「RPAは簡単!」は、本当なの?
RPAに関する記事を読み込んでいくと、世の中には2つの派閥があることに気づきます。
「RPAは簡単だ!ノンプログラマーにも使える!」派。
そしてもう1つは、
「RPAはソフトメーカーが言うほど簡単ではない。ノンプログラマーでも使えるは嘘である!」派。
どちらが正しいのかお話する前に、そもそもRPAツールというのは、どういったものなのか?を説明しておきたいと思います。
RPAツールの正体とは?
まず、RPAツールで作る「ロボット(別名:シナリオ、プロセスなど)」というのは、自動化するためのプログラムです。
つまり、RPAツールは、ユーザーが意識していなくてもプログラミングをしており、作ったロボットを動かす時には、裏でプログラムが走っているのです。
一般的にRPAではなく、プログラム言語を使って社内業務を自動化する場合、いくつかの作業工程があります。
1.業務の洗い出し
2.業務フローの作成/設計
3.コーディング
4.例外処理/デバック
5.テスト
といった流れです。
RPAツールは、上記3の「コーディング」を代行してくれます。
※コーディングとは・・・フローチャートや仕様書など設計文書に基づいて、プログラミング言語を使い、希望する動きになるようソースコードを作成すること。(デジタル大辞泉より)
つまり、RPAソフトは、利用者が作業用アイコンなどをクリックしている裏で、命令をプログラミング言語に変換(コーディング)しているのです。
そのため、「プログラミング言語を覚えなくても良い」というのは本当と言えます。
RPA作成の難しさとは?
しかし、上記2.の「業務フローの作成/設計」から「コーディング」の間の作業が理解できないと、ロボット作成の時に「そもそも、どのアイコンをクリックして、変数に何の数字や文字を入れれば良いのか分からない!」ということで行き詰ってしまうのです。
条件分岐やループなどの絡まない簡単なものであれば良いのですが、ちょっと複雑な作業をロボット化するとなると、「もうお手上げ!」ということになります。
今や、RPAソフトだけでも相当数出回っており、「分かりやすいRPAソフト」を謳った商品も少なくありません。
とはいうものの、根底には上記のように「コーディング」の部分だけ補ってくれるものであり、プログラミングの素養の無い人がRPAソフトを使いこなすには、まだ敷居の高いものであるというのは否めないのです。
結論として、「RPAソフトを使いこなす為には、プログラマーである必要は無いが、プログラミングの素養は要求される」というのが、正しい文章ということになります。
純粋なプログラミングについては、独学の挫折率が8割を超えるというデータがあります。
RPAに関しても上記の通り、プログラミングの素養が問われる部分があるため、メーカーの言う「簡単!」を真に受けると、8割とまでは言いませんが、高確率で挫折すると思います。
そのためにも、「どのように勉強するか?」ということは、結構大事ですね。