日本においては、三大RPAとして、「WinActor」、「Uipath」、「BizRobo!」が挙がり、シェアの7割ほどを占めています。

今、RPA関係のニュースを見る限り、勢いを感じるのは、「UiPath」でしょうか。

他の2つは、売り方に迷いがあり、試行錯誤しているように見えます。

「WinActor」の売り方に物申す!

WinActorと言えば、日本No.1シェアということを売りにしているようですが、現時点ではどうなのでしょうか。

私、WinActorのエンジニアだった者として言わせて頂ければ、あまりユーザー目線ではなかったように感じます。

 

某自動車メーカーでRPAエンジニアとして働いていましたが、思った以上に使いづらい場面が多々ありました。

それはロボットの作りづらさではなく、作ったロボットの利用についてです。

WinActorのプライスとして、
・フル機能版(ロボットが作れる&動かせる) 約90万円
・実行版(動かすのみ) 約25万円
となっています。

通常、フル機能版は、RPAエンジニアが所持し、ロボットを作成します。

その作ったロボットを、エンジニアではない一般のスタッフが必要に応じて実行版で動かす訳です。

問題はココです。

 

大きな会社だと、部署が複数あり、階が違ったり、場合によっては敷地自体が異なることも珍しくありません。

そうなると、実行版が複数台必要になり、1台あたりの利用時間というのは、必然的に落ちてくることになります。

また、ダウンロードがメインの作業だと、ものによっては待っている時間が長い為、半日掛かることも珍しくありません。

そうはいっても、1ライセンス25万円(毎年)となると、大企業でも多めに発注という訳にはいきません。

中小企業なら、なおさらです。

 

個人的には、WinActorはここにメスを入れるべきだと思います。

実行版で利益を出すのではなく、実行版はバラまけばよいのでは!?と思います。

1台当たり3万円くらいにするか、もしくは25万円の売り切りにするとか。

そうすれば、もっとWinActorの普及率があるものと思いますし、他のRPAツールと差し替えられる可能性もぐっと低くなるでしょう。

WinActor側としては、UiPathとは位置づけが異なり、日本市場ではかなり盤石になっていると思っているかもしれません。

実際、販売網は数多くの代理店を抱えている強みがありますからね。

サポートも他社に比べて頭1つ抜き出ている感もあります。

 

ただ、大手企業という上澄みを掬い終わり、ここから中小企業をどれだけ取り込めるかという話になってくる中、現状のラインナップでは少々難しいと感じます。

それはBizRobo!も同じですね。

そういった意味では、やはりUiPathの方が将来性を感じます。

UiPathは勢いがあるの?

答えから言えば、今、世界で一番勢いがあるRPAツールは、「UiPath」でしょう。

一定の条件内であれば、機能制限付きではあるものの、無料で利用できる点が評価されているようです。

そして、次から次へと売り方・見せ方を変えながら、サービスを提供しています。

とまあ、ここまで読むと、「みんなUiPathを使えばいいんじゃない!?」と思うものです。

しかし、現実はそうなっていません。

理由としては、「無料」版を使うと、当然サポートは付きません。

インストールから、ロボット作成・保守まで、全部自分達で解決しなくてはいけないのです。

純日本産であるWinActorですら、多くの人にとって敷居が高いのに、UiPathとなると尚更です。

 

そもそもUiPathの作りがエンジニアチックであり、ノンプログラマーには敷居が高いというのは、多くの人が認めるところです。

元プログラマーの人向けといった方が良いと思われる部分もあります。

少なくとも、VB(Visual Basic)は嗜んでおく必要があると思わされました。

また、「日本語対応」を謳っていますが、英語を直訳している感じですね。

IT用語はそのままカタカナ表記になっていたりと、それなりに英語を勉強してきた人であれば、それほど日本語になっているメリットは感じないでしょう。

一部無料であったり、WinActorよりも単価が少し安いこともあり、導入率が上昇しているのは確かですが、継続採用を見送る企業も少なくないものと思います。

実際、私がいた某自動車メーカーでも、ある部署ではUiPathを先に導入していましたが、結局WinActorに変更していました。

 

ただ、他のRPAツールメーカーに比べて、研究開発により力を入れているようです。

2020年の現時点では、多くのRPAツールが生み出せるものは、ほぼ同じという状態です。

しかし、5年後くらいには、AI機能などにより、明らかな差別化が見えるかもしれませんね。

第三勢力は?

RPA市場も黎明期を抜けて、成長期or停滞期に入っています。

そして、「RPAツールは高いもの」という常識も壊れつつあります。

しかし、多くのユーザーが「RPAは高いもの」と思っているというのは事実です。

私に言わせて頂くと、それは「完全に情報収集不足」です。

ちょっと調べれば、とても多くのRPAツールが登場していることに気づくはずです。

その中には、日本三大RPAツールと性能的に遜色なく、価格がとても安いRPAツールは存在します。

中小企業どころか、零細企業でも導入可能です。

デメリットは、ユーザー数が少ない分、インターネットなどでも操作方法や行き詰った時の問題解決についての情報収集が難しいことでしょうか。

ここが解決できれば、とても良い買い物になる会社は多いでしょう。