにプログラミングの知識は要りません」と謳っているのを真に受けて、独学でRPAに挑戦したのですが、全然ダメでした(苦笑)

今でこそ言えますが、それは誇大広告というか、もっと厳しく言えば嘘です。

RPAツールにも「クラウド型RPA」と「クライアント型RPA」があり、WinActorやPower Automate Desktopといった後者に当たるRPAツールは、プログラミングの基礎を知らないと対応できません。

 

2.社内に1人しかシナリオを作れる人がいなかったことが問題になった。

WinActorのライセンス購入と同時に、社内でやる気のある人をアサインし、有料レッスンに行かせた。

何度かレッスンに通っているうちに、自分でシナリオを作れるようになった。

本人もシナリオ作成が楽しかったのか、数多くのシナリオを作り、社内でだいぶ自動化が進んだ。

しかし、突然退職となり、結構頻繁に止まるRPAを誰が引継ぎ対応するのか?ということが問題になった。

 

そこから保守だけを外注しようとしても、一般的なシステム会社は、他人(他社)が作ったロボットを保守を嫌がる傾向があります。

そのため、ロボットの「作り直し」となり、保守料金だけの支払いでは済まないのが普通です。

3.時間的な作業の偏りにより、利用が不便

WinActorのライセンス料というのは、RPA業界ではコストパフォーマンスが高いと言われています。

しかし、一般的な経費としてみた場合、フル機能版が約100万円(年間)、実行版が約25万円(年間)です。

それなりの規模の会社でも、かなり絞ってライセンスを購入しているはずです。

そんなRPAツールに任せたい仕事というのは、結構月初・月末に集中しがちです。

社内にRPA専用パソコンが用意され、そこで順番待ちが発生するという訳です。

更には他の人のシナリオが異常終了し、その対応に時間を取られると、ますます時間が読めなくなってきます。

これが、無償、もしくは安価なRPAツールであれば、あまり数を気にせずに導入できるのでしょうが、有償版だと難しいRPAツールは多いです。

 

以上、代表的な3つのトラブルを挙げてみました。

上記3.を除けば、WinActorに限ったことではありません。

RPAツールを導入する前に、ちゃんと考えておくべきことと言えます。

突き詰めると、「どのRPAツールを導入し」、「シナリオ(ロボット)を誰が作り」、「誰が運用・保守するか」という話になってきます。

とはいえ、「やってみないと(自分たちで作成・運用できるか)分からない!」という見方も出来ます。

ちなみに弊社では、e-Learningで勉強して頂いた後、「やっぱり諦めた!」という際には、外注の方へ費用を回すことが出来ます。

という訳で、費用の無駄なく、どちらの対応もできますので、無償RPAツールである「Power Automate Desktop」を候補として問題ないのであれば、お気軽にご相談くださいませ!