これ、聞く人によって大きく変わるのは、ご存じの通りです。
今回、それぞれの立場から見てみましょう。
1.RPAツールのメーカー
RPAツールを作って売っているメーカーとしては、当然ながら「とても簡単です!誰でもすぐに使えます!」と謳って販売しているところが多いです。
いわゆる「ポジショントーク」ですね。
2.プログラミング経験者
そもそもRPAツールですが、「プログラミングを簡略化したもの」です。
言ってみれば、「プログラミングもどき」といえるツールです。
なので、使ってみると分かりますが、プログラミングの基礎的な知識があることが前提とされた仕組みになっています。
そのため、プログラミング経験者目線で言えば、「ソースコードを書かなくてもいいから楽ですよね。どこに何のパーツがあるのか覚えれば、後は簡単でした。」という発言になります。(実際には、UI要素の扱いなど、それぞれのツールによっての癖もあるので、そこまで簡単ではありません。)
では、多くの学習者を見てきた立場の私から言えば?
3.講師
上記の通り、「人による」という結論になります。
相手がノンプログラマー(プログラミング未経験者)であるならば、「結構難しい・・・というか、覚えることが沢山ありますよ。」とお伝えします。
先程、RPAツールは「プログラミングを簡略化したもの」と書かせて頂きましたが、一般的なプログラミングが一般の人にとって難しいものであるということは、これまたご存じの通りです。
あるデータによると、独学でプログラミングに挑戦した人の「8割」程度は挫折しているそうです。
挫折の主な理由としては、
・覚えることが多すぎる(なので、計画的・継続的に勉強の時間を取る必要があるのだが、それが出来なかった)
・躓いた時に、聞ける人が周りにいなかった(なので、そのままやる気が無くなりフェードアウト)
・プログラミングを使って何をやりたい!という目的が明確ではなかった。(なので、モチベーションが保てなかった)
といったものです。
RPAツールもしかり。
データを取った訳ではありませんが、恐らく適当に市販の書籍を購入して独学でRPAに挑戦した人の「5割以上」の人が挫折しているのではないでしょうか。
RPAツール習得で挫折しないために
脅かす訳ではありませんが、やはりある程度の「覚悟」をもって勉強を始める必要があると思います。
RPAツールメーカーが謳うように、勉強を始めて「簡単」と感じる人は、ほんの一握りです。
その人達は、
・プログラミングの基礎が既にある人
・ITの知識が結構ある人
・パソコンに向かっているのが好きな人
という条件に当てはまる人達であり、多数派ではありません。
多くの人にとっては、「全然”簡単”ではないな」と感じるでしょう。
もし、あなたが、
・プログラミングを嗜んだことはない
・WindowsやExcelの操作が良く分からない
・パソコンの画面にずっと向き合っているのが苦痛
という場合、習得のハードルはかなり高いと言わざるを得ないでしょう。
ただ、RPAツールの勉強は「苦痛ばかりか?」と言われると、もちろんそうではありません。
パズルのような面白さもありますし、今まで手作業で長時間掛かっていたものが、スタートボタン1つで高速処理されていくようになることで、達成感&爽快感を感じることもできます。
もし社内で自動化を任されていれば、このDXが叫ばれる時代、重要な仕事を任されているということ(もしRPAが止まると業務が止まり、手動に戻ることになると効率が大幅ダウンするのですから!)で自己肯定感も高まりますし、そのスキル磨き上げることで自分の市場価値向上にも役立つでしょう。
あと個人的には、ロボットを作成している時、テレビゲームで遊んでいる時と同じような感覚もあったりします。(自動化対象によっては、クソゲーの場合も結構あり(苦笑)
時間の流れも同じく、気が付くと数時間が経過し、「あれっ、もう退社の時間? もう少しやりたいんだけどなぁ。」という気持ちになることも少なくありません。
とまあ、色々書かせて頂きましたが、「(RPAツールメーカーが言うほど)習得が簡単ではないからこそ、使えることに価値が出てくる」と考えることもできますよね。
「自動化」は、どの会社でも増々経営の大きなテーマになってくることは確かですから、RPAツールに習熟することは、皆さんの大きな武器になってくると思います。