今回のブログは、RPAとはちょっと離れてのテーマ。
突然ですが、昨日、寝ている時に昔の夢を見ました。
私が社会人になって数年経った時、営業(私)とお客様の関係でお会いした社長様のことです。
ちょっと異色な経歴の社長様で、元々は鉄道関係のお仕事をされていたそうなのですが、そこを辞めてからゲーム関係会社を興し、PlayStationでとても有名なゲーム制作に携わり、成功を収めていらっしゃいました。
そのサクセスストーリーも面白く、突然ある日、自分の口座に一億円が入りとても興奮したものの、あっという間に溶けた!と(笑)
ボロアパートで事業を始めた折には、片手で数えるほどの社員しかいなかったのに、ゲームが当たった後、すぐ20人以上の会社になったそうです。
問題はその後で、人件費やその他の費用が突然数倍になり、売上があろうがなかろうが毎月一千万円以上のお金が飛んでいく状況になり、とても資金繰りに苦労したという話でした。
まあ、こういった話はベンチャー企業のあるある話ですが、「人を雇う」ということの難しさは、どこの会社でも痛感しているのではないでしょうか!?
日本における過剰な「労働者保護」の間違い
人を雇うことのメリットとデメリットについては、特に日本において重要だと感じます。
なぜなら、一度採用すると簡単に解雇できないからです。
個人的には、この日本的システムには反対です。
理由としては、グローバルな時代にそぐわず、雇う側・雇われる側の双方にとってデメリットが大きいものになっていると思うからです。
多くの人は、現状の「労働者保護法」は良いもので、可能であればもっともっと強めるべきだ!という認識を持っているように思います。
しかし、実際には雇用主が簡単に解雇できないが為に、労働市場をいびつなものにしているのです。
ちょっと例を挙げてみます。
中小企業である株式会社ABCに努める有能なB子さんは、結婚と出産のため、会社を退職することになりました。
旦那さんの仕事の関係もあり、関西から関東へ。
生まれた子供も小学校に入る年齢となり、少し手の空いてきたB子さんは、またフルタイムで働きたい!と思うようになりました。
しかし、B子さんの才能を十分に活かせるポストの空きが、なかなか無いのです。
そのため、不満足ながらも、今までの経験の活きないパートタイムの仕事に従事しています。
上記の話、何の珍しさも無い話ですが、もしアメリカのように3か月分の給与支払いですぐに解雇できるような、「労働市場の流動性」があったら、どうでしょうか?
労働市場の流動性を重視したら、日本はどうなる?
経営者側の視点で言えば、なによりもまず「人を採用する際に、リスクが少なくなる」ことが挙げられると思います。
採用して職場に合わないと思った場合、スムーズに解雇できます。
現在、会社に合わない人をふるいにかける「試用期間」を設けている会社も多いですが、実は「試用期間内」でも、解雇は法的に問題があるのです。(見て見ぬふりされているけど。)
解雇の縛りを緩めれば、結果として、労働市場への人の出入りが活性化します。
解雇された人としては、憤る部分もあるかと思いますが、能力や性格が合わない職場に留まることは、その人にとってもあまり良いことではないと思います。
もっと能力が活かせ、必要とされる職場に早く移るべきでしょう。
本人が思う以上に、どこの職場に行っても高いパフォーマンスが出せる!という人は多くないように感じます。
話を上記の「B子さん」に戻すと、もっと労働市場の流動性があれば、
(B子さん)希望に合ったポストが市場に増え、今迄の経験が活かせる職を得られるチャンスが増える。
(経営者)解雇時の気苦労や手間が減るため、もっと気軽に人を採用できる。
(一般の労働者)雇われやすく、解雇されやすくなるが、市場全体の求人倍率は増える。そのため、自分の素養にあった職場に行きつきやすくなるし、過労死するほどその会社にしがみつく必要もなくなる。
といった結果が期待できます。
また、無駄な人員を抱え込む必要もなくなるので、賃金相場自体がかなり上昇すると思われますね。(マックジョブを除く)
日本においては終身雇用が崩れたと言われるものの、いまだに1社に長く勤めるのが良いこととされています。
男女の関係に例えれば、人生において最初に付き合った人と、そのまま結婚するようなものです。
とにかく沢山の人と付き合えばよい!というものではありませんが、比較対象を知らずに生きて行くのは、人生における満足度や納得度に違いが出るのではないでしょうか。(ちなみに、アメリカでも異常な転職回数や一定の年齢が過ぎてからの転職、畑違いの転職は嫌がられますので、そこは誤解なきよう。)
人生はある意味、「自分というものを知る旅」ですからね。
これから日本においても、「ジョブ型雇用(※1)」が本格的に始まると思います。
※1・・・各企業が会社における各職務の内容(ジョブ)を職務記述書(ジョブディスクリプション)にて明記し、その内容に基づいて必要な人材を採用・契約する制度
しかし、ジョブ型雇用は、日本の雇用システムとの相性が悪いでしょう。
日本全体の生産性向上を目指し、グローバススタンダードに合わせるのであれば、やはり現状の解雇規制を大幅に緩くする必要が出てくると思います。
そうでなければ、絵に描いた餅であり、ジョブ型雇用の良さが活かされないでしょうね。
政府は今後どうかじ取りをしていくのか分かりませんが、頑なに「正社員の雇用を守るべきだ!」と考える、昭和脳な人が多いのも事実なので、難航しそうですね。