お恥ずかしい話ですが、最近、某税理士事務所の所長様からお叱りを受けました。

所長様とRPAについてお電話でお話しさせて頂いたのですが、行き違いもあり、業界についての勉強不足をご指摘頂きました。

 

そもそもの行き違いは、

私「現在、(PC上で行われている)手作業を自動化できます!何かありませんか?」

所長様「現在、RPAで自動化は、何ができるのか?」

といったことで、話が噛み合わない個所があったのです。

 

つまり、お客様側としては、「何がRPAで自動化できるかわからないので、提案して欲しい!」というスタンスでした。

一方、私の方は単純に「手作業にてマウスとキーボードを使って行っている部分を自動化します!何かありますか?」とお話していたのです。

そこで具体的な自動化案件が出せなかったので、お叱りを受けたということです。

業界について勉強不足と言われれば返す言葉もありませんが、今思えばその「提案と質問」スタンスの違いからご説明、理解して頂くようにすべきだったと反省しています。

 

自動化の提案はできるのか?

「同業他社さんではこんな自動化をしているようですが、いかがですか?」といったお話は、当然できます。

しかし、本当に自動化が必要な個所というのは、その会社独自のものだったりするのが実情です。

多くの人が自動化を必要とする機能については、既に多くのアプリケーションに実装済みだったりするのです。

上記の所長様は、結構大きな税理事務所を経営されていたのですが、ご自身がパソコンを使ってアレコレするという立場にはいらっしゃないこともあり、手作業で繰り返し行うことでストレスになっている業務をお聞きしてもピンとこなかったようで、「そちらから提案してくれ」という流れになってしまったのです。

なので、もし社内の自動化を考えるのであれば、毎日パソコンを前に長い時間パチパチやっている方の意見も吸い上げるべきだと思います。

RPAの導入を検討するにしても、お客様側の担当者がそのあたりの実情、具体的に言えば「何の作業に、何人が、何分程度掛かっているのか?」といったことを把握していないと、効率的な自動化というのは困難ですし、そもそも「うちには敢えて自動化しなくてはいけない業務はない」という間違った結論になりがちです。

 

確かに大企業のように、「RPA導入が前提」になっており、どこから手を付けていくのか?という話になっているのであれば、コンサルタントやツールを導入して進めていくというやり方も良いでしょう。

しかし中小企業の場合、そこまでしなくても、いわゆる「現場の意見」を募れば、自動化されると助かる!と思われる作業のいくつかはすぐに出てくるはずです。

 

実際、保険代理店の社長様とRPAについてお話させて頂いた時には、社長ご自身がパソコンを使って行う作業が多かったこともあり、「これもRPAで自動化できませんか?」といった具合に沢山の案件が出てきました。

また、私が某自動車メーカーでRPAエンジニアをしていた時には、自動化案件ごとに「課長」や「主任」と「実際にパソコンを触るスタッフの方」を入れて打ち合わせをしていました。

そうすることで、単に今の作業をそのまま自動化するのではなく、「こういう自動化の方がより便利になる」といった提案や判断もすることが出来ていました。

 

これからRPAを導入しようかどうか検討されている方へ

確かに一部業務では、「営業からの提案ありき」でお話もできますが、あまり効率的ではなかったりします。

それよりは、「今、自社にあるこういった作業で、打ち間違いや読み間違いをすることが時折あり、ストレスになっている。」とか、「繁忙期には、作業量が倍以上になり、毎日営業時間内に終わらず、嫌になっている。」というようなお話を数多くして頂いた方が、お役に立てると思います。

そのためにも、実務に携わっている方の意見を集めてください。

もちろん、弊社スタッフに「最初の段階から、自動化する作業の取捨選択の場に入って欲しい。」というご希望であれば、立ち会わせて頂きますので、お気軽にお申しつけください。