一言で「RPA」といっても、大きく分けると2つあります。

PCやサーバにインストールして利用するタイプのもの。

こちらは「インストール型RPA」と呼ばれます。

一方、インターネット上(厳密にはどこかのデータセンターに設置)にあるサーバに入っているRPAソフトを利用するタイプのもの。

こちらは、「クラウド型RPA」と呼ばれています。

それぞれに一長一短ありますので、自社の利用方法に合うものを選んでご利用頂ければと思いますが、今現在のRPA市場で言えば、前者の「インストール型RPA」が主流です。

 

 

では、今回は「インストール型RPA」を例にとって話を進めていきます。

RPAを自社導入する費用項目

「クラウド型RPA」において、簡単に言えば2つ必要になってきます。

 

■パソコン/サーバ

パソコン(PC)、もしくはサーバと言われるコンピュータが必要です。

そのコンピュータに、RPAソフトをインストールして利用します。

ちなみに、「パソコン」と「サーバ」の違いは何か?と聞かれれば、中身は同じコンピュータで、用途とスペック(仕様)が違います。

一般的にネットワーク上では「クライアントPC(従)」と「ホストサーバ(主)」といった関係が出来上がっています。

つまり、1台のホストサーバに対して、複数台のクライアントPCが問い合わせを掛けて、情報を取得する。

そんな関係があります。

 

そして、ざっくり言いますと、

RDA(Robotic Desktop Automation) ⇒ パソコン

RPA(Robotic Process Automation) ⇒ サーバ + パソコン

となります。

 

RDA、またはRPA用のパソコンですが、今社内にあるPCをそのまま使っても構いませんが、出来る限りRDA&RPA専用としてキープしたいところです。

というのは、ロボットの内容によっては、RPAの作業が走っている最中に他の作業を手動でやると、自動化の作業が止まることがあるからです。

また、将来的には「RPAは一人一台」の時代になるかもしれませんが、現状ではコストパフォーマンスが悪いので、部署や社内で共有した方が良いでしょう。

 

では、新規にRPA用のパソコンを買う場合、どういったPCやサーバを選べばよいのでしょうか?

まあ、スペックについては高ければ高いほど良いのは確かですが、あまり高いものを買っても持て余すだけですので、ミドルスペックと呼ばれる一般的なPCで良いかと思います。

ハイスペックで動かしても、必ずしもリソースの100%を使う訳ではありませんので。

それでも敢えて答えるとすれば、

・Windows10が入っている

・メモリ8GB以上

・CPUはIntel Core i5以上

で充分かと思います。

上記のスペックであれば、10万円前後で買えると思います。

パソコンの耐用年数(減価償却)は「4年」。サーバは「5年」となっています。

なので、コンピュータ購入のコツは、ハイスペックなものを買って長く使う!のではなく、その時のミドルスペックを買って適時買い替えるのが、コストパフォーマンスとして良いと思います。

サーバタイプのRPAツールを利用する場合、各メーカー側で推奨スペックを教えてくれると思いますので、それに合わせましょう。

 

 

■RPAソフトウェア

問題は、こちら側でしょう。

世の中に出回っているRPAソフトのほとんどは「年間ライセンス」となっています。

分かりやすいところで、日本で最も売れていると言われる「NTTのWinActor」を例にとると、

●フル機能版 (ロボット作成 + 実行機能)⇒ 約90万円/1年間(税抜き)

●実行版 (ロボットの実行のみ) ⇒ 約25万円/1年間(税抜き)

となっています。

社内において、1台だけあれば良いというのであれば、「フル機能版 ×1」の約100万円(税込み)。

5台利用したいというのであれば、「フル機能版 ×1」+ 「実行版 × 4or5」の約240~270万円(税込み)。

もちろん、年間ライセンスなので、これを毎年払い続ける必要があります。

ちなみに、WinActorが特別高い訳ではなく、世界三大RPAソフトといわれる「Automation Anywhere」や「Blue Prism」などはもっと高いです。

まあ、当然安ければ安いほど良いという訳でもなく、RPAソフト毎に使い勝手や得意分野が少々異なります。

そのため、社内導入に当たっては、RPAソフトありきではなく、「RPAでどの部分を自動化したいのか?」をハッキリさせてから、RPAソフトの選択をした方が良いでしょう。

社内にRPAを導入する目的は、「社内にRPAを導入すること」ではなく、「業務を自動化し生産性を上げること」ですから!

目的と手段を間違えないようにしましょう。