ここ数年、「AIが人に取って代わる職業」という内容の記事を見かけることが多くなりました。

内容を簡単に言えば、「クリエイティブではない仕事は、その確率が高い」というものです。

まあ、現時点で高収入の仕事であっても、それが繰り返し作業であれば、コンピュータに取って代われるというのは想像に難くないでしょう。

今回、似たような話ではあるのですが、人を減らすべくAIを採用したのに、却ってその会社の総雇用数が増えているというニュースです。

(記事元)
https://gigazine.net/news/20201203-robot-revolution-real-impact/

ちなみに、この記事の中では、「AI」ということになっていますが、「RPA」はClass3において、AIと融合される運命にありますから、同意語として読んでも良いでしょう。

 

 

自動化すると、何故雇用が増えるの?

自動化すれば、今まで10人の人で作成していたものが、片手で数えるほどの人数、場合によってはチェックする人1,2名だけで事足りるようになることもあります。

それなのに何故、総雇用数が増えるのか?

結論から言えば、「自動化によりライバル企業に対して優位性が出来、ライバル企業の顧客を奪っていくことに繋がるから」だそうです。

やはり、社内においてRPA導入は「人減らし」ではなく、「人材配置の適正化」としてのポテンシャルが強いようです。

 

まあ、いつの時代でも時代の先駆者というのは、先取りが上手ですよね。

戦国時代にいち早く「鉄砲による戦術」を取り入れた織田信長しかり。

ITの時代が来る前にアメリカからコンピュータの知識を持ち帰った孫正義さんしかり。

 

私、職業柄、RPA関連の記事を見かけると、つい読んでしまいます。

ある税理士事務所のRPA導入話では、ヒューマンリソースの限界を感じていた折に、比較的安価なRPA導入の話を聞いたので、導入したそうです。

その結果、今までスタッフ1人あたり15社程度しか受け持つことが出来なかったのが、導入後には20社を超える数の割り当てが出来るようになったということでした。

この話の中の増えた「5社(以上)」というのも、市場のパイが限られていることを考えると、他から取ってきたともいえるでしょう。

 

続いて、記事の中で特に印象的だったことが、もう1つ。

 

 

ロボットを導入するとむしろ単純労働者は増えて、管理職が減る?

通常、自動化するのは、単純作業であり、末端のスタッフの仕事を奪うものだと考えられがちです。

何故、組織で上位にあたる管理職が減るのでしょうか?

これも答えから言えば、「ロボットは自分が行った業務を正確に記録できる上に数字をごまかすこともなく、管理にかかるコストは不要であり、一般の管理職以上の仕事が出来るから」だそうです。

 

なるほど!

日本には「船頭多くして船山に上る」という諺がありますが、マネジメントをAIが代わりにやってくれることで、意見の食い違いが減りそうですよね。

良くも悪くもAIは与えられた事実から、情け容赦なく判断を下しますから、合理的な経営を目指す企業の助けになることが多いでしょう。

雇われている側としては、情状酌量の余地なく解雇される可能性が上がるのは、何とも言えないでしょうが。

 

クリエイティブではない仕事はいつ無くなる?

話が最初に戻りますが、10年前に発表された海外の有名大学の研究結果で、「今後10年で無くなる職業」のほとんどは無くなっていません。

何故でしょうか?

理由は、

「無くなる仕事ではなく、(技術的に)無くせる仕事」

であり、少なくとも現時点では、

自動化するよりも、人間にやらせた方が費用が安いから

です。

 

恐らく、研究結果リストに載っている職業の大半は、この先10年後にも残っているでしょう。

ただ、

①「人件費 ≒ コンピュータ(自動化)のコスト」 になった瞬間に、オセロの駒がひっくり返るように、一気に導入される。

②残っているといっても、音楽業界のレコード、もしくはカセットテープのような位置づけになる。

というのは避けられないかもしれません。