「ハンズオン」= hands-on と書き、「実地の、実践の」という意味です。

なので、ハンズオンセミナーというのは、「体験学習」です。

ただ講師の説明で終わるセミナーではなく、実際に触りながら覚えていくスタイルの講義となります。

 

現在、東京や大阪といった場所以外でも、有名なRPAツールに限りますが、有料RPAハンズオンセミナーを受けることができる環境になってきました。

私も過去に2社のセミナーを体験したことがあります。

その時のRPAツールは、NTTの「WinActor」でした。

今では、WinActorのRPAエンジニアとしての経験もあり、講師が出来るほどの知識もあります。

 

しかし、思い出すと受講後の感想としては、やはりインターネットのカキコミでよく見るものと同じで、「金額分の価値はなかったなぁ。」と。

「ツールの操作方法の説明、操作演習で2日間が終わりました。

あとは、フローチャートの説明が申し訳程度にあったくらいで、それ以外はひたすら言われるがままに資料にある通りにキーボードとマウスを動かすのに精いっぱいでした。

帰社後、研修を受けて、ツールの使い方はある程度理解したつもりですが、いざ自部門の業務自動化をしようとすると、RPAツールを前に何をしてよいかわからない自分に気づきました。」

 

 

なぜ、こんなことになっているのでしょうか?

 

理由はいくつかあります。

1つめは、「教材」です。

都合2社のハンズオンセミナーを受けてみて、気づきました。

同じ教材を使っているのだなと。

つまり、RPAツールの販売元が作成した教材があり、その中から適当な部分を切り抜いて教えているのですね。

それの何が問題なのかというと、「教材において、RPAを使いこなすのに最低限必要なプログラミングの基礎を学ぶレッスンは入っていない」ということです。

なので、本当にノンプログラマーの人が受講しても、上記のように自分で作りたいロボットが作れないということになるのです。

「どうしてそんな教材を?」と多くの人は思うでしょう。

私が思うに、「RPAツールのメーカーは、ノンプログラマーでも使える簡単なツールです」と謳って販売しています。

それなのに、セミナーに行くとプログラムの基礎をがっちり教えていては、言っていることと矛盾が生じるからでしょう。

 

 

2つめは、「時間」であり、「集団セミナー形式」であることです。

恐らく、教えている講師も「変数や制御構文の概念とかはRPAでも重要」だと分かっているはずです。

本来であれば、もっとプログラムの基礎について説明してあげないとダメだと。

しかし、ただでさえ十分な時間がないのに、そこまでやっていると肝心のRPAツール操作方法を教える時間が無くなってしまうと考えているのでしょう。

雇われの講師に求められるのは、講義時間内に最低限教材を終わらせることです。

それに、プログラミングの話になると、すぐ理解できる人と、ちんぷんかんぷんになる人が出てくるでしょうから、全員が理解できるまでやっていると、参加者の平均満足度が大きく低下し、RPAの集団セミナーが成り立たなくなるという危険性もありますね。

 

こういった状況は、現状の有料ハンズオンセミナー形式では、仕方がないこととして扱われているようです。

個人的には納得のいかないことですが、運営側も採算性などを考えるとこういうスタイルになってしまうのでしょうか。

7robotsは、ここにも一石を投じたい気持ちがあります。

お金貰って教えるなら、ちゃんと使えるようになって貰えるスタイルで提供しましょうよ!と。