私自身も、元々はプログラマーでもなく、RPAにも触ったことがない状態から独学でスタートしたので、色々とお話できることがあります。
今でこそ、プロとしてRPAでお金を稼いでいる訳ですが、振り返れば独学の限界を感じたこともありますし、「もっとこうすればよかった」とか「これは失敗だった」と思うことも多々あります。
そういったことも含めて、もし自分がRPA知識ゼロの友人から、RPAマスターの最短ルートを聞かれた場合に答えるであろうことをお話したいと思います。
何からスタートすべき?
RPA習得のベストな方法を言えば、
『そのRPAツールに精通している人から、手取り足取り教わること』です。
まあこれは、RPAに限ったことではなく、世の中すべてのことに言えるでしょう。
しかし、特にRPAでそういった恵まれた環境にいる人は少なく、大半の人は独学で進めていくことになると思います。
物事すべてそうだと思いますが、とにかく最初のとっかかりが大変。
ここに失敗すると、数日後にはもう飽きてしまっているでしょう。
なぜなら、そこに「道」や「光明」が見えないから。
スポーツでも、ある程度自分のイメージ通りの動きが出来るから面白いのであって、まったく成果が出ないことを長く続けれられるほど、人間の精神力は強くありませんよね。
話がそれましたが、プログラマーでもなく、RPAに詳しい人が周りにいる訳でもない人が、RPA習得を考える場合、最初に行うべきことは、「プログラムの基礎」を学ぶことです。
ここを押さえずして先に進もうとすると、地盤の緩い土地に家を建てるようなものです。
必ず途中で挫折します。
お恥ずかしい話、私もそうでした。
最初、世界三大RPAツールの一角である会社が提供している学習動画を見ながら、独学で勉強を始めました。
プログラマーがよく言う「100%分かる必要は無い。分からないところは飛ばしていいから、進めていけばいい。」というのを信じて、カリキュラムを2周したのですが、やはり腹落ち感がないのです。
「2周もしているのに、よくわからないのは、やっぱり自分の頭が悪いからなのか!?」と、自己嫌悪に陥ったりもしました。
今なら言えます。
あれは「動画」が悪い!(苦笑)
あれは、プログラミングやそのRPAツールが分かっている人が見て納得するものであり、知識の無い人が見て身に着くように出来ていません。
私のケースでは、VBAのエキスパート資格を取得し、他RPAツールをある程度使えるようになってから見直して、ようやく理解できました。
そのくせ、「〇〇の部分は、特に覚える必要はありません。なんとなくそういったものがある程度の理解で今は大丈夫です。」といった説明が多々ありました。
いやいやいや、それはそこで理解しない(させない)とダメでしょ!と私は強く言いたい。
今の私なら、あの動画より10倍分かりやすいものを作る自信があります!
という訳で、RPAをゼロから学ぶのであれば、プログラミングの基礎勉強は必須ですよ。
具体的にプログラミングの基礎をどう勉強すべき?
結論から言えば、『VBA』を学ぶのが良いでしょう。
VBAとは、「Visual Basic for Application」の略で、EXCELのマクロを作成するためのプログラミング言語です。
英語をベースにした、数あるプログラミング言語の中でも、初級者向けと言われるほど分かりやすいとされる言語でもあります。
実際には、知識ゼロスタートの人にとっては、それなりに難しい部分もあり、かなり高度なことも実現できる言語です。
ただ、私がここで言っているのは、「VBAをマスターしてください!」と言っている訳ではありません。
プログラミングの基礎を理解するための手段として、VBAを使いましょうということです。
プログラミング言語というのは、アルゴリズム(算法)と言われる考え方は共通しています。
違うのは、その表現方法や得手不得手の分野があることです。
ですので、その考え方を学ぶ為にVBAを推奨しています。
VBAの良さは、
・言語の中でも、比較的分かりやすい
・エクセルがあれば、すぐに利用できる
・勉強環境が整っている
といったことが挙げられます。
書店でも、インターネットでも十分な知識が得られるということですね。
場合によっては、同僚にも詳しい人がいて、困った時には教えて貰えるかもしれません。
あと大きな点としては、
『RPAツールとEXCELは切っても切れない縁がある』
ということです。
ほとんどの法人で、事務関係の仕事に従事していれば、なんらかの形でEXCELファイルを使っている場面というのは多いですから。
そのため、多くのRPAツールにおいても、エクセル関連の自動化パーツがデフォルトの状態でついてきます。
とは言っても、それですべてが賄える訳でもありません。
エクセルデータの細かい作業が要求される場面では、やはり餅は餅屋。
痒いところに手を届かせる為には、RPAツールもマクロを使わざるを得ない場面があるのです。
今回はRPAツール習得の為にVBAを勉強する訳ですが、数年にわたりRPAツールと付き合っていくのであったり、RPA上級者を目指す必要が出てくれば、VBA習得が必須になってくる可能性は高いです。
なので、学習が無駄にならないのです。