「折角、RPAを入れたのだから、少しでも多くのことを自動化したいのです!」

 

確かに、その意見あると思います。

ワンクリックで、流れるように動作が行われる様は、見ていても気持ちの良いものです。

しかし、RPAを推奨している自分が言うのも何ですが、何もかもをRPAで自動化する必要は無いと思っています。

何と言いますか、RPAを入れると、「コレクター心理」みたいな強迫観念に駆られる人がいます。

「もっと集めて、コンプリートしたい!」的な感覚です。

 

RPAを入れるべき個所とは?

RPAの良いところは、時間短縮と効率化です。

なので、RPAを入れるべきところは、

1.RPAで大幅な時間短縮が望める個所

2.人の手でやると、時折ミスが起こる個所(そのミスが起因となり、他作業に大きな影響を与える)

ですね。

 

RPA導入のデメリットとは?

良い点ばかり語られるRPAですが、導入のデメリットも当然あります。

1.導入個所(RPA化)について、万が一止まることを想定し、マニュアルを作成しておく必要がある。
⇒世界に名だたるIT企業であるGoogleやAmazonが運営しているサーバですら、時折止まります。

2.RPAを内製化した場合、詳しい人/ロボットを作った人が退職などでいなくなると、作業自体がブラックボックスになることが多い。
⇒通常の作業ですら、多くの会社でブラックボックス化しているのはご存知の通り。

3.利用環境の変化により、ロボットの微調整や変更が必要になる場合があり、維持の手間が発生する。
⇒処理したいファイルやフォルダの場所を変えるだけでも、RPA側の変更が必要。

4.コンピュータなので、数年に一度程度の頻度で入れ替えが必要となる。
⇒サーバの耐用年数(減価償却)は5年。PCは4年。

 

特に、RPAは導入してロボットを作ったら終わり!ではなく、頻繁ではないにしろハードとソフトの両面でメンテナンスが必要となりますね。

実際、仕事の量を減らすためにRPAを社内に入れたのに、むしろ仕事が増えた!なんて話もあります。

そう考えると、量や頻度を考慮して、どこをRPA化するのか?ということを吟味した方が良いと思います。

システム更改などの時期が近いのであれば、RPAでの自動化ではなく、フロー全体の見直しをした方が良いかもしれません。

やはり、RPAによる自動化の対象は、会社によりけりです。

普通に考えうる自動化については、結構な割合ですでにアプリケーション内に自動化機能が備わっていたりもするものです。

仕様が古いアプリケーションが使っているとか、複数のアプリケーションをまたいだ作業であれば、RPAの出番かもしれません。