少し前まで、資金に余裕のある一部の企業に利用が限られていたRPAツールですが、マイクロソフト製のRPAツールである「Power Automate Desktop (for Windows10)」が登場してから、大きく市場が変わってきていることは確かです。
登場前も、(条件付きながら)無料のRPAツールとしては、UiPathがありました。
しかし、エンジニア向けというのか、RPAツールの中でも敷居の高さを感じさせる造りとなっており、「挑戦したけれども挫折した!」という人も少なくなかったように感じます。
UiPathが世界的に評価が高いことは事実であり、否定しませんが、一般業務の中で「UiPathでないと、自動化できない!」ということはまずありませんから、今から学習するのであれば、敢えてとっつきづらいツールを選ぶ理由は無いでしょう。
それにしても、まだまだ十分にRPAツールを使いこなせる人は少ないですが、RPA自体に興味を持ち始めている企業や人の数は、日に日に増えています。
市場としても、この先大きく伸びることが予想されており、自分の会社の社員にもRPAツールを学び、使えるようになって欲しいと考えている経営者は多いでしょう。
ここでは、社員がRPAを学ぶことについて、「経営者」と「社員」の双方から、それぞれのメリットを挙げてみたいと思います。
経営者にとってのメリット
・導入の敷居く、リスクの少ない業務効率アップのDXツールである
⇒業務改善を謳うが、その効果が怪しいツールが多いなか、RPAツールは、目に見える効果を生むことができる日本政府お墨付きのDXツールです。
・自動化された業務は、その業務がある限り、ずっとメリットを享受できる
⇒クリック1つで、処理が高速で終わるようになるため、人件費の削減となります。
どんな優れた社員であっても、転職や定年退職などで、いつかは会社を去ることになります。しかし、その業務とロボットがある限り、効果は続くのです。
・ロボット(シナリオ)を内製化できれば、費用対効果が大きい。
⇒仮に、ベテランのRPAエンジニアを1か月拘束するとすれば、派遣会社に80~100万円前後の支払いが発生します。
さらに、保守も外注となると、毎月数万円~ 掛かってくることになります。
・下手な資格取得よりも、RPAツールを習得してくれた方が目に見えて社内の生産性を上げることができる。
⇒習熟者を一人育てることができれば、そこから更に知識が社内に波及してくれることも期待でき、集団として生産性をアップすることができます。
欧米ではエンジニアを直接雇用するのが一般的ですが、実際、社内にてシステムをある程度内製化できる会社は、国内外を問わず、とても生産性が高いのです。
社員にとってのメリット
・通常業務において、役に立つ「スキル」となる。
⇒単純に、普段自分が行っているPC業務が楽になります。
そして、自身の市場価値を高め、転職活動時においても評価対象にもなりえる技術です。
専属のRPAエンジニアを雇用したいとまでは思わないが、総務や経理といった本業の傍ら、時間のある時に出来る限り社内業務を自動化して貰いたいと考えている企業は多いです。
・ITへの理解度が高まる
⇒RPAツールは、単純にツールの操作方法だけ覚えて終わりとなるものではなく、Windowsやアプリケーション、ネットワークといった複合的な知識が問われます。
ですので、利用していく中で必然的に知識が増えていきます。
今後、どの職を選ぶにしても、ITの基礎知識は必須であり、ブラッシュアップしていく必要があるので、一石二鳥となります。
・RPAは、「プロセスの自動化」であり、社内での評価が高まる
⇒業務を自動化しようとすると、その業務に対する理解が必須になります。
その中で、単純に今、手作業行っている部分をRPAに置き換えるだけでなく、よりプロセス全体の効率化を提案できる場合があります。
そこまで業務への理解度が高まっていれば、業務改善を検討する際に同席を求められることが増えたりと、社内において「代わりが利かない人」と認識されるようになってきます。
弊社の「PAD e-Learningサービス」のお申込み状況
サービス開始当初は、「RPAのレッスンを受講する機会が少ない、地方の民間企業にお勤めの方向けのサービス」になると考えていました。
しかし、サービス開始4か月程のお申込み状況をみてみますと、思いのほか、東京に会社がある大企業の方々からのお申込み割合が多いのに驚きました。
また、一般企業以外に、「県庁」や「学校法人」にお勤めの方からの申し込みも複数あり、一定規模以上の企業や機関でRPAツールが広まっているのを感じます。
あと、部署でいえば、純粋な事務職の方よりも、情報システム部に配属されているといった方が多いようです。
ただ、「プログラミング未経験者でも理解できる」ことをコンセプトにレッスンを作成していますので、仕事でパソコンを長時間使うすべての方に、ぜひ学んで頂きたいと考えています。