Dog:RPAの記事を読んでいると、「野良ロボット」って単語が出てくるんだけど、これって何?
Robo:「野良ロボット」は、管理者不在で、その存在や自動化内容を会社として把握していないにも関わらず、社内で稼働しているロボットのことですよ。
Dog:えっ、それってヤバくない!?
Robo:もちろん、ヤバいですよ。誰も把握していない訳ですから!
Dog:野良ロボットが起こしえるトラブルって、どんなのがあるの?
Robo:まずは、RPAがインストールされているコンピュータが故障した際、会社全体のフローが止まる可能性がありますよね。もう一度ロボットを動かせば良いだけだったとしても、その原因まで辿り着くのにも時間が掛かるかもしれません。
Dog:なるほど。他には?
Robo:よく聞くのは、「システム更改」が大変ということですかね。
Dog:大変というと!?
Robo:もともとRPAの役割は、システムやアプリケーションの「繋ぎ」部分だったりします。つまり、期間限定の役割として作られていたりするのですが、更新時には当然会社全体のシステムに役割を引き渡し、その役目を終えるのが正しいにも関わらず、誰もそのことを把握していないとなると、その洗い出しに膨大な時間が掛かる可能性が出てきます。
Dog:あー、そりゃ厄介だ。
RPA導入によるトラブルを避けるための方法
さて、RPAのホラーストーリーで始まりましたが、RPAあるある話なのです。
しかし、これってRPA導入の最初の最初でちゃんと決め事をしておき、それを遵守すれば簡単に防げることではあります。
それに野良ロボットって、居場所は必ず「RPAソフト」が入っているパソコン&サーバーの中なのだから、一覧で見ることができます。
なので、存在自体を見失うということは、よほどお粗末な管理をしていなければ、起こらないことではありますよね。
そして、問題のロボット(シナリオ)の内容です。
製作者としては、RPAにてロボットが作れるようになると、それ自体が面白くて、ちょっとした反復作業すべてを自動化したくなるものです。
会社側としてもそれを推奨していたりするでしょう。
ちょっと待ってください!
RPAもその実、プログラミング言語を使わなくても良いプログラミングなので、社内ルールを作り、ロボットの作り方を統一すべきなのです。
作った本人にしか分からないプログラミングは、ダメなプログラミングなのです。
では、良いロボットとは何かを考えて見ましょう。
RPAにおける「良いロボット」とは
1.一目で何を行っているロボットなのか分かる
2.簡単に修正を行いやすい
この条件が必須だと思います。
上記1ですが、この解決策としては、どのRPAソフトでも途中に「コメント」を挿入することができます。
そのコメントを有効活用し、例えば1行目には
・そのロボットの役割と稼働個所を記述する
・製作者名と作成年月日を入れる
といったことをすれば、管理しやすくなるでしょう。
続いて上記2ですが、
・1つ、もしくは1まとまりのアクション(ノード)ごとにコメント入れる
・変数は分かりやすいものにする(社内で統一してもOK)
・モジュールごとにサブルーチン化する
といった対策が有効でしょう。
RPAによるロボット(シナリオ)は「資産」になりますが、間違った管理を行うとそれは「負債」になってしまいます。
後々のためにも、最低限のルール造りはしておくべきでしょう。