「RPAって何?」

とRPAをよく知らない人から聞かれれば、「PC上の操作を自動化できるものです」とお答えすると思います。

いつも行っている作業をRPAソフトがトレースし、勝手にマウスとキーボードを操作してくれるという代物です。

 

「だったら、エクセルのマクロとかは、もう必要なくなるのですね?」と言われると、そうでもありません。

エクセルのマクロは、VBA(Visual Basic for Application)という言語で書かれているプログラムで、マウス&クリックの作業以外にも色々なことができるようになっています。

ですので、「それと全く同じことをRPAで出来るのか?」と言われると、出来ないことも多々あるのです。

 

「RPA」VS「エクセル(VBA)」

また、一番の問題は処理スピードです。

餅は餅屋というべきか、エクセル上での作業は、RPAソフトで代行するよりも、エクセル単体にさせた方が断然速いのです。

そもそもRPAは、操作のトレース以外に、コンピュータ上において『橋渡し』的な作業のために使われることに強みを発揮します。

RPA単体で重い&複雑な作業をガンガン行わせるというのは、あまり好ましくはないのですね。

 

ここはRPAの大事なところなので、もう一度言いますね。

■そのソフト単体で出来ることは、RPAを使わない方が速いし安定している

■複数のソフトを使って作業を橋渡しする時に、RPAの出番

 

例を挙げると

<目的>
基幹系サーバで扱っている売上データから、どの商品がどのエリアでよく売れているのか抽出し、エクセルにまとめたい。
そして、そのエクセルを上司にメールにて報告&添付したい。

という場合、

(1)基幹系サーバから、CSVファイルなどでエクスポート。
⇒この作業はRPAで可能ですし、手作業でも良いでしょう。

(2)エクセルで、そのCSVファイルを読み込み、商品ごとにエリアを分ける。
⇒この作業は、エクセルのマクロで処理する。

(3)整列されたエクセルデータを、上司に添付でメール送信。
⇒この作業は、RPAで処理する。

という具合に、処理します。

なので、RPAで設定する前に、上記(2)の作業はエクセルでマクロを組んでおく必要があります。

そうすれば、あとはすべてRPAソフトが全自動で、即時or定時に行ってくれるようになります。

ちなみに、RPAソフトによっては、フローの中でエクセルの「マクロ」を走らせるということが出来ます。(「走らせる」ということで、マクロ自体を作れる訳ではありません)

それにより、上記(1)~(3)まで、一連の作業としてボタンひとつで処理することができます。