前回の内容を簡単に言えば、「中小企業においては特に、RPA導入を反対されやすい社内の雰囲気がありえる」ということでした。

 

平均年齢の若い会社で、組織の体系がフラットであれば、その確率は下がってくると思いますが、そうでない場合は、「スタッフに反対された!」とか「スタッフがRPA導入に協力的ではないんだ!」と言われても私は驚きません。

では、本題として「どのようなステップを踏んで導入するのが良い」のでしょうか?

結論から言えば、2つのステップが必要です。

 

「RPA」導入の大原則

 

■トップダウンで導入を決める

<導入ステップ1>

会社のトップが、「うちは数年先を見据えたビジネスをしており、大きく生産性を向上させる。なので、今回を機にRPAを導入する!」と宣言することです。

もちろん、実際の業務において、費用対効果が見込めない会社もあるでしょう。(従業員数が数十人規模の会社であれば、その可能性は低いと思いますが)

その時はもちろん、結果として「見送り」という選択肢も考慮すべきですが、その意見は伏せておくべきです。

旗振り役の人の態度が曖昧だと、新しいものを導入して社内改革するというのは、往々にして困難でしょう。

 

実際にどの作業をRPA化するかは、現場の意見に沿う

<導入ステップ2>

RPAにおいてロボットを作成する時、どうしても今までその作業を行っていた人にヒアリング、もしくは書き出して貰う必要があります。

ここでの作業の洗い出しが不十分だと、作成されるロボットも欠陥品になりかねません。

どうしても協力が必要となります。

また、導入後になんらかの原因でロボットが止まるということも、珍しくありません。

その際には従来のやり方でその場をしのぐ必要が出るかもしれませんので、非常時の為に「(手作業による)操作マニュアル」の作成もしておいて貰うべきでしょう。

そうしないと、社内から知識が紛失してしまう危険性もあります。

 

あと、ロボット作成時のコツでもあるのですが、

『ロボットの柔軟性』をどの程度持たせるのか?

ということがあります。

例えば、「RPA商事さま」という会社のファイルを、データベースAに反映させるといったロボットを作るとします。

そうすると、ボタン1つで稼働するのは、毎回「RPA商事さま」のファイルだけになります。

しかし、1動作増えますが、「どのファイルを選択しますか?」というウインドウが表示されるようにしておけば、「RPA不動産さま」でも「RPA水産さま」でも、同じロボットで対応できるようになったりします。

もしくは、「(仮)処理前フォルダ」に入っているファイルを一括処理するというルールにしても構いません。

こういったことは、会社それぞれの事情がありますから、現場の人しか分かりません。

なので、ロボット作成時には使い勝手において忌憚のない意見を現場から貰えるというのは、とても大事なことなのです。

 

以上繰り返しになりますが、

まずはトップダウンにて社内に指示し、実際のロボット作成においては現場主導のものとするのが理想形となります。

現時点における「RPAのできること」というのは、PC上で行われる単純作業の代行です。

単純作業は、一定期間が過ぎ、その作業に慣れてくると、多くの人にとってあまり面白いものではなくなっているはずです。

面白いと思わないものに対しては、人間、創造性が働かないものです。

是非、単純で面白くないルーチンワークから解放し、本人も気づいていないその人の強みを見つけて、働く喜びを今以上に感じさせてあげてください!