私、過去にいくつかRPA関係のレッスンを受けたことがあります。

最初に受けたのは、UiPathの無料オンラインレッスンでした。

今はどうなっているのか分かりませんが、当時は英語版に日本語字幕がついたタイプのもので、とりあえず動画全部を2周したのですが、腹落ち感がなく、結局自分でロボットが作れるようにはなりませんでした。

今思えば、「(プログラミングの基礎部分は、)あまり気にしなくて構いません。」といった動画内の説明を真に受けて、変数における型の理解も不十分なまま、動画を進めてしまったことが原因だったと思います。

 

そのあと、NTTのRPAツールである「WinActor」の研修を受けました。

最初に自腹でレッスンを1回、そのあと会社の研修で中級・上級をそれぞれ1回ずつの合計3回。

元々私は、事務職出身ではなかったこともあり、実際にどういった業務を自動化するのか?ということもわからず、とりあえず目の前の課題を通してWinActorの理解に努めました。

それから実際に現場に入り、数多くの業務を自動化してきました。

 

振り返ってみて。。。

まず、集団レッスンで用意されている課題・テキストは、WinActorの販売元であるNTTデータが作成しているのです。

そのコンテンツについて正直な感想を言えば、冊子の厚みも中身も薄いレッスンだと感じました。

NTTデータ側のテキスト製作者を擁護する立場でいえば、限られた時間と参加者の足並みを揃えるために進行がスローになる集団レッスンにおいては、そもそも制限が多いため、多くのことを盛り込めないというのはあると思います。

また、あくまでも「WinActorの操作方法」のテキストなので、実践的なロボット作成のコツとか、プログラミングの基礎学習といった内容を盛り込むのも難しかったのでしょう。

仮に私が同じ制約の中、レッスンの講師をやったとしても、受講者の満足度はたいして変わらないものになってしまうだろうことは、否めません。

 

次に、私が働いていた会社で受けた研修ですが、正直おざなりでしたね(苦笑)

研修というよりは、自習といえる内容で、問題用紙とWinActorをにらめっこしながら、一日中パソコンの前でカチカチやってました。

後半の問題は数合わせで作ったのか、コマンドプロンプトを使わなくては解けない問題だとか、RPAツール以外の知識がないと太刀打ちできないような問題、絶対現場で使わないような問題も混ざっていましたね。

今思えば、「現場にはいっているRPAエンジニアからのフィードバックは、反映されていないのかな!?」と思わされるレベルの完成度でした。

また、受講後の解答説明も満足にされず、理解するのが困難で、とても非効率な研修だったことを思い出します。

基本、自分の頭で30分程度考えても分からない、もう調べる先や項目も思い浮かばないという場合には、人に解答を聞いた方が良いと思いますね。

 

さて、そんな2つの研修経験と現場経験のズレを感じ、「自分だったら、こんな講義をするのになぁ」と思った集大成が今回のe-Learningになります。

もちろん、すべての人が100%満足するというレッスンは存在しないと思います。

それは、受講者各々の正確な「知識レベル」と「具体的に目指すもの」が分からないからです。

初級者といっても、スタートのレベルはピンキリですし、自動化したい対象業務もバラバラです。

社会人一年目でWindowsの操作自体もよく分かっていない人もいれば、経理で10年以上働いていてExcelの使い方に関しては、私以上に詳しいといった人もいるでしょう。

ですので、今回のレッスンは、満足度の最大公約数が取れるように!と考え、以下の内容を重視しながら作成しております。

 

<初級コース作成において>

①本当にプログラミング知識ゼロの人を対象とした内容とする
⇒RPAツールは、メーカーが謳うような「ノンプログラマーでもすぐに使えるツール」ではなく、どうしてもプログラミングの基礎知識が必要になるため、RPAツールの説明の前に時間を取る。

②プログラミングの知識に関しては、必要最低限に留める
⇒受講者はプログラミングを勉強したいのではなく、RPAツールを使えるようになりたくて受講しているので、必要最低限の内容とする。

③1つの大きなロボット作成ではなく、小さなロボットを沢山作る内容とする
⇒ロボット作成を突き詰めると、小さなロボットの組み合わせである。そのため、実際のロボット作成においては、「どれだけロボット作成の定石を知っているか?」が大事になってくる。

④自走力も身に着けて頂く
⇒解説動画の内容が本当に理解できているかどうかを試す「宿題」を用意。RPAによるロボット作成はパズルの要素があり、実際に頭を使って、「どう組み合わせたらできるか?」を考えることはとても大事。

⑤動画であることのメリットを活かす
⇒専門書における勉強全般に言えることだが、ある程度の前提知識を要求されることが多く、読み続けていても全然頭に入ってこないことも少なくない。その点、動画での解説では情報量が多いため、置いて行かれることも少ないし、巻き戻すことも出来るため、誰にとっても理解しやすい。そのため、解説はなるべく端折らないようにもする。

⑥効率を重視した内容とする
⇒すべてのパーツ(アクションのこと)を説明するのではなく、よく使うパーツをさりげなく課題に入れ込みながら、自然に使いこなせるようにリードしていく。実際、通常の業務自動化において、3分の1近くのパーツは使う機会がないと思われるため。

⑦仕様変更に合わせて、更新する
⇒Power Automate Desktopは、知らないうちに微妙な仕様変更がされているため、気づき次第、テキストや動画を更新していく。

 

 

<中級コースにおいて>

①初級コースでは、RPAツールやプログラミング的思考に慣れることに重点を置いているが、中級編では実践で役に立つテクニックや考え方を紹介していく
⇒独学では身につかない、値千金な実践的ノウハウを解説する。RPAを「個人利用」ではなく、「社内利用」する場合には、そのロボットの設計思想自体が異なってくる。作成の段階から、「将来、自分が異動や退職などでいなくなる日」を想定し、他の人に運用・管理を任せることが容易なロボット作成をしておく必要がある。

②単にロボットの作り方だけでなく、運用していく中で必要となるドキュメント作成にも触れる
⇒上記①とも関連するが、個人利用ならともかく、社内での利用においては、運用・管理に適切な記録を残しておくことは、とても大事である。

③RPAツールのバージョンアップに対応していく
⇒更新頻度の早いPower Automate Desktopにおいて、追加される新機能を使った問題も随時追加していく。動画配信サービス利用ならではのメリットを活かす。

④RPAツール以外に、VBA(エクセルのマクロ)の利用方法も解説
⇒Power Automate Desktopは、Excelにおけるパーツが多くないため、編集内容が複雑であったり、処理速度を重視する場合、どうしてもマクロを使う必要が出てくる。精通する必要はないが、インターネットから必要なコードを探して来て、転用できる技術は重宝する。

⑤初級・中級コースをあわせて、基本的な機能の解説を網羅する
⇒人によっては、Webスクレイピングなどは全く必要としないかもしれないが、「RPAツールにおいて自動化出来る範囲」を知っておくことは、RPAの可能性を広げる。

⑥初級・中級コースの内容を習得することで、一般的な業務自動化に十分対応できるようにする
⇒このコンテンツ習得後には、改めて他社のPower Automate Desktop関連の書籍を購入したり、セミナーに参加する必要性を感じないレベルに到達できるようにする。

 

以上、e-Learningのコンテンツ作成において、意識しながら行ったことを挙げてみました。

皆様のニーズや考え方と合っていれば、幸いです。