日本で使われているRPAソフトで、最も有名なのは、「WinActor」でしょう。

色々な意味で叩かれやすいNTTですが、その技術力に関しては、定評があるのは確かです。

「WinActor」は純国産であり、日本でRPAという言葉が広まる前から、長年研究されてきました。

そのWinActorが、国内で導入実績が4000社を超えた!というニュース発表がありました。

NTTは8月28日、RPAの市場動向とNTTの戦略を発表。
この中でNTT 代表取締役副社長 島田明氏は、NTTグループが提供するRPA「WinActor」の累計導入実績について
「2014年から提供しているWinActorがこの1年で急速に普及しており、昨年度で3000社、今年は上期で4000社、年度末には5000社になる見込みだ」
と語り、今年度中に5000社を突破する見込みであることを明らかにした。

 

こういったニュースを見ると、「日本には、WinActorしか、選択肢がないのか?」という疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。

そんなことはありません。

「RPA BANK」が発表しているデータによると、

●従業員数300人以上の会社においてのトライアル状況
1位 WinActor 53%
2位 BizRobo! 19%
3位 UiPath  19%
4位 その他

●    〃         本格展開状況
1位 BizRobo!  34%
2位 WinActor  33%
3位 UiPath   15%
4位 その他

となっています。

「WinActor」のトライアル数が多いのは、やはり多くのベンダーが扱っており、簡単にテストアカウントが発行して貰える環境にあるからではないでしょうか。

また、「BizRobo!」というのは、一応国産RPAソフトということなっていますが、元々は海外のRPAソフトをカスタマイズして作られたものなのです。

まあ、我々ユーザーとしては、どこ産だろうが、使いやすければそれで良いのですが。

ちなみに「WinActor」は、海外にも英語版としてサービスを提供していますね。

 

 

さてさて上記は、従業員数「300人以上」ですが、「300人未満」の会社ではどんな状況なのでしょうか?

●従業員300人未満の会社においてのトライアル状況
1位 WinActor 49%
2位 UiPath  24%
3位 BizRobo!  16%
4位 その他

●    〃       本格展開状況
1位 WinActor 56%
2位 BiziRobo! 22%
3位 UiPath  5%
4位 その他

という訳で、会社の規模が小さくなるにつれて、WinActorの導入実績が増えているのです。

 

理由の記載はありませんでしたが、私が思うに、

・他RPAソフトに比べて、サポート(有料含む)がしっかりしている

・NTTということで、なんだか安心。(いきなり倒産してサポートが無くなるとかは無いだろうと思える)

・インターネットで検索しても、沢山の情報が出てくるから。(とりあえずみんなが選んでいるので、問題ないだろう)

といったことが挙げられるのではないでしょうか。

会社の購入決定者からしても、独自の判断で海外製の良く分からないマイナー&通好みなRPAソフトを導入した場合、「英語表記で良く分からない!」とか「サポート窓口が英語のみ対応で困る」といった苦情が出るかもしれません。

社内にそのソフトに精通した人が一人でもいれば、話は変わってくるのですが、利用者として行き詰った時に、原因究明に時間が掛かるのは避けたいところです。

そういった意味でも、みんなが使っているRPAソフトを選択するのは、賢明な判断と言えるかもしれませんね。

 

ちなみに、WinActorですが、RPAソフトとして、「WinDirector」というものもあります。

元々、RPAソフトとして「WinActor」が登場した訳ですが、厳密に言えば、RPAではなかったのです。

それは、「RPA(Robotic Process Automation)」ではなく、「RDA(Robotic Desktop Automation)」だったのです。

RDAの場合、社内で複数のPCにて自動化を行う場合、一元管理できないのです。

そこをカバーすべく、WinActorから数年遅れて「WinDirector」が登場したという訳です。

なので、今ではWinActorも小規模から大規模まで幅広く対応可能になっています。(それでも、本当に大規模になると、実績のある海外製のRPAが選ばれることも少なくありませんが)