「リスキリング」の意味とは?
「リスキリング」。
正直なところ、私がこの単語を知ったのは、今年になってからです。
アルファベットで表記すると、Reskilling となります。
この方が意味が分かりやすいですね。
繰り返しを表す「Re」が、技術を身に着ける「Skilling」と合わさっているという訳です。
<<意味>>
「リスキリング」・・・今後の業務において必要となるスキルや技術を社員に「再教育」することをいう。
なぜ、このような単語が突然出てきたのでしょうか?
つい最近も、岸田総理が所信表明演説において、「リスキリング」を発表しました。
(URL)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64853720U2A001C2MM8000/
この単語が出てきた時代背景としては、
・人生100年時代の到来
・DX(デジタル・トランスフォーメーション)に代表される技術進歩の速さ
・「2025年の崖」と言われるほどのIT後進国である現状
でしょうか。
昔の人は、1つの技術を身に着ければ、死ぬまで食べていけたと言います。
それが今では、技術の陳腐化が早く、場合によっては寿命の前に技術の需要が終わりを迎える可能性があるということです。
過去10年の変化が、1年で起こっていると言われるほどのスピードで世の中動いているのです。
ちなみに、似た単語に「生涯学習」というものがありましたが、ちょっと違うのは、業務に関係のある技術を磨きましょう!という点です。
なので結局のところ、ほとんどの人にとって「リスキリング」とは、DXに代表されるサービスへの適応力を上げましょうということになってくるかと思います。
リスキリングで心配されていること
最も企業から求められている「スキル」といえば、前述の通り、IT系のスキルです。
これはもうどの業界にいても、必要になってきています。
IT後進国と言われる日本において、その必要性と需要はとても大きいです。
最低限「ITパスポート」レベルの知識は社会人の嗜みとして押さえておくべきと言っても過言では無いでしょう。
そういえば以前、大臣が「USB」という単語の意味を知らなかったり、コンビニエンスストア大手の社長が「二段階認証」の意味を知らなかったことが判明した時には、凄く炎上していましたね。
その一方で、IT系に関しては、向き不向きが大きく出やすいとも言えます。
年代による明らかな差も見られます。(やはり学生時代にパソコンが無かった世代は、苦手な人が多いのです!)
気質の面でも、私のように何時間もパソコンの前に座っていられる人もいれば、1時間もモニターとにらめっこしていると気が狂いそうになる!という人もいるでしょう。
こういった特性があるため、社員の自主性に任せるといった状態だと、一向に社内のDX化が進まないのも当然です。
毎日、与えられた作業をこなすのに忙しいのに、余暇の時間を使って勉強を強いるのは、極めて難しいでしょう。
なので、本当に社内のDX化を望むのであれば、会社が「(勉強するための)時間」と「(勉強するための)教材」の両方を提供しないと上手くいくはずがないのです。
元々やる気のない人や、ITに苦手意識のある人にもある程度のITスキル・理解を身に着けて欲しいと思うなら、営業時間内に学びの時間を取らないと無理でしょう。
リスキリングの環境が整い始めている
社内教育というと、大手企業でないとあまり熱心にされないイメージがある人は多いと思います。
中小企業だと、先輩から後輩へといったOJTはともかく、外部のサービスを利用してまで行ってくれるところは少ないと思います。
それが最近では、IT減税・IT補助金を中心にして、中小企業でも行い易い環境になってきています。
補助金にありがちな、後から沢山の書類作成・提出を行う必要もないものもあります。
国が主導しているものから、地方自治体が行っているものまで、探してみると色々あるものですよ!
あと注意点としては、どんな勉強でもそうですが、学んですぐにバリバリ使えるというものではありません。
基本的な操作方法や考え方を頭に入れた後、実際に手や体を動かして、繰り返し行う必要が出てきます。
つまり、成果が見えるまでに、ある程度時間が掛かるということです。
それを見据えて、余裕があるうちに着手しておくのが良いと思います。