IT業界で働いている人であれば、みんな知っている単語「RPA(Robotic Process Automation)」。

もし、「知らない」とか、「聞いたことない」という人がいれば、たぶんその人はモグリです(笑)

 

冗談はさておき、「AI」という単語に比べると、数段知名度が落ちるというのは、否めない事実です。

実際、RPAの話をしている時に、「それって、AIと何が違うの?」と聞かれたことは何度もあります。

 

「AI」とは何か?

「AI(Artificial Intelligence)」は、ご存知の通り、人工知能の略です。

本屋に行けば、それだけコーナーが出来るほど、沢山の書籍がありますね。

SFにおいても、もう数えきれないほど、AIをテーマにした映画が出ています。

なので、詳しく知りたいという人は、Amazonや本屋、もしくはYoutubeで探してみることをお勧めします。

今回の主旨は、「RPA」との違いなので、そこに焦点をあててお話したいと思います。

AIの研究自体は、1970年代くらいから、何度かのブームを繰り返しながら今に至ります。

今、第三次ブームと言われておりますが、何故二次まで単なるブームで終わったのかというと、一番の理由は計算機であるハードウェアが未成熟だったからです。

今でも時折、役に立たないAIを「人工無能」などと揶揄されることもありますね。

2000年代に入って、ようやくCPUをはじめとしたパーツの進化が追い付いてきて、単なる玩具止まりだったものが、ビジネスに利用もできるようになったという訳です。

 

あと、AIに欠かせない単語として、「ビッグデータ(Big Data)」というものがあります。

名前の通り、とても大きなデータの集まりで、通常のパソコンでは処理が追い付かないほど沢山のデータです。

AIというのは、このビッグデータの中から、一定の法則性に基づいてデータを抜き出したり、その共通点を抽出するというものです。

 

その一方で、「RPA」は何か?

RPAというのは、事前に決められたルールに則って、特定の操作を行う(繰り返す)というものです。

 

「AI」と「RPA」の違いは?

AIとの比較で言えば、「AIは答えがコンピュータから出てくる(アウトプット)」、「RPAはコンピュータに答えを入力(インプット)」といった具合に、矢印の向きが反対なのですね。

なので、本来、AIとRPAは全くの別物と言えます。

 

しかし、RPAもその発達段階が3つのClassに分けられており、現在、Class1から2の過渡期という状態です。

この1と2の違いを簡単に言えば、「AIの含有率の違い」と言えるかもしれません。

Class1では、画像認識とか音声認識といった処理は出来ません。

そこに、AIの技術が加わることで、RPAで画像認識や音声認識を処理(Class2)することが出来るようになっています。

つまり、その役目自体の矢印は逆であるものの、親和性は高く、現時点においてお互いの垣根は低いのです。

これにより、今までRPA単体では定義出来なかった操作も、AIが教えてくれるようになり、自動化できる幅が大きく広がる訳ですね。

そして将来的(Class3)には、

『AIで導きだした答えに沿って、RPAが処理を行う』

ということになります。

RPAの完成形である「Class3」になると、一般の人から見た場合、まったくもってAIと区別がつかないものになり、「RPA」という単語自体がAIの一要素となって消えていくのではないでしょうか!?