まず、一言で「中小企業」といっても、いわゆる中堅から零細まで幅広いですよね。

なので、ここでの「中小企業」というのは、社員50名未満の企業と定義します。

 

さて、RPA(ツール)ですが、2020年の市場において、いまいち頭打ち感は否めません。

実際、RPA関連の株価も伸び悩んでいます。

理由としては、大企業と呼ばれる規模の会社においては、RPAが行き渡ったのですが、中小企業において導入が進んでいないからです。

RPAツールの課金は、基本的に「年間ライセンス制」になっています。

つまり、一度RPAを導入すると、使われる限りずっと収入が見込める仕組みです。

なので、新しく契約が取れなくても、契約済みの大企業からの収入は見込めるので、会社の存亡に関わるということは無いと思います。

しかし、絶対数が増えないことには、会社の規模拡大ができません。

当然、RPAツール開発企業もそのことは分かっているので、中小企業をメインターゲットとしてのサービス提供・商品を考えてはいますね。

それなのに、なぜ中小企業において、RPA導入が進まないのでしょうか?

 

(仮説1)RPAツールの価格が高く、とても中小企業では割に合わないと思われているから。

RPAツールの先発メーカーのほとんどが、最初に取りに行った市場は、「大企業セグメント」でした。

なので、こぞって高単価でツールを販売しました。

その結果、当時RPAツールの導入を検討したほとんどの中小企業は、RPAツールの値段の高さに驚いて「うちではコスパが合わないな」と判断しました。

その時の印象や記憶がずっと残っているのではないでしょうか!?

とはいえ、有名なRPAツールの価格が高いのは、未だ変わらずです。

やはり、高単価で大企業に販売している一方で、中小企業向けとはいえ、あまり安いRPAツールを販売するのは、難しいと思います。

 

(仮説2)インターネットや書籍でちょっと調べてみたけど、いまいち何ができるのかよく分からないから。

「RPAは、自動化のできる便利なツールである。」ということは分かるけれども、実際にどこまで何が出来るのか、いまいちわからない。

ちょっと調べてみたところ、ツールの価格も安くはないようだし、どうしても導入すべきツールという感じがしないから、まあまだ時期じゃないかな!?と判断した。

 

(仮説3)周りの同業他社でも導入しているふうに無いので、必要性を感じないから。

RPAという単語を聞くことはあるけど、業界においてRPAを使っているという会社をあまり聞かないので、うちも慌てて導入しなくてもいいかなと判断している。

 

以上、3つ仮説を挙げてみました。

当たらずとも遠からずだと思います。

ここから分かることは、ズバリ、

『中小企業においてRPA導入が進んでいない理由は、単純にマネジメント層がRPAというものを知らないから』

ということになります。

アンテナの高い人は、RPAは会社の規模に関わらず有益なツールで、費用としても問題ないレベルまで下がってきていると知っていますね。

実際、1人税理士さん等の間でも、RPAを使っている人は多く、そのコスパの良さは証明されています。

あまりパソコン操作が得意ではないという方には、ハードルが高いのは確かですが、今後ますます自動化を進めていかなくてはいけない中小企業にとっては、福音になりうるツールだと思います。