「RPA」は、IT系のビッグワードの1つとして、日増しにその勢いは強くなっています。

「工場の自動化の次は、事務の自動化だ!」と言わんばかりに。

RPAソフト提供会社も、「ノンプログラマーでも大丈夫!」と謳っているので、その言葉を真に受けると夢のようなサービスだと勘違いしても仕方がありません。

少子高齢化による人不足からも、いち早く導入を考える経営者も多いでしょう。

経営者には、考えるより先に動く人も多いですから!

その結果、RPA導入の落とし穴に落ちる人が後を絶ちません。

その落とし穴とは?

 

「導入時」に直面する落とし穴

1.ロボットの作成に時間がかかる&利用部門がロボットを作れない

「簡単にできる!」というRPAソフト会社を信じて現場に任せたところ、1か月経っても使っている風にない。

従業員に進捗を聞いても、「いや、いま忙しくて。。」と煮え切らない返事。

その「忙しい」を解消するために、用意してやったのに!と経営者の方は考えているかもしれません。

「最初は分からなくても、いじっていればそれなりに使えるようになるのでは!?」と考えてしまいがちですが、ワードやエクセルといったソフトとは勝手が違うのです。

まだRPAは黎明期ということもあり、「使い方」という点で言えば、本屋やインターネットを見ても素人向けに十分な情報が出回っているとはいえない状態なのです。

そのため、プログラミングの素地が無い人に任せても、時間が掛かるばかりで、ロボット作成が一向に進まないという状況はよくあるのです。

任された方も、「何から手を付けてよいかわからない。教えてくれる人いないし。それより目先の仕事を優先しよう」となりがちなのです。

それでも責任感の強い人であれば、残業してでも進めようとしますが、もう本末転倒といえるかもしれません。

業務効率化で仕事を減らすためにRPAの導入を考えたのに、結果として仕事が増えているのですから!

 

「運用時」に直面する落とし穴

1.ロボットが止まる&メンテナンスできない

一度作成したロボットが止まるというのは、それほど珍しくありません。

お客様の目の前でテストをし、問題なく動いたので安心して納品したのに、翌日の本稼働or数日後には、途中で止まるようになった。

もしくは、不規則に止まる。

これはあり得ます。

フローは間違っていないのに途中止まるというのは、アプリケーションやブラウザが原因であることが多く、微調整を入れてやる必要があります。

その際に、「なんとなくロボットを作れた」というレベルだと、パラメータやエラー表示の意味が分からず、何をしてよいのかわからないということになるでしょう。

 

2.ロボットが間違いを犯す

「ロボットが間違いを犯す」と言っても、AIが絡んでいない現状のRPAでは、ロボット自体が間違いを犯す訳ではありません。

フローの設計が間違っているか、読み込ませたデータ自体が間違っているかのどちらかでしょう。

それ以外の不具合が起これば、RPAはエラーで止まり、処理しませんから。

中でも厄介なのは、フローの設計ミスでしょう。

エンジニア側も「現場の言われた通りに作成した!」はずでも、アウトプットされるデータにミスがあると、RPAが悪い!とされるかもしれませんね。

現場の方ではあまり意識せずに処理していることでも、RPAには明確なフローとして落とし込む必要があります。

RPAで起こるトラブルの大半は、稀に起こる事象をロボット作成者に伝え忘れるといったヒューマンエラーを起因としているものがほとんどです。

残念ながらこういったことは単に気を付けて・・・で解決できる話ではありません。

人間の脳の仕組みとして、ヒューマンエラーは仕方がないと考え、対処策をスキームにいれるべきです。

ですので、RPA導入後もしばらくは結果を人間が目視で確認する作業を是非入れたいところですね。