「今、手作業でやっていることを、単純にRPAで自動化できればそれでいい」

 

確かに、そうなのですが、実際には当初考えていたほどすんなりといかなかったり、折角自動化するのだからもっと効率的にしてはいかがですか?と提案することも少なくないのです。

ここでは、その両方の面からお話してみましょう。

■RPAによる自動化がすんなりいかないケース

これは、RPAエンジニア側にとっての問題となります。

当初、自動化の依頼されていたアプリケーションを見た時、「あぁ、これなら●●日くらいあれば、問題ないだろうな」と考えたとします。

単純に、RPAツールに備わっている機能を使っていけば、特に問題ないだろうと。

しかし、実際にRPAツール上で、該当のアプリケーションを動かしてみると、上手く動かない(汗)

実際ここ数カ月、自動化をご依頼頂いた案件において、結構ありました(苦笑)

大きな会社の案件ほど、よく出くわします。

RPAツールが上手く動かない原因はいくつかあります。

①自動化対象のアプリケーションの造りが古くて、RPAの機能を上手く活かせない

RPAツールにおいて、画面上の「ボタンを押す」という作業は、通常簡単に実現できます。

しかし、RPAツール側でそのボタンを上手く認識できないというケースが存在するのです。

これを事前に知ることは難しく、実際にRPAツール上で該当のアプリケーションを動かしてみないと分からないケースもあります。

そして、こういったRPAによる自動化に向いていないアプリケーションに直面すると、ロボット作成の工数が倍増し、通常の倍以上の作業時間が掛かるのです。

 

②パソコンの利用環境が特殊で、RPAの機能を上手く活かせない

なんだか上記①に似ていますが、少々異なります。

上記では、対象が「アプリケーション」でしたが、ここでは「社内ネットワーク」が原因になっています。

中小企業だとあまり無いのですが、大企業になればなるほどセキュリティの観点から、リモート接続や仮想デスクトップ環境での利用率が上がってきます。

時代の流れからも、今後より一層普及していくのでしょうが。

 

ここでも上記①と同じような現象が起こりやすくなってきます。

つまり、RPAツールに備わっている機能において、かなり制限が掛かってきたり、ロボットが不安定になってくるのです。

そのため、想像力を発揮したり!?、画像認識機能を多用してロボットを作っていかなくてはいけない状況になってくるのです。

そんな紆余曲折を経て、結果としては自動化という依頼目的は達成できることがほとんどですが、自動化された画面をお客様目線から見ると、「なんでロボットはこんな面倒な動きをしているのだろう。ただ該当の項目を選べばいいだけじゃん?」と映ることもしばしばだと思います。

まあ、このあたりの話は、お客様には関係の少ない話で、エンジニア側の苦悩と工夫という話になります(苦笑)

とりあえず、RPA導入の際には、上記のようなことがあり、「RPAによる自動化ってのも、結構大変な(ことも多い)んだね。」ということがお分かり頂ければ幸いです。

 

■RPA自動化の中で出てくる効率アップの話

①業務の棚卸による効率化

今まで長年手作業で行っていたことを、いざRPAにて自動化しようとすると、作業のそれぞれの意味を確認するということになります。

ロボット作成の過程において、RPAエンジニアから、色々な質問が出てきます。

「このボタンを押したら、どういったことが起こるのですか?」

「ここでは、いくつのパターンがあるのですか?」

「こういったケースは起こり得ませんか?」

・・・・

そういった質問の中で、お客様から、

「あー、それは昔の名残りで、確かに今はもうその機能(作業)は必要ないなぁ。」

ということが多々あるのです。

そうなると、業務がよりスリムになってきて、無駄が減ってくるのです。

②RPAだから手間を惜しまずできること

Excelにおける作業1つとっても、人間が行うとなると、面倒なことは避けたいものです。

例えば、転記を行った場合、指定のセルに「自分の名前」と「入力日」などを入れておくといったルールがあったりします。

これが1つや2つであれば、まだ良いですが、相当数のシートを処理するとなると、無駄に時間を取られたり、そのルール自体が形骸化するというのも少なくありません。

その点、RPAツールでは、ユーザー側の意思に関わらず、確実にその処理を行うことが出来るのです。

とりあえず、言語化できる明確なルールが存在するのであれば、RPAロボットに反映させることができます。(とても複雑な場合は、現実問題として、RPAに処理させない方が良いというケースもあります)

逆に言えば、明確なルールとして言語化できないものは、RPAでは実現できませんので、自動化を機会にルール造りを行う、簡素化するということがロボット造りと並行してよく行われますね。

 

■ロボット作成を通じて(総括)

業務への理解というのは、RPAエンジニアとしてどうしても必要になってきます。

実は私も当初は、「ただ、手作業をRPAツールに置き換えればいいだけでしょ!?」と考えていた時期もありました。

しかし、第三者的な視点で、純粋に担当者の方へ質問するのが、業務見直しの良い「きっかけ」になるようです。

今まで意識してこなかったことが、RPAエンジニアからの一言で、「その作業は要らないなぁ」といった気づきがある一方、「これって、RPAで実現可能?可能ならやって欲しいんだけど。」というのも当然出てきます。

担当者の方も、ロボット作成を横目に質問を受け答えしていく中で、RPAへの理解が深まっていき、出来る・出来ないの勘所が分かってきます。

ですので、大体のご要望は実現可能なケースが多いですね。

とはいえ、他社さんは最初の取り決めと異なる作業は一切やらない、もしくは見積もり金額に追加となるところが少なくないですし、大きな会社ほどそういった線引きを明確にして社員を管理しておかないと、後々問題になりかねないというのも理解できます。

作った以上は、そこに責任が発生しますからね。

しかし、弊社としては、リアルタイムでそういったご要望に対応することは、エンジニアのスキルアップにも繋がりますし、お客様の満足度も違ってきます。

なので、少しでもRPAがエラー停止すると業務に大きな影響を与えるとか、納期がシビアで下手をすると支障が出るといったシチュエーションでなければ、今後も色々とご提案・対応していきたいと考えています。