いきなりギョッとするタイトルを挙げさせて頂きました。
まあ、完全に受け売りなんですが、この流れは止まらないと思いますので、自戒の意味も含めて今回のテーマにしたいと思います。
「終身雇用の時代は終わった」と言われて久しいですが、少なからず実感されていない人もいらっしゃるかと思います。
こういったものは、自分の身に降りかかってこない限り、なかなかピンとこないのも事実です。
とは言っても、もう外堀は埋められており、定年間際という方以外は本当に考えておかなくてはいけない状況です。
では、なぜそのようなことが言えるのか?を語ってみたいと思います。
日本の会社には、もう余裕がない
まず、ここ数年話題になっている採用の形態が変わりつつあることです。
今までは、「メンバーシップ型」と呼ばれる社内育成を主軸とした雇用でした。
人口構成がピラミッド型になっていた日本の高度成長期には上手く機能していましたが、逆ピラミッドになっている今、給与の資源を確保できない企業がほとんどです。
日本No.1の会社であるTOYOTAですら、「終身雇用はもう無理!」と根を上げました。
そこで海外で主流の「ジョブ型」と呼ばれる、ある職種に特化した即戦力で働ける人を雇い入れる雇用形態に移行しつつあります。
この両者における給与の違いとしては、前者は入社直後が一番給与が安く、年功序列で上がっていくのが一般的です。
一方、後者においては、入社直後から人によっては高額の給与を取ることができますが、(インセンティブを除くと)上昇の幅が大きくないことが多いです。
その分、大幅な給与アップのためには、転職をする必要が出てきます。
日本においては、毎年給与アップを求めてくる生産性の低い中高年を雇い続けるのは、不可能な状態になっています。
実際、ここ20年以上上がっていないのは、そのせいです。
今、「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に半ば強制的に移行させられている時期であり、ここでのほほんとしていると、悲惨な老後が待っているという訳です。
ありがちなケースとして、今、年収1000万円もらっている部長がいるとします。
ある日突然会社が買収されることになり、1000万円に満たない生産性だと評価された部長は、出向か退職を迫られました。
最初は、「自分を評価してくれる会社は山ほどある!」と強気だったものの、いざ転職活動を視野に入れて自分の棚卸を始めてみると考えていた程、市場価値が無いことに気づくのです。
一応部長として数年働いてきたので、それなりに各分野の知識はあるものの、「何かのスペシャリストか?」と言われると、答えることができない。
数値に直せば、幅広いスキルを持っていて、どれも70点くらいはあるのだが、90点以上といえる強みのあるスキルは無い。
多くの知識もあるが、その会社でしか使い物にならないものが大半。
メンバーシップ型で過ごしてきた人だと、こういうキャリアになりがちです。
今後、日本人が求められる身の振り方
結論から言えば、欧米のように本当の意味での「能力主義」になっていくということです。
ひょっとしたら、日本経済の足を引っ張っている「解雇規制」も急速に緩和されていくかもしれません。
そして、すべての人が個人事業主のような働き方を求められ、一時的には会社に籍を置くものの、プロジェクトが終わったら解散となり、新しい仕事を求めて移動していく形になるのかもしれません。
そこで求められるのは、会社の看板ではなく、
「私、〇〇と言います。得意分野は□□で、××が出来ます。」
といった自己紹介が出来るようになるキャリアが求められるということです。
欧米では定年という概念も曖昧ですから、日本もそうなるでしょう。
年金の改変を見ていると、どう考えても一部の人を除いて70歳くらいまでは、なんからの手段で生活費を稼いでいかなくてはいけない時代がくるでしょう。
人生100年時代の到来ということで言えば、もっと長く仕事をしていかなくてはいけないかもしれません。
まあ、高齢になってくると物欲自体は無くなってくるので、日々の生活にそれほどお金は必要なくなってくると思いますが、毎日の生活に張り合いを出すためにも、ある程度のやりがいがキープできる仕事をしたいものです。
そのためにも、それまでに何らかの自分にあったスキルを身に着けることや、社外の人脈を作ることに時間と労力を費やす必要がありそうです。
欲を言えば、「できること」ではなく、「やりたいこと」や「好きなこと」をやって老後を生きていきたいものですね。