3月3日、凄いニュースが飛び込んできました!
それは、マイクロソフトが提供しているRPAツールである「Power Automate Desktop(以下、PAD)」のWindows10用を無料で提供を開始するという発表があったのです。
マイクロソフトのサービス群には、元々複数の自動化サービスがあったのですが、RPAという意味では後発といえる状態でした。
昨年5月に、「WinAutomation」というRPAツールを提供している会社を買収し、その技術を取り込んで「PAD」を作成したのです。
「WinAutomation」自体は、世界的には有名なRPAツールの1つでしたが、英語版しかなかったこともあり、日本での知名度はほとんど無かったと言えます。
それが、「PAD」として生まれ変わり、旧ユーザーからは、「日本語版WinAutomation」と言われるような内容になっています。
<<注意点>>
PAD for Windows10 のニュースが発表されましたが、この記事を書いている時点においては、その詳細はまだ発表されていません。
現在、既に法人向けサービスとして、PADが有料にて提供中ですが、その相違点もハッキリしていません。
その点に関しては、公式にサービス詳細が発表されていません。
ですが、「法人版」と今回の「個人版」は、なんらかの差を付けられて、別物という形になるのではないかと思います。
今後のRPA市場はどうなる!?
日本三大RPAツールとしては、「WinActor」、「UiPath」、そして「BizRobo!」が市場の7割を占めています。
価格帯も1ライセンスが、60~100万円という高価格で、とても小規模な企業では手が届かない、もしくはコスト的に見合わないという状態でした。
ここに、PADという無料のRPAツールが提供されることになる訳です。
ただ、現状既に法人向けサービスとして、PADは存在しており、月額4,350円で提供されています。
他のRPAツールが、年間60~100万円であるのに、PADは年間6万円程度だったのです!
それが更に、Windows10の標準サービスとして無料提供されるということですから、驚きです。
恐らく、マイクロソフトは「WinAutomation」買収時に、こういった戦略を描いていたのでしょう。
なので、買収後も「WinAutomation」をほとんど宣伝することなく、PADのブラッシュアップに勤しんでいたのではないでしょうか。
ちなみに、気になる「日本三大RPAツール」との機能差ですが、確かにPADにはオーケストラ(中央管理)の機能は付いてこないようですが、まあ中小企業においてそういった機能が必要か?と言われれば、必要ないでしょうね。
個人的な意見としては、従業員数100人以下の企業であれば、RPA用のWindows10パソコンが3~5台くらいあれば十分だと思います。
その程度の台数であれば、オーケスト機能がなくても、管理規則をしっかり作っておけば、社内に混乱を引き起こすこともないでしょう。
という訳で、現状の日本三大RPAツールの寡占状態は、早い段階で崩壊すると思います。
今から日本三大RPAツールを購入する人は、単にPADの存在を知らない人、いわゆる「情報弱者」だけになるのではないでしょうか!?
「同じことが出来る格安or無料ツールがあるのに、何故敢えて毎年60~100万円も払わなくてはいけないのか?」
まともな経営者なら、そう考えるはずですから、もし他のRPAツールを使っているのであれば、ライセンスの更新時期を見計らって、PADに切り替える企業が続出するのではないでしょうか。
マイクロソフトの狙いは!?
「RPAの民主化」なんだそうです。
つまりは、Excelでいう「VBA(通称:マクロ)」のように、今後はRPAを普及させるということだと思います。
VBAは、基本的にOffice(Excel、Access等)の中の自動化ですが、RPAはWindows上で動くほぼ全てのアプリの自動化が可能になります。
さらに、マイクロソフトの中には、今回のようにパソコンにインストールして使うアプリを自動化する以外に、SaaSと呼ばれるクラウドサービスを自動化するものもあります。
そして、AI(人工知能)サービスもあります。
正に、オールラウンドプレイヤーです!
GAFAMの一角として君臨しているマイクロソフトですが、まだまだその体制は盤石のようですね。
おまけ
マイクロソフトが「RPAをExcelのVBAのようにする!」といっても、そもそも一般の人にとって、VBAも簡単なツールではありませんでした。
RPAも同じです。
弊社、7robotsでは、Power Automate Desktopでのロボット作成が可能です。
数年前から、「WinActor」以外に、「WinAutomation」も使ってきたので、Power Automate Desktopでのロボット作成も直ぐに習得できました。
今、他のRPAツールで作成されているロボットを、PADにて作成し直すといったことも承っています。
ライセンス料が数分の1、もしくは無料になる分、外注したとしてもRPA用の毎年の費用が大幅に安くなります。
また、「内製化したい!」という企業様には、Power Automate Desktopの訪問レッスンも行っていますので、お気軽にご相談ください。