もし、タイトルにある質問をされた場合、私は、

「なぜ、敢えて他のRPAツールを選ばなくてはいけないのですか?」

と逆にお聞きしたいです。

私が、マイクロソフトのRPAツールである「Power Automate Desktop(以下、PAD)」をお勧めする理由としては、
・無償版があること
・無償版で一般的な自動化には問題がないこと。
・他のRPAツールで自動化可能なものは、PADでも可能であること。(余程特殊なものは除く)
を挙げます。

私は元々、「WinActor」のRPAエンジニアとして働いていたり、個人的に最初に触ったRPAツールが「UiPath」だったりします。

その経験から申し上げて、「今からRPAを社内導入するとか、個人的にスキルアップとして学ぶというのであれば、PAD一択!」と考えています。

それでも他のRPAツールを導入する理由が、
・そのRPAツールに詳しいスタッフがいる
・その業種に特化した特殊な機能がある
といったものであれば、理解できます。

もし、そういった理由がなく、Power Automate Desktop以外のRPAツールを選択したorするのであれば、失礼ながら「ちゃんと調べましたか?」といいたくなります。

もちろん、PADが出る前にRPAを導入していた場合は除きますが、仮に、今他のRPAツールを導入していたとしても、それが有償版ライセンスであるならば、早い段階でPADに切り替えることすら、お勧めしたいと思います。

なぜなら、時間が経てば経つほど、ロボット(シナリオ)の数が増えていき、切り替えが難しくなるからです。

そして、毎年決して安くは無いライセンス料を払い続けることになります。

Power Automate Desktopのメリット・デメリット

それでは、ここで「PADのデメリットとメリット」を整理してみたいと思います。

Power Automate Desktop のデメリット

①インターネットが繋がっていない環境だと、利用できない。

他のRPAツールによっては、インターネット環境が無くても利用できるものがあります。

しかし、PADはハイブリッドRPAといえる形態なので、常時インターネット&マイクロソフトのサーバに繋がっている状態でないと利用できません。

そのため、原因が「貴社のインターネット環境」であれ、「マイクロソフトのサーバ」であれ、止まった際にはPAD自体が使えなくなってしまうのです。

今やインターネットは社会的なインフラと呼ばれる時代ですが、ドコモやKDDIが一時的に不通になったり、GAFAが提供しているクラウドサーバが止まったりすることから分かるように、(自社のせいではなくとも)RPAが使えなくなる時もあるということを考慮した運用をする必要があります。

②他の有名RPAツールに比べて、インターネット上に情報が少ない

この記事を書いているのが、2022年7月です。

無償版が登場して、1年ちょっと経過したので、少ないとはいってもだいぶPAD関連の情報が増えています。

とはいえ、簡単な操作方法レベルの情報であれば問題ありませんが、トラブルシューティング関連の情報はまだ不足していると言わざるを得ないでしょう。

まあ、利用者自体も急増していますので、これが解決されるのも時間の問題と言えると思います。

個人的には、デメリットと言えるものは、このくらいでしょうか。

Power Automate Desktop のメリット

①無償で利用できる

これはとても大きなメリットです。

今まで、年間60~100万円以上と考えられていたRPAツールのライセンス料を払うことなく、利用できるのですから!

このプランがマイクロソフトから発表されたのは、2021年3月ですが、多くのRPAツールメーカーが、「勘弁してくれよー(涙)」と感じたと思います。

ちなみに、「UiPathも無償版ありますよね?」と言われることがありますが、あちらはVB.NETの知識が必要とされるなど、純粋なノンプログラマーには敷居が高いですね。

それと比べると、PADの方がだいぶ敷居が低いと感じます。

②将来性(拡張性)がある

RPAの将来というのは、AIとの融合と言えます。

現段階では、単なる「PC上の繰り返し業務の自動化」が主業務となっていますが、どんどん融通の利くシステムになっていく(予定)です。

その際、小さなRPAツールメーカーでは、AIの部分までカバーしきれなくなるでしょう。

しかし、マイクロソフトは世界屈指のソフトメーカーですので、現時点でも最先端の研究が進んでおり、今でも日々新たなサービスが追加されている状態です。

③他社RPAツールに比べて、比較的分かりやすい仕組みになっている

一言で「RPAツール」と言っても、その造りによって、やはり習得の難易度が違います。

その点、PADはよく考えられた造りで、シンプルで見やすいと感じます。

まあ、PADは、RPAツールとして定評のあった「WinAutomation」というRPAツールを提供している会社を買収し、少し作り替えたものなので、完成度が高いの当たり前なのですが。

なお、「WinActor」に比べると、「とっつきにくい」という意見はありますが、それは認めます。

あちらは、シナリオ作成画面の表示が「フローチャート型」になっているので、直感的に操作しやすいです。

しかし、それは慣れの問題であり、慣れてくるとPADの方が全体像を把握しやすく、コピー&ペーストも使いやすいので、より早くシナリオ(フロー)を作成できるようになりますね。

④ツールの永続性

ご存知の通り、世の中にある数多くのアプリケーションは、短命なものが多いです。

ニーズが無くて消滅したり、他社に買収されて消えたりします。

世界には数多くのRPAツールが存在しますが、この先多くのRPAツールが消えていくでしょう。

その点、PADはマイクロソフトが提供しており、これ単品で収益を得るというビジネスモデルになっていません。

マイクロソフトが提供しているサービス群の1つを担っており、顧客囲い込みの1つとして存在しています。

そして、DXが叫ばれる時代において、突然マイクロソフトがRPAを止めるということは考えづらいです。

マイナーなRPAツールを習得した場合、ある日突然サービス提供が無くなり、また改めて他のRPAツールを勉強し直すという必要性が出るかもしれませんが、PADの場合は、その可能性が極めて低いと言えるでしょう。

⑤社内において、利用の申請許可を得やすい

無償であることはもちろんですが、Windows11においては標準搭載されているようなアプリです。

マイクロソフト謹製ということで、出所の怪しいアプリではありませんから、社内のセキュリティポリシーに触れない使い方であれば、多くの企業において許可されるでしょう。

有料で高価なRPAツールだと、他の部署や転職した職場では利用できないかもしれませんが、その点PADのスキルはとても有利なのです。

 

以上、私がPADをお勧めする理由です。

ですので、もし「絶対、PADよりもこのRPAツールの方がいい!」というものを見つけた際には、ぜひお問い合わせフォームから教えてください!

ちなみに「クラウド型RPAツール」を持ってきて、「こちらの方が断然簡単に自動化できまし、有償ではあるけどとても安いです!」と言う人がいるかもしれません。

確かに操作は簡単で、ライセンス料も安いです。

しかし、PADなどのインストール型とは異なり、自動化できる範囲がかなり限られるので、現状では同じ土俵にのりません。