IT業界において、「RPA」というのは、実は賛否両論ある商品なのです。

海外に比べて、特に日本ではRPAが脚光を浴びているのは事実であり、それを不思議に思う人は少なくありません。

 

「RPA」って本当に必要あるの?

まず、RPAに対して否定的な意見を持つ人の多くは、プログラマー経験のある人達です。

「なんで今更、RPAなんてものが脚光を浴びているの? そんなものプログラミングでやればいいじゃん!」

とか、

「RPAで対症療法な対応をするのではなく、基幹系システムの方を修正しましょうよ。」

といった意見が出てきます。

それはある意味正しいです。はい。

 

欧米では、社内にプログラマーを従業員として雇用し、様々なシステムを内製化したり、カスタマイズするという内製化の文化があります。

しかし、日本の企業文化はちょっと特殊で、プログラマーを直接雇用せずに、ベンダーやSIerと呼ばれる会社へ外注するのが一般的なのです。

そのため、ちょっとした社内システムの変更でも、すぐに外注ということになります。

これがまた高額なのです!

よくある話をご紹介しましょう。

 

今使っている社内システムをちょっと変更したく、ベンダーに見積もりを依頼しました。

送られてきた見積書を見てビックリ!

素人考えではありましたが、想定よりもゼロが2つほど多いのです(涙)

その見積もりの根拠を聞いたところ、「その部分を修正しようとすると、全体の見直しをする必要があり、結果として大幅な修正が必要になるのです。」とのこと。

こちらは素人なので、そういうものなのかと思い、我慢しながら使いづらいシステムを今日も使っています。

 

つまり、ちょっとした変更でも、数百万円、数千万円掛かるというのは、珍しくないのですね。

なので、そういった経験をしている人からみると、WinActorなどのRPAの価格は「安い!」と感じるのです。

しかも、納期が短く、内製化が簡単に出来る(ように見える)ため、魅力的に映る訳です。

 

RPAが日本の企業において、必要とされている理由

もう1つ、挙げるとすれば、『日本は市販ソフトに業務を合わせるのではなく、自社の業務にソフトを合わせる文化がある』ということです。

ERP(Enterprise Resouces Planning)と呼ばれる基幹系情報システムというものがありますが、制作元としては、多くの情報を元にベストソリューションとして提供しています。

欧米の多くの法人は、ERPに合わせるべく業務改革を行いますが、日本の法人はERPを自分達の業務に合うよう改悪すると言われています(苦笑)

結果として、いくら導入時にカスタマイズして貰っても、流動的な業務の中では度々変更が必要になってくるものです。

そして、納品後のシステム変更には、ちょっとの仕様変更でもとんでもなくコストが掛かってきます。

現状では、少々の変更に高額なコストを出すことをOKしてくれる会社は少ないので、不便を感じながらも、次の更改時期まで我慢して利用していくことになっているのです。

 

そこにRPAと呼ばれるノンプログラマーにも使える(比較的)安価なツールが出てきました!

RPAであれば、システム会社に外注するのに比べて、ゼロが1つ少ないレベルでの修正が可能になるので、多くの企業が関心を持っているという構図になっているのです。

実際、RPAエンジニアと呼べるレベルの人が社内に1人でもいれば、とても多くのことが自動化できます。

自動化に掛かる時間も、純粋なプログラミングより短時間で終わらせることが出来ます。

ですので、そのうち事務員募集の広告においても、「RPAが使える方優遇」といった但し書きがつくのが珍しく無いようになるのではないでしょうか。