AI-OCRセミナーの話題は、今回が3回目となる訳ですが、上手くいっているケースの紹介もあったので、お話しておきたいと思います。

 

導入したのは、とあるオーダーメードのスーツ販売を行っているお店。

このお店の最大の特徴は、クラウド上に自分の体型データを保存することで、あとはいつでもどこでもワンタップで自分に合うオーダーメイドの1着を作ることができる点。

導入前までは、お客様の採寸を行った後、店員が紙に書いた寸法を打ち込みなおし、データをクラウド上へアップロード。

これが結構時間のかかる作業で、月間150時間ほどの残業が発生しており、経営側としては課題となっていました。

そこに、「AI-OCR」を使って、作業効率化を試してみた!ということです。

結果から言えば、「大変満足しています!」とのお言葉を頂くほどの成果が出たそうです。

 

■AI-OCRを導入して変わったこと

導入前は、データ入力に15~20分程度かかっていたのが、今ではスキャナーに記述した紙を読み込ませるだけ。

しかし、データ入力の作業と時間が無くなっただけで、そんなに会社経営に影響があるのでしょうか?

数字で言えば、AI-OCRに切り替えてから、「アンケート回収率が10倍」、「顧客満足度が1.5倍」になったそうです。

マネジメント層から見た店舗スタッフの働きぶりは、データ入力作業から解放されたことで、時間的余裕だけでなく、心の余裕まで生まれたように見えるそうです。

具体的には、お客様に対して「どうしたらもっと喜んでもらえるか?」ということを考える時間が増えたようで、接客業だからこそ、スタッフの精神面がそのままお客様に伝わったのでしょう。

 

実際、多くの職場でも忙しすぎると、業務に対する不満はあっても改善案というのは、なかなか出てこないものですよね。

日々の仕事に追われて、根本的な改善策を考える時間もなく、また改善案を実行する時間すらもったいなく感じ、結果として誰も意見を上げてこないというのは、珍しくないでしょう。

もし、意見を上げようものなら、そのプロジェクトリーダーに任命され、今の作業を続けながらスキームの発案や社内調整をすることになり、とてもエネルギーを使いますからね。

トップダウンで、半ば強制的に変更しないと、ずっと悪習慣が続くことになるでしょう。

 

■AI-OCR導入は簡単!?

実は、AI-OCR、とても導入はし易いサービスなのだそうです。

というのは、今ある社内フローの一部を切り取って、そこを差し替えるだけですから。

打ち込み作業の部分が、「スキャナーで読み取り」と「RPAで打ち込み」に変わるだけなので、社内に大きな混乱をもたらすものでは無いのです。

もちろん、識字率やRPAとの連動の部分でベンダーの力を借りることになると思いますが、導入に掛かる時間もシステム更改などに比べて短く済みます。

入力時間を時給計算し、AI-OCR導入の方が安いか同等であれば、導入することで「お客様満足度」はもちろん、「従業員満足度」の両方を向上させることが出来る余地は、多くの会社でありそうです。

今後、ますます1枚当たりの単価が下がってくると思いますので、導入する会社やお店は増えてきそうですね。