ニュースによると、日本においては0.3%しかない「大企業」と呼ばれる資本金・従業員数が多い会社においては、多少なりともRPAが既に導入されているそうです。

そういったこともあり、いよいよ中小企業においても、「RPAの導入を検討している」というところは少なくありません。

日本企業のRPA導入において興味深いのは、人員削減のためのRPA導入ではない場合が多いことでしょうか。

外資系であれば、RPAによって任せる仕事がなくなった人は、解雇の対象となりますが、日本企業では部署異動などで配置換えを行うことが一般的です。

とはいえ、銀行など元々過剰な人員を抱えている場合は、「年間で4000人を削減」といったニュースになったり、事務職だった人が突然SEや営業に回されるといった事態になっており、こちらはある種の首切りに見えなくはありませんが。。

 

中小企業においての「RPA導入検討理由」

余剰人員が多くない中小企業において、RPAは効率化に大きな効果を発揮できるでしょう。

・時間削減
・作業ミス撲滅

従業員一人あたりの生産性をどう上げるか?というのは、経営者にとって切実な問題ですからね。

なので、アンテナの高い会社では、RPAを扱っている会社に問い合わせをされる件数が日に日に増えています。

 

しかし、結果として未だ導入していないというケースも多いです。

その理由としては、

・簡単に使えると聞いていたのに、使えない。(デモを見たが、とても自社の社員でロボットを作れる気がしない)

・ほとんどの作業を自動化できると思っていたが、そこまでRPAは万能ではなかった

・RPAがこなせる作業量と削減できる人件費を考えると、導入に対してあまりメリットを感じなかった

といったものがほとんどです。

 

営業マンの数度の訪問後、多くの中小企業では、「時期尚早として採用見送り」、もしくは「1台だけ試しに入れてみる」というところに落ち着きます。

1台だけ入れみた会社がその後どうなったのか?というのは追い切れていませんが、恐らく少し触っていたものの使われずに放置されているケースもだいぶあるのでは!?と思っています。

NTTのWinActorの最小構成で年間約100万円ですから、とても安い買い物ではないのですが。。

社内にRPAに対して強い興味を持っているプログラミングの知識がある人間がいれば、話はだいぶ変わってくるのでしょうけど。

 

中小企業において、RPAはどうやって導入すべき?

ここからは、個人的な見解になります。

ITサービス全般に言えることですが、サービスを「購入」してすぐに使える、効果を最大限発揮するというものは、まず無いです。

冷蔵庫や洗濯機のように、マニュアルを見ながら、その日からすぐに誰でも使えるというものではないのです。

RPAは特に、「どういったことに利用できるのか?」を正確にイメージするのが難しいサービスだと思っています。

これは実際に触ってみる、導入してみるといったことをしないと現場の人にはイメージしづらいでしょう。

でも一旦導入され、それを目の当たりにすると、「RPAでこれができるのなら、私の部署のあの仕事も同じようにできるのでは?」という勘所が分かってきます。

ホームページで紹介している作業以外に、もっと自社において重要な作業をRPAで自動化できるかもしれません。

その作業全部を自動化できなくても、その一部だけでも自動化できるだけで、大きな成果となる場合もあります。

 

RPAはよく「自動化で時間削減」が強調されますが、個人的に「ヒューマンエラーの防止」というのも同じくらい重要だと思っています。

人間の手が入ると、どうしても一定の割合でミスが起こることは避けられません。

そういった現場目線から社内作業を見直せるのも、RPAに触れて初めて分かることだと思いますね。

という訳で、RPA専属の人を確保、もしくはRPA化プロジェクトを立ち上げることができない環境であれば、本格導入までの「助走期間」を十分にとること、もしくは最初は外注するという選択肢も良いかと思います。