RPAに対する「期待&思い込み」と「現実」

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「RPA」の導入は、社内の仕事を劇的に変えてくれる可能性があるのは、確かです。
しかし、「RPA」は発展途上のサービスであり、「強み」と「弱み」を理解した上で、適材適所に導入する必要があります。

 

それでは、よくある<導入前の期待&思い込み>と<現実>をみていきましょう。

何でも自動化できる!

⇒(現実)PCを使った部分的な反復作業のみです。

作業の回数は100回でも1000回でも簡単かつ正確に繰り返すことができますが、あいまいな条件によって選択が異なる作業が入るといったことは、現状のRPAは苦手です。

ただ、一連の作業すべてを自動化しなくても、一カ所だけをRPAで自動化することでも、作業時間の大幅削減、人的ミスの撲滅は可能です。

 

誰でも簡単に使える!

⇒(現実)使いこなすには、プログラミングの素養が必要です。

出来上がった「ロボット」を使うのは、もちろん誰でもできますが、そのロボットを作成するハードルは低くありません。

RPAツールの販売会社はこぞって、「ノンプログラマー(プログラマーではない人)でも、利用できます!」と謳っていますが、単にプログラム言語を覚えなくてもよいだけです。もちろん、この部分の負担軽減効果が、とても大きいのは間違いありません!

しかし、プログラミングの工程における「コーディング」以外の部分の知識はやはり必要で、それが無いと社内運用に耐えるものは作れません。

 

片手間で導入できる!

⇒(現実)専任の人、もしくはプロジェクトを立ち上げる必要があります。

それぞれの部署にRPAソフトを配って、後は自主性に任せる!といった導入をして高い買い物になった会社は数知れず。

RPAはまだまだ発展途上であり、書籍はもちろんインターネットにさえ、操作方法に関しての十分な情報が出回っていません。

そんな状態ですので、通常の業務がありながら、空いた時間に独学でRPAを勉強/ロボット作成もする!というのは、現実的ではないと言えます。

社内に誰かRPAツールに詳しい人がいないと、満足のいく結果は見込めないでしょう。

 

導入費用の元はすぐ取れる!

⇒(現実)導入するPRAソフトと自動化作業の内容によります。

多くのRPAソフトは、年間契約になっています。日本三大RPAツールと呼ばれる知名度のあるRPAツールを複数台で稼働させるとなると、毎年数百万円~もの費用が掛かってきます。

それだけの人件費削減/業務効率化が期待できるのか、充分な検討が必要です。

あと、RPAをインストールする専用PCを用意したり、スタッフの教育費用も考慮し、導入と運用方法を検討する必要があります。

 

メンテナンスは不要!

⇒(現実)頻度はともあれ、メンテナンスは必ず必要となります。

同じ自動化でも、Excelのマクロ(VBA)のように、一度完成したものは「ほぼメンテナンスフリー」とはいきません。

RPAツールで自動化のために作られたロボットは、想定外のことが起こると、エラーとなって作業が止まります。エラーが発生する度に、それに対応するべく設定変更をしたり、「例外処理」を付け加えたりしながら、運用していくことになります。

ロボットの作り方によっては、Windowsの大型アップデートや、ホームページのレイアウト変更といった、こちら側の都合ではない環境変化にも対応していく必要があります。

また、現在主流のRPAツールは、PCにインストールして利用するタイプのものです。ですので、PC自体のメンテナンスも考慮する必要があります。

 

 

RPAは複数台導入しないと効果が無い!

⇒(現実)RPAの使い方によります。

社内においてVPNやオンラインストレージを上手く利用すれば、本社だけなく支店の作業までもRPAがインストールされた僅か1台のPCだけで処理でき、多くのルーチンワークを自動化できるでしょう。

むしろ、導入当初は1台入れてみて、「どこまで自社の業務にRPAが適用できるのか?」、「どれほどの費用対効果が見込めるのか?」といった様子を見るくらいの方がよいでしょう。

その中で、RPAのパソコン稼働率が70%を超えるようになったら、もう1台追加するといった運用方法で良いと思います。

 

ロボットは専門の人に作って貰えばよい!

⇒(現実)会社の規模や業務内容によります。

社外のRPAエンジニアやシステム会社に任せれば、確かに完成度の高いロボットが納品されます。

社内の特定業務において、非常にボリュームがあり、そこだけでもロボットで自動化されるなら、充分に元が取れる!というのであれば、それも良いと思います。

しかし、多くの中小企業においては、大企業に比べて「多品種少量」な業務が多いものです。それらをすべて外注していたのでは、費用対効果はとても低いものになってしまうでしょう。

つまり、RPA導入で出来る限り社内業務を自動化したい!と考え、実際に自動化するに値するだけの「仕事量」があれば、自分達でロボットの作成・運用が出来るようになった方がRPA導入のコストパフォーマンスは良くなると言えるでしょう。

 

 

以上は、2019年現時点での話となります。

この先、RPAの進化が次のステップに到達した際には、いくらか改善はされると思いますが、数年で導入/運用の敷居が急激に低くなるということは無いと思われます。