時折、

「RPAツールで全部自動化できるんだから、他のアプリケーションの操作方法なんか覚える必要ないよね?」

と思っている人に遭遇します。

うーん、車の自動運転のように、機械が勝手に判断して処理してくれることをイメージされているようですが、残念ながら違います。

RPAツールには、ロボット作成時に手作業(マウスとキーボード)の動きを1つ1つ教えてやる必要があるのです。

つまり、その自動化対象となるアプリケーションのことが分かっていないと、自動化できないのです。

なので、RPAによるロボット作成の依頼を私たちが受ける場合、最初に対象のアプリケーションの「操作方法」と「作業手順」を教えて頂くところから始まります。

私とExcel

今でこそ、このようなブログを書く立場になっていますが、そういう自分もRPAを勉強し始める前は、Excel初心者といってもおかしくないレベルでした。

元々、通信関係の営業畑出身で、自分で表計算の数式を入れて・・・といったことをする必要がなく、出来上がっているものに数値を入れる程度で十分でした。

なので、マクロなんてものを組める人を尊敬のまなざしで見ていました(笑)

それから、色々ありまして、RPAを本格的に勉強したいと思い独学にて挑戦したのですが、最初は1度挫折しました。

UiPathというRPAツールの無料のオンライン講座を2周したのですが、いざ自分の作業を自動化しようと思い、パソコンの前に座っても何をして良いのかさっぱり分からなかったのです。

そこで、比較的簡単と言われる「Excelのマクロ(VBA)」の勉強を優先したのです。

「折角勉強するのだから、体系的に勉強して資格でも取っておくか。」と思い、VBA Expert(Standard)も取得しました。

あと、Udemyという有料のオンライン講座にて、「ピボットテーブル」とか「関数」などExcel関係の講座をいくつか勉強もしましたね。

今ではすっかり内容を忘れてしまっていますけど(苦笑)

 

しかし、「Excelで何が出来るのか?」が分かっていれば、あとは必要になった時、その場で調べて思い出せば良いのです。

忘れるということは、出番が少ないということなので、それはそれで構わないのです。

Excelにそういった便利な機能があるということに気づけない&知らないのがマズイのです。

RPAとExcel

一般のRPAツールにおいては、標準でExcelを操作するパーツが、複数入っています。

例えば、最終行を取得するものとか、列を挿入するとか、アクティブセルの位置を取得するとか…。

しかし、Excelが持っている機能と比べると、十分ではないのです。

そのため、より込み入った作業を自動化しようとすればするほど、Excelの関数とかマクロといったものを使わざるを得ない状況が出てきます。

私が最近知って感心したのは、Excelでは「西暦」以外に「和暦」も関数で簡単に出せるのです。

その他にも、RPAツールには備わっていない機能だけど、実務で時々必要とする計算機能がExcelには多いのです。

 

また、Excelを扱う上での基本的なルールを知っていることも重要になってきます。

・1セル1データが基本
・セルの結合はしない
・スペースや改行等で体裁を整えない
・機種依存文字は使わない
等々。

(参考)総務省が決めているExcelのデータ入力の統一ルールについて
https://excel-design-dr.com/date-entry-rule/

RPAツールを使った自動化で一番多いのが、「転記ロボ」の作成だと思います。

つまり、Excelにある値を他のシステムやExcelブックに記入というものです。

その際に上記のようなExcelを使う上で当たり前であり、ルールでもあることを知っておかないと、良いロボットが出来ないのです。

もし、手渡されたデータがルールに反している場合、無理してそれをロボットに読み込ませるのではなく、まずはその社内で一般化している風習!?をこれを機にして直して貰うように働きかけるのが良いでしょう。

総論

という訳で、

『Excelのすべてを覚えておく必要はもちろん無いが、苦手意識を持たない程度には、理解&習得しておく必要がある』

ということです。

ですので、パソコン初心者の方に「RPAとExcelのどちらを先に勉強すべきですか?」と聞かれれば、「Excelを先に勉強してください」とお答えします。

もちろん、まったくの初心者ではなく、業務である程度利用しているという人であれば、RPAツールの勉強から始めて全然問題ありません。

ロボットを作成する上で必要性を感じたら、初めてその勉強をするという形で大丈夫です。