Dog:この前さぁ、幕張メッセでやっていたRPAの展示会に行ってきたんだ。

Robo:へぇ、どうでした?

Dog:うん、知らないRPAソフト会社も結構あって、日本製のRPAも結構あるんだって思ったよ。

Robo:そうですね。全て日本語で日本人向けのインターフェースで、分かりやすそうなRPAソフトが増えましたよね。

Dog:で、いくつかのデモも見てきたんだよ。

Robo:はい。それで、内容はどうでした?

Dog:どの会社も簡単に使える!ってアピールしていたけど、本当なの?画面を見た限りでは、確かにシンプルな造りで難しそうには見えなかったけど。

Robo:確かに、画面は3つくらいに分割されていて、シンプルなアイコンが並んでいて、ただそれを選んでいくだけでしょ!?的なものが多いですよね。しかし、いざロボット作成となると・・・

 

RPA(Robotic Process Automation)は、自動化のツールです。

もっと言えば、「アプリケーションをまたいだ自動化」が売りです。

そして、RPAのソフト作成会社は、「プログラムが出来ない人にも使えるツールです。」と喧伝しています。

 

しかし、現実としては、

①詳しい話を聞くために営業マンに来て貰い、実際にデモを見せて貰ったが、とてもロボットを自分達で作成できそうにないので、導入はやめた。

②とりあえず1ライセンス導入したものの、簡単なロボットしか作成できず、活用しているとは言い難い。

というのが少なくありません。

何故これほど「利用者」と「RPAソフトメーカー」の言う事に乖離があるのでしょうか?

 

■RPAでロボット作成が難しい理由

RPAソフトを利用している人にインタビューをすると、基本2つに分かれます。

それはもちろん、「(RPAソフトの操作が)簡単!」という人達と、「難しい!」という人達です。

 

「簡単!」という人は、SEだったり、プログラマーだったりと、総じてプログラミングの知識・経験がある程度ある人達です。

そもそもプログラマーの人達にとっては、RPAソフトは面白味の無いものだと言われます。

なぜなら、その気になれば、プログラミング言語を使って同じ結果となる自動化が可能だからです。

 

RPAソフトというのは、プログラムに使う言語を覚えることなく、アイコンをクリックして、ちょっとアルファベットや数字を入れていけば、自動化のプログラムが作成できるという代物なのです。

見た目は可愛らしい!?アイコンや名称が並んで、それを積み上げていく訳ですが、コンピュータの内部では、通常のプログラミングと同じ処理がされているのですね。

ココに、RPAが難しい!と言われる理由があります。

ロボットを作成する時、RPAソフトが「次は空欄に数字を入れてください」とか、「次は条件分岐させますので、それぞれの条件を入れてください」といったナビゲートはしてくれないのです。

つまり結局のところ、最初から最後までのフローを自分達で「設計」する必要があります。

言語自体は覚えてなくもいいけど、アルゴリズム(算法)は覚えてね!という訳ですね。

プログラムは、ある種のパズルです。

経験豊富なプログラマーであれば、「あぁ、こういう場合は、ここで変数を使ってインクリメントを1ずつ増やして・・・」といったことがすぐに思いつきますが、今までプログラミングなんてやったことも無い人にとっては、とてもその発想が出来ません。

なので、「難しい。。次に何をすれば良いのかわからない」となるのですね。

 

 

高度にRPAソフトを使いこなそうとすればするほど、結局プログラミングを習得する必要が出てきます。

それにも関わらず、「RPAは簡単!」と言って販売するRPAソフト会社さんに対しては、個人的に賛成できません。

 

もちろん、社内において、「利用者の面倒を見てくれる人」&「プログラミング知識のリソース」があれば、RPAは強力な武器になりえます。

どのRPAソフトを入れ、何台分のライセンスを購入するのか?という問題はありますが、一定規模以上の会社においては、コストパフォーマンスの高い買い物になるでしょう。