Dog:自称RPAに詳しい友人がさあ、「フローチャート型RPAが、初心者には絶対いい!」っていうんだけど、そうなの?
Robo:フローチャート型!?あぁ、画面表示の話ですね。
Dog:フローチャート型以外に何かあるの?
Robo:スクリプト型と言われるものがありますよ。
Dog:スクリプト型っていうと、あの文字がずらーと並んでいるやつ?
Robo:はい、そうです。
Dog:あれって、プログラミングみたいに自分で打ち込んでいくの?
Robo:いやいや、左右にあるアイコンや文字を選んでいくと、ああいう表示になるだけです。
Dog:そうなんだ。
Robo:はい、なので図で表示されるか、文字列で表示されるかの違いだけですよ。
RPAツールの表示形式による違いとは
■「フローチャート型RPA」とは?
百聞は一見に如かず。
まずは、フローチャート型RPAと言われるものの画像を見て頂きましょう。
これは、WinActorの画面です。
巷で言われるように、実際にどういった流れになっているのか、イメージしやすいのは確かです。
そういった意味では、「初心者・初学者向き」と言えなくはありませんね。
日本三大RPAツールの「WinActor」と「UiPath」は、このタイプになります。
■「スクリプト型RPA」とは?
こちらもまずは画面をみて頂きましょう。
一見すると、プログラミングっぽくて、取っつきづらい印象があると思います。
フローチャート型RPAに比べて、何をやっているのか、初学者や初心者の方には分かりづらいかもしれません。
知らない人が見たら、文章を打ち込んで作っているような印象すらあるかもしれませんね。
実際には、左右にある文字を選ぶと、上記のような表示になり、フローチャート型とやっていることは変わりません。
■「フローチャート型」と「スクリプト型」のどちらを選べばよいの?
一般的には、「初学者にはフローチャート型」という人がいる理由は分かります。
ただ、「初学者には・・・」という部分が個人的に気になります。
RPAエンジニアを職業としてやっている人であれば、複数のRPAツールを使うことあるでしょうが、一般会社員の人が複数のRPAツールを使う必要はないでしょう。
つまり、最初はフローチャート型から始めて、慣れてきたらスクリプト型に…ということはありません。
テスト導入期間であれば、いくつか試してみてから導入というのはあると思いますが、スキルがレベルアップしたので、RPAツールを切り替えるという状況は無いと思います。
では、再度双方のデメリットとメリットをみてみましょう。
「フローチャート型」は、図柄を組み合わせて作成していく都合上、スクリプト型よりも、上下左右に広がり易いのです。
画面を引いて表示することもできますが、そうすると今度はそこに表示されている文字が見づらくなります。
分岐が多分岐だったりすると、これまた画面をはみ出すほどになり、今度はマウスを使っての微妙な動きを強いられるなど、ロボットの作成速度が落ちてきますね。
最初は構造がイメージしやすいというメリットはありますが、プロセスが複雑・大規模になるほど、使いづらくなる傾向があります。
フローチャート型の場合、その表示形式のため、マウスを上下左右に動かさなくてはいけないことが多いことに起因しているのだと思います。
RPAを知らない人に、何をやっているロボットなのかを説明する際には、フローチャートがそのまま使えるというメリットはありますが。
続いて、「スクリプト型」ですが、いくら長いロボットになっても、上下に膨らむ(サブルーチンは除く)だけなので、いつも整然としており、プログラマー出身の人にはウケが良いスタイルです。
もちろん、フローチャート型のように、素人であっても、全体像が一瞬にして読み取れるというものではありません。
スクリプト型を使いこなす為には、この表示形式を頭の中でフローチャート型に変換する能力が問われるというのは事実です。
とはいっても、分岐やループの部分が確実に読み取れれば問題なく、少し慣れるとすぐ理解できるようになります。
むしろ、フローチャート型よりも細かい部分の把握が短時間で出来るメリットもあります。(中身を1つ1つ開かなくても、トップ画面で多くの情報が拾える)
また、これも個人的な感想ですが、習熟度が上がってくるほど、スクリプト型の方がリズムよく作りやすいですね。
恐らく、フローチャート型よりも1画面から得られる情報量が多く、そこまでマウスを広範囲に動かす必要が無いからでしょう。
■結論
結論を言えば、どちらを選んでも、ちょっと時間が経過すれば同じです。
最初の最初は、やや「フローチャート型」の方が馴染みやすいのは確かですが、慣れるに従い「スクリプト型」の方が無駄なくスムーズに作れます。
という訳で、単なる表示形式の話なので、好みで選べばよいでしょう。