Dog:RPAソフトの相場って、おいくらくらいなの?

Robo:相場ですか? 1ライセンス当たりの最低金額を知りたいのですか?

Dog:そう。少し調べてみたのだけど、ピンキリな感じがしてよく分からないんだ。

Robo:確かにそうですね。価格を表示していないものがあったり、組み合わせで値段が変わる部分もあるし、一般の方には分かりづらいでしょうね。

Dog:量販店に行けば、RPAソフトが並んでいるという訳でもないでしょ。だから、比較も難しいなと思って。

Robo:ソフトウェアですからね。車とかみたいに目に見えるものではないですからね。果たしてこのRPAソフトは、値段相応なのか、それともコストパフォーマンスが良いのか?という判断は難しいですね。

Dog:でしょ!?

Robo:では、今回そのへんを取り上げてみましょうか。

 

■RPAソフトにみる「価格」と「性能」の違い

1ライセンスで年間数百万円を超えるものから、無料のものまで幅広くある訳ですが、何がそんなに違うのでしょうか?

RPAソフトの価格を決めている(だろう)要素をみてみましょう。

 

1.「インストール型」と「クラウド型」の違い

単純に言って、「インストール型」の方が「クラウド型」よりも高いです。

出来ることの数も「インストール型」の方が多く、汎用性があります。

ご存知の通り、「インストール型」は、ほとんどのRPAソフトにおいて、年間ライセンスでの販売となっています。

まあ、一回売っておしまいでは、RPAソフト開発会社もやっていくのが難しいでしょう。

ユーザーから問い合わせはもちろん、セキュリティ対策やバグ対策の無料アップデートの配布もありますし、色々と手が掛かります。

なので、そういった年間ライセンス制になるのは仕方がないところだと思います。

 

その点、「クラウド型」の方が、(ユーザー獲得さえできればという条件付きですが)売った後の管理がし易いといえます。

メンテナンスもクラウドサーバ側に手を入れるだけでOKですし、料金回収もクレジットカード会社任せで、少人数でも開発に専念できますね。

 

 

2.RPAソフトの精度と汎用性

これは商品としての品質を表しています。

個人が作ったようなRPAソフトも世の中には存在し、それを「WinActor」などと比較すると、明らかに出来が違います。

安いRPAソフトの大半は、最初画面を見た時に「どこに何のボタンがあって、どうやればよいのか分からない!」というものが非常に多いです。

「シンプル!」なのではなく、直観的に「分からない!」のです。

いわゆる「インターフェースの出来が良くない」と言えます。

慣れれば無駄が無くて使いやすいということはありますが、一般ウケしずらい造りとなっています。

 

また、機能の数が少ないのも特徴の1つです。

「WinActorだったら、エクセルのフィルター機能を操作できるボタンがあるのに…」といった感じで、機能が限られていることが少なくありません。

拡張性も低いため、できること自体もかなり限られてしまうということがありますね。

 

あとは、RPAで最も差が出やすいのは、画像認識の部分でしょうか。

画面上にあるアイコンをクリックしたり、テキストを認識させたりするには、各社の開発能力であり、かなり高度なプログラムスキルが必要となります。

画面の座標軸で無理やり設定する方法もありますが、ちょっとした環境の変化でエラーが出やすかったりもするので、あまりスマートとは言えません。

当然、操作も簡単で精度の高いものを小規模な会社では開発するのが難しいので、簡易版でとどめてあるのは珍しくありません。

 

3.ソフト開発会社の場所

RPAソフト市場は、世界規模です。

2025年には、世界のRPA市場は軽く5000億円を超えると予測されていますから、当然多くの会社が目を付けています。

日本のRPA市場は、先進国である欧米に比べて、3~5年ほど遅れているとも言われていることもあり、市場規模もこれからといった感じを受けますね。

 

それはさておき、グローバルであるRPAソフトの基準は、「英語表示」であり、「Windowsで動く」ということになっています。

そのため、RPAソフトは世界中で作成されており、支店はロンドンやニューヨークにあるものの、本社は発展途上国というのも珍しくありません。

当然、人件費と家賃が高い地域では、それがそのままソフトの値段に反映していることは少なくありません。

純国産RPAソフトであるWinActorが、最低でも年間100万円程度掛かってくるのも、仕方がないでしょうね。

他の記事でも書かせて頂きましたが、その価格でもそれほど利益が出ていない模様です。

NTTとしては、今は将来への投資として、薄利多売になっても構わないから、早めに国内シェアを獲っておき、ライセンスの更新料で大きく稼げるようになりたい!というのが本音ではないでしょうか。

まあ、一度入れて稼働すれば、「やっぱり来年からは辞めて手動に戻す!」というケースは少ないでしょうから。