「クラウドフロー」って何?
PowerAutomateは、2つのアプリから成り立っており、1つは「デスクトップフロー」。
もう1つは、「クラウドフロー」になります。
時々「どちらが便利なのですか?」と聞かれますが、同じ「RPA」としてくくられていますが、担当範囲が別物となっています。
「デスクトップフロー」は、皆さんのパソコン上での自動化を行います。
一方、「クラウドフロー」は名前の通り、世の中に数多くあるクラウドサービスを連携させて、何らかの自動化を実現するというツールです。
「クラウドフロー」は、どのような自動化が多いのか?
多いのは、「Teams」、「OneDrive for Business」、「SharePoint」、「Forms」、「Microsoft365 Outlook」あと「Excel Online」、といったマイクロソフトのサービスと連携させるものが人気です。
人気の理由は、無料で使えることが大きいと思います。(厳密には、「Microsoft365」の契約が必要ですが。)
マイクロソフトが提供している以外のクラウドサービスに関しては、基本的に有償版ライセンスを契約しないと使えないのです。
そういったこともあり、必然的に上記の無料で使える連携(コネクタ)が多くの会社で使われています。
「クラウドフロー」の運用で素晴らしいと思う点とは?
突き詰めていくと、デスクトップフローでも実現できなくはないこともありますが、根本的な違いとして「デスクトップフローは、利用時にパソコンの電源を入れておかなくてはいけない」という点が大きな差だと思います。
「クラウドフローは、マイクロソフトのサーバ側で処理されるので、その必要がない」のです。
なので、クラウドフローで作成したフローは、勝手に起動して、勝手に処理してくれるのです。
これぞ、RPA(Robotic Process Automation)です!
「クラウドフロー」のデメリットは?
デスクトップフローに比べてという話になりますが、デザイナー画面がもっさりしており、簡単なフロー作成でもそれなりに時間が掛かります。
あと、未だにバグが少しありますね。
それと、ほとんどのコネクタ(アプリを接続するパーツ)が、有償版となっていたり、他アプリにAPI接続させようとすると、これも有償版でないと対応できず、無償版で対応できる範囲が狭いことです。
おすすめの「クラウドフロー」の自動化は?
さて、表題に。
実際、世の中の多くの会社でも需要があるのでは?と思える自動化があります。
(その1)特定のメールに添付されてくるExcelファイルを自動処理する
⇒具体的に説明しますと、取引業者から指定の書式で注文書などがメール添付で、毎日深夜に届いているとします。
その注文書(Excel)にある情報を読み取り、加工し、特定のフォルダに収納したいというもの。
これを自動化すると、Outlookにメールが届くと同時に、そのメールタイトルから該当するものかどうかを判別し、関係ないメールはスルー。
該当する場合には、添付メールを開き、指定の箇所から情報を読み取り、加工した上で、社内の共有フォルダに保存してくれます。
また、相手には受領完了のメールも送信させることができます。
取引会社の事情で、メールが届くのが深夜だったり、早朝だったりするものや、なるべく早く処理したい時、とても重宝するのです。
(その2)社内の申請の受領処理自動化
⇒どこの会社でも、社内申請の作業はあると思います。
ヒューマンリソースに余裕がある場合は、全部メールで依頼し、受領した後にメールで返すという方法も分かります。
しかし、人間が行うと即時対応は難しいでしょうし、記入ミス、連絡ミスも起こりえます。
その点、クラウドフローでFormsとデータベースを連結し、自動化してしまえば、そこに人を介在させる必要がなくなります。
もちろん、上長の承諾が必要な場合もあるでしょう。
その際には、Teamsと連携させることもできますので、社内稟議の時間が大幅に短縮もできます。
以上、この2つは無償版で対応できる範囲となっています。
(その1.において、Excelの加工が複雑な場合には、デスクトップフローと連結させて処理させる必要が出てきます。なお、その際には、有償版ライセンスでないとダメですが。)
まとめ
といった具合に、クラウドフローの自動化は、デスクトップフローの自動化とは、また違った使い方が出来て便利です。
デスクトップフローにおいては、1つのフローにアクション数が数百になることは珍しくありませんが、クラウドフローにおいては、システム上、少数のアクションで作成されることが推奨されています。
逆に言えば、小規模(少ないアクション数)である程度の自動化が達成できるツールとなっています。
この「クラウドフロー」と「デスクトップフロー」の2つを使いこなせれば、社内の定型業務のほとんどは自動化できると思います。
また、クラウドフローは使いどころを考える「アイデア勝負」な点もあり、少しの工夫で「痒い所に手が届く」使い方も出来、社内業務がかなり効率化する可能性があると思います。