今回は、RPA関連のニュースを取り上げてみたいと思います。
<ニュース>
「定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)大手の米オートメーション・エニウェアの日本法人、オートメーション・エニウェア・ジャパンは新サービス「エンタープライズA2019」を発売」(日経新聞より)
Automation Anywhereといえば、世界三大RPAソフトの1つであり、孫正義さん押しの有名なアメリカの会社ですね。
元々、大規模向け、製造業向けでアメリカ市場において、大きなシェアを持っている会社でもあります。
その会社において、RPAの提供方法を「インストール型」から「SaaS型」への移行を試みているようです。
現在のRPAソフトの主流は、「インストール型」です。
理由は、「インストール型の方が多くの作業を自動化できる」からです。
SaaS型のRPAは、同じSaaS型で提供されているアプリケーションとの連携は良いのですが、インストール型に比べて自動化できる範囲が狭いのです。
ただ、世の中の多くのアプリケーションがSaaSになってきている中、このかじ取りは正しいのかもしれません。
というのが、世界中でRPAの導入が進んでいるとはいっても、大企業や公の機関での導入が主であり、中小企業においての導入はこれからという状況です。
その点、SaaS型のRPAは、比較的安価な価格での提供が可能になります。
なので、上手くいけば、そのセグメントの顧客層をがっちり捕まえることが出来、日本においてほとんど存在感の無いAutomation Anywhereのシェアを広げることが可能になるかもしれませんね。
続いて、次のニュース。
個人的には、こちらの方が気になるニュースでした。
<ニュース記事(その2)>
「RPAをすでに利用している企業は73%に上る。しかし本番環境で50以上のロボットが稼働している企業となると、わずか5%にとどまる」と飯尾氏は指摘する。ロボットの開発が難しいために内製化できず、開発が停滞していることが要因だとみている。(日経新聞より)
「RPAはノンプログラマーでも利用できます!」と謳って導入を促し、売ってきたものの、やはり上手く使いこなせている企業は少ないということですね。
RPAは本来、「アプリケーションの橋渡し」として力を発揮するのが魅力です。
RPAはあくまでも、人間がマウスやキーボードを使って行う作業自体を真似るのであり、それ単体で出来ることが、限られています。
例えば、バックヤードの作業にしても、細かい調整まで自動化しようとすると、VBA(マクロ)をRPAの1アクションに組み入れたりする必要も出てきます。
また、ホームページ情報を取りまとめしたいのであれば、今度はHTMLやCSSといった知識も必要になってきます。
という訳で、RPAはプログラミングの知識の有無により、自動化できる範囲が大きく変わってきます。
高機能なRPAソフトほど、その傾向が強くなってきますね。
ただ、最初に挙げた「SaaS」のRPAは、元々できることが決まっていますから、それに当てはまるようであれば、他アプリケーションの知識は必要ありません。
SaaSのRPAの中だけで完結することができ、インストール型だと面倒なロボット作成が必要な場面でも、SaaS型のRPAでは省いてくれます。
ちなみに、RPAのSaaS化はAutomaton Anywhereだけではなく、他のRPAソフト開発会社でも進めているので、気になったらチェックしてみると良いかもしれませんね。