東京海上日動火災保険はデジタル化推進に「市民開発」と呼ばれる考え方を取り入れる。2022年1月から、プログラミング不要でソフトを開発できるノーコードの手法で現場の担当者が必要な業務用アプリを開発できるようにする。事務作業などちょっとした業務の効率化のほか、社員のデジタル化意識の向上につなげる狙いだ。

22年1月から1万7000人の社員全員が米マイクロソフトの業務自動化ソフト「Power Autom…
(引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC261HN0W1A920C2000000/)

RPAツールの黎明期において、真っ先に導入された業界というのは、金融・保険業界と言われています。

ですので、RPAへの理解が深く、全社員に向けてRPAツールの習得を促しているのでしょう。

 

RPAツールの導入形態が変わりつつある

最近、RPA業界でいわれ始めているのは、

『ひとりを幸せにするRPA』

という言葉です。

RPAに関しての考え方のパラダイムシフトと言えるかもしれません。

今までは、複数の人間がかかわる業務をRPAにて自動化し、それに対してのコストパフォーマンスを計算し、導入すべきかどうか?ということが議論されてきました。

しかし、RPAツールのコストが大きく下がってきた・選択肢が増えてきたこともあり、各人の業務への適用が認められ始めています。

昔から、

自分の業務をマクロを使って自動化し、周りの人が残業している中、自分は毎日定時に会社を出る。

ITに詳しくない上司がそれを見て、「お前は周りが残業していて頑張っているのに、よく帰れるな!大して仕事もしていない(ように見える)のに!」

でも、実際には他の人よりも倍以上の量の仕事をこなしていた・・・

という5chで見かけるような話はよくありました。

RPAツールの場合、マクロ(ここではExcelのVBA)と比べると習得のハードルが低いことと、適用範囲が広いので、習得することの恩恵はもっと大きくなるでしょう。

マイクロソフトのRPAツールが選ばれた訳

そういえば、昔見たニュースには、東京海上では「WinActor」や「UiPath」を使っているということが書いてあったので、今後はRPAツールを切り替えていくということになるのでしょうか。

まあ確かに、全社員に有料のRPAツールを使わせるのは、費用面の負担が大きすぎるし、他のRPAツールでないとできないことというのも、ほとんどありません。(ロボット作成において、工夫が必要になることはあります。)

それに、異なるRPAツール間におけるロボットのエクスポート・インポートというのは、基本できないので、早い段階で統一しておくのは、当然ですね。

 

マイクロソフトのRPAツールである「Power Automate Desktop (for Windows10)」は、無料で使えます。

確かに無料のRPAツールは他にもありますが、余程特殊事由がない限りは、敢えて他のRPAツールを選ぶというのは、個人的には理解しづらいですね。

情報収集を怠って他のRPAツールを選んでしまったか、RPAツールの営業マンに上手く説得されてしまったか、試験的に導入したRPAツールで作ったロボットを移行させるのが面倒でそのまま契約してしまったか。。。

ちょっとコスト意識に欠けるのは!?と感じます。

 

導入のタイミングにしても、今や「RPAツールが有用かどうかの見極め」の時期は過ぎています。

総務省も働き方改革で強く推奨していますし、コストの面でも無料で使えるようになっています。

早く導入すればするほど、その恩恵にあずかれる量が多くなります。

仮に社内システムとの相性が悪く、上手く自動化できなかったとしても、RPAツールの費用が掛からないのですから、大きな損失にはなり得ません。

そういった理由で、RPAツールの導入をすべての企業様にお勧めしたいと考えています。

しかし、便利なツールだからといって、社員が勝手に、自然に導入されるものではありません。(各人が勝手にアプリを社内で自由に使って良いというのは、それはそれでセキュリティ上の問題があります)

ですので、本当にRPAツールによる業務改善を考えるのであれば、ある程度のポストの人が主導になり、教育費などの予算取りでバックアップし、導入を後押しする必要があるのは確かです。

もし、弊社の方でお手伝いできることがあれば、お気軽にご連絡ください。