RPA導入を考え、情報収集していると、
「自社にあったRPAツールを選びましょう!」
といった記述を目にします。
しかし、インターネット上の情報だけでは、自社に合っているのかどうか分からない!という人がほとんどでしょう。
一体、どこを見て決めれば良いのでしょうか?
RPAツールって、どこに違いがあるの?
カテゴリーの違いについては、下の図を見て頂いた方が早いでしょう。
このカテゴリーの違いを踏まえて、
①具体的に自動化したい作業を教えてください
②どの程度の量をRPAで処理したいのか、教えてください
③どの程度お金を出せるのか、教えてください
おそらく、この3つを説明して頂ければ、ある程度絞り込めると思います。
そうはいっても、
「RPAツールによって、得意・不得意があるんでしょ!?」
と思った方もいらっしゃるでしょう。
答えを言えば、「はい、あります。」
詳細をお話する前に、下記の会話を見てください。
RPAツールの営業マンと(ホンネの)話をすると、こんな話になります。
営業マン「WinActorとよく比較されるのは、UiPathというRPAツールなんだけど、一見、あちらの方が安く見えるんだよね。しかし、それは”見せ方”の問題であって、サポートとかを含めて合計すると、金額面での差はあまり出ないよ。」
自分「そうなんですね。性能の違いとかは、どうなんですか?」
営業マン「UiPathの方が、エンジニア向けに作られていることもあって、使い方次第では痒い所に手が届くことも出来るけど、そこまでRPAツールを使いこむ必要がある会社は、稀でしょう。」
自分「ということは、性能面では、あまり違いは無いということですか?」
営業マン「そうだね。現状では本当にマイナーで小さな会社が作ったRPAツールを除けば、出来ることは、ほぼ同じだと思うよ。もちろん、将来的には分からないけど。」
自分「やはり、そう思いますか。自分も同じ意見です。込み入ったことをRPAツールで実現しようとすると、結局他のツールやプログラミング言語を組み込んで対応することになりますもんね。」
営業マン「まあ、RPAツールとAIとの融合は始まったばかりだから、そんなに差は出ないよね。」
自分「ですよね。確かに、画面の見やすさとか、サポート体制といった面では、差があると思いますけど。」
営業マン「そう、その点ではWinActorは、UiPathよりもインターフェースが分かり易くて、初めての人にも向いているんだよ。」
以下、省略。
本当に、RPAツールは、どれを選んでも同じなのか?
「サーバ型」と「インストール型」などのカテゴリーを跨いだ比較は、今回の議題と違うので、省きます。
今、日本の中小企業において、もっとも検討対象となるのは、「インストール型」のRPAツールです。
その中においては、「必要とする自動化が実現できる範囲」という意味では、さほどRPAツールごとの差は無いというのは、多くの関係者が同意するところでしょう。
ちょっと補足させて頂くと、そのRPAツールが得意としている分野であれば、ロボット作成の手間が少ないのです。
例えば、ある作業を行う場合、A ⇒ B ⇒ C ⇒ D ⇒ E という工程になります。
しかし、RPAツールによっては、予めその作業用のパーツが備わっており、A ⇒ E という工程のみで同じ成果が得られるのです。
具体的に言えば、Webからの情報取得・編集とか、マクロに匹敵するパーツが備わっているとか、そういったものです。
話を戻します。
同じ成果物を得られるという意味では、RPAツールの違いは小さいです。
しかし、ご注意頂きたいのは、RPAツールの使いやすさ・習得のし易さは、同じではないという点です。
そして、この「習得のし易さ」というのは、なかなか定義が難しい部分でもあります。
たとえば、勉強材料が、付属のPDFのマニュアルのみで、完全独学を強いられるAさん。
一方、社内にそのRPAツールに精通したスタッフがいて、手取り足取り教えて貰える環境にあるBさん。
さて、どちらが習得し易いでしょうか?
答えを聞くまでもありませんね!?
これは、RPAツールの話ではなく、単純に「環境」の話です。
一般的には、「WinActorの方がUiPathよりも簡単!」と言われていますが、独学でWinActorを勉強するよりも、上記Bさんのように教えて貰える環境が整っているのであれば、UiPathを習得する方が断然容易でしょう。
またRPAツールは、エクセルやワードのように、社外関係者ともそのファイル(シナリオファイル)のやり取りをするということは、通常ありませんから、自社内完結で問題ありません。
そういえば、昔、Windows95の時代にパソコンショップへ話を聞きに行った頃のことを思い出しました。
私「WindowsとMac,どちらを買ったら良いのでしょうか?」
店員「どちらも出来ることは同じですよ。お友達がMacを使っているのであれば、Macをお勧めしますし、そうでなければWindowsの方でも良いと思いますよ。」
当時、「曖昧なことを言う店員だ!」と少々立腹した覚えがありますが、今ならその意味が分かります。
という訳で、あまり良し悪しを一般論で決めつけない方が良いという話でした。