言うまでもなく、日本において「WinActor」はNo.1シェアを誇るRPAツールです。
日本においては、「三大RPAツール」に含まれます。
日本の三大RPAツールは、「WinActor」、「BizRobo!」、そして「UiPath」です。
その中でも、WinActorはロボット作成の敷居が一番低いと言われています。
それは本当です。
それなのに、どうして「WinAcotrが苦手!」という人が少なくないのでしょうか?
理由はいくつかあると思いますが、代表的な理由は次の通りだと思います。
「WinActorが苦手」という人が少なくない理由
■WinActorの造りが悪い
「えっ、さっきと言っていることが違うじゃないですか!初学者に向いているRPAツールなんですよね?」という声が聞こえてきそうです。
元WinActorのRPAエンジニアの私が言わせて頂きますが、WinActorはRPAツールとして設計思想が間違っているように感じるのです。
最初のハードルは確かに低いのですが、途中から煩雑に感じる部分が目立ってくるのです。
例えば、1つのパーツでまとめれば良いのに、同じようなパーツが複数あったり、パーツのコピー&ペーストにも微調整が必要だったり、多少なりともスクリプトを変更したりする必要があったりと。。
WinActorの製作者側としては、ユーザーフレンドリーを意識して敢えてそうしているのかもしれませんが、習熟すればするほど、他のRPAツールに慣れれば慣れるほど、首をかしげることが増えるツールなのです。
あと、ユーザーインターフェースが少々野暮ったいというのがあります。
これはノンプログラマーにプログラミングを意識させないことへの配慮から出来たのかもしれませんが、玩具的であったり、ウィンドウの適正配置が難しかったりしますね。
近い将来、大幅なアップデートが行われるという噂がありますが、どうなるのでしょうか。
■教える側が悪い
「WinActorが苦手なのか、それともRPA自体が苦手なのか?」
ここが大事なポイントです。
プログラム経験者であったり、他のRPAツールが使えるのであれば、「WinActorの造りが悪い!」と言っても構いません。
しかし、そうでない場合、教える人が悪いと言えるでしょう。
巷の有料ハンズオンセミナーもそうですが、私の目から見て、初学者向けに出来ていません。
初級コースと言っても、RPAの教育という意味では、ズレていると思います。
これは講師の腕が云々ではなく、そもそもカリキュラム自体がズレています。
何がおかしいのかというと、「RPAにはプログラミング知識が必要なのに、その時間をほとんど取らないこと」です。
そこを省いて勉強しても、早期に行き詰ることは見えており、自分でロボットを作るという目標達成は難しいのです。
では、教える側はどうして、プログラミングの知識を教えようとしないのか?ということです。
それは、「RPAツール提供側がノンプログラマーにも使える簡単なツールです」と謳って販売しているのに、どうしてプログラミングを詳しく教えるのですか?」ということになるからです。
大体、RPAのハンズオンセミナーを開催しているところは、RPAツールの販売もやっています。
また、ハンズオンセミナーで使う資料が、RPAツール制作元からの提供だったりもします。
そういったことから、実は講師もプログラミング知識の重要性は感じているものの、そういった経緯からセミナー内では時間をとって教えることが出来ないという矛盾を抱えて教えているということもあります。
まあ、セミナーの限られた時間の中では、とてもそこまで手が回らないということもありますが。
以上、2つを原因を挙げてみました。
どの分野の勉強もそうですが、特に知識の少ない段階では、教えてくれる人により上達スピードも、好きになれるかどうかも変わってきます。
RPAもだいぶ行き渡ってきました。
その一方で、「やっぱりRPAツールは、そんなに簡単ではない」という認識も広まってきました。
RPAツールの販売も頭打ちになってきた現状もあります。
RPAツール制作側・販売側は、ここからどういった打ち手を見せるのか、注目したいところです。